エクス・ポナイト VOL.2@渋谷O-nest

昨日はネストでポナイト・ツーを見学して来たのですが、
大変充実した内容で面白かったです。
出演者もお客さんも知り合いだらけという感じでしたけどね。


初見の古川日出男氏の朗読パフォーマンスは圧巻でした。
このように読まれるべきなんだろうなと思われるスピードと抑揚で。
彼の文体を音像化し増幅するとまさにああいう形になるのでしょうね。
実際あのようなテンションで黙読する読者がどれほどいるのかという感じですが、
ああして読者に自分の文体を伝える作業をしていく姿勢は非常に理解出来ましたね。
その後のトークでも力強い言葉を回転速く飛ばしていて、
まさに喋りと佇まいが文体そのものだなという印象を受けました。
イトケンさんとテニスコーツ植野さんの演奏も素晴らしかったです。
イトケンさんいつものアルミ板とか、サラダ入れるボウルみたいなの叩いてて
見た目にも面白かったですね。
植野さんの音色とプレイの多彩さも改めて感銘を受けました。


本谷有希子×岡田利規両氏のトークも面白かったですね。
岡田氏は読点の使い方でお互いの差異を語っていましたが、
そこから言葉に対するお互いの意識が語られてなかなか興味深い内容でした。
彼女の新しい舞台のタイトルが「幸せ最高ありがとうマジで!」というらしいんですが、
そんなタイトル付けちゃってと仲間から突っ込まれる快感のMっ気と、
仕事関係の人に真面目な口調でそんなタイトルを言わせてる自分というSっ気と、
両方が共存するみたいな話が面白かったんですが、
彼女のようなアイドル然とした華麗なルックスの持ち主がMだのSだの言ってる様が
文系男子のハートを掴んでいる所以でもあって、本人も当然それを意識してるのだろうし、
私はそういうとこずるいんじゃないかと思ったりするわけですが、
古川氏と違って彼女のルックスと文体が私の中で未だに一致しないのですよね。
まあ一致させる必要もないんですけどね。
しかしあのキュートな衣装は男子の目線をどんだけ意識してるのだという感じもして、
そこら辺の自意識が彼女の描くキャラと被る部分あったような気もしたんですけど、
まあどうでも良い話ですかね、見た目の話は。
岡田氏が彼女の「グ、ア、ム」読んでグアム行く気失せたというのは
あの作品の本質突いてるなと思ったんですが、
あんな曇天を描くような子がこの子なのかあと改めて不思議に思った次第です。


あと久々に見たd.v.dですが、しばらく見ない内に知らない曲が増えてましたね。
TENORI-ONを初めて生で見たんですが、
まさにd.v.dが使うべくして出て来たような楽器ですね、あれ。
3体の人形みたいなのが踊る曲はPerfume意識してんのかなと思ったんですが、
それこそPerfumeとのコラボもいけるんじゃないのとか思いましたけどね。
もっとでかいフェスに出れば良いのになあと思った次第です。


ところで植野さんに10数年借りっ放しだったテープを
CD-Rにして返してくれと言われてたんですが、
テープ音源をCD-Rに移す術がないので仕方なくそのままテープ持って行ったら
イトケンさんがCD-Rにしてくれるという流れになったので
10数年を経てデジタルで返却されることと相成りました。
つーか10数年もなんで返さなかったのかという話ですけどね。
私も10数年友達に貸したままのブツいっぱいありますけどね。
こういう10数年を何と呼べば良いのでしょうか。
別に名を付けて呼ぶ必要もないのでしょうか。