恵比寿ホーリー

先日は山田バンドのワンマンライブ「夜の科学」があり、
私もメンバーとして出演したかったのですがいかんせん年末ということで仕事が立て込んでおり、
今回はすみませーんと出演を遠慮させていただいたんですが、
何とか当日本番のステージは見に行ける運びとなりまして。
山田氏にその旨を連絡すると
「じゃあ年末恒例のプレゼント大会やるから五十嵐くんも景品出してー」と言われ。
それを聞いて私はちょうど1年前の夜の科学でのプレゼント大会のことを思い出しまして。
去年の年末、同じく景品を出すよう山田氏に言われた私は
その直前ちょうど博多に出張していたので、
どうせなら博多っぽいお土産にしようと博多限定の博多ラーメン味のプリッツに目をつけ、
それをえいやとまとめ買いし、
みんな喜ぶぞーうと半ばドヤ顔で会場に持参したのですが、
他のメンバーが提出した景品がCDのセットだのTシャツだの、
山田氏に至ってはミニギターなどお客さんが喜ぶナイスアイテムばかりで、
私のしょぼいプリッツは霧の彼方の湖畔の如くぼんやーり霞み、
いざくじ引きでそれを当てたお客さんたちは
プリッツ…」と一様に残念なアトモスフィアを醸し出しており、
私は「博多限定だから!」
「プレゼントは気持ちだから!」
「博多と東京間の交通費を考えたら経費かかってるから!」と、
自ら援護射撃を繰り出したのですが、所詮プリッツプリッツなのであり。
プリッツを奏でても音は出ねーし!ということで、
この夜を境に私はプリッツを見るとハートが痛むという病に冒され、
この事件は「哀愁のプリッツ事件」として記憶されるに至ったのですが、
山田氏からの景品提出の命を受けついこの事件のことを思い出してしまい。
そこで今回はノーモアプリッツ!を合言葉に気合いを入れて
自作の招き猫マトリョーシカ(クリスマス仕様)を用意し、いざライブ会場に向かい。
プレゼント大会で「五十嵐やるじゃん!」と喝采を得るというミッションを自らに課したのでした。


当日は仕事が終わって会場(当券も出ないほどの超満員でした)に辿り着くともうステージ半ばで、
山田氏以外のメンバーの抽選会は終わっていたようで。
エビちゃんや安宅さんが何を用意したのか見れずじまいだったのですが、
何しろ今回私はプリッツじゃないですからね。
招き猫マトリョーシカですから。
(鼻の下に人差し指を置いてエッヘン!て感じで)
というわけで鷹揚に構えていると今回はメンバー以外にも
関係者から景品が出されているらしく。
巣巣の岩崎さんやら会場のスウィッチさんやらから実にナイスな景品が出されており。
さらには気仙沼からライブを見に来た通称「気仙沼くん」からも景品が用意されているらしく、
気仙沼からわざわざ来たお客さんから景品出させちゃうのも凄いなあと見ていると
彼はフカヒレスープとずんだ餅という土地柄を活かしたお土産を提出していて。
同じ土地柄活かしでも私のプリッツとは雲泥の差だ〜とワナワナしていたら
それを巣巣の岩崎さんが当てるというプチミラクルなども見られ。
年末のプレゼント大会でこんな盛り上がって良いのかと思いつつ、
なかなか私の名が呼ばれないので、
もういいやビール飲んじゃえとぐびぐびやりつつ
演奏を楽しんでいたら本編が終わり、
アンコールになってようやく私が呼ばれ。
さあいよいよ俺のプレゼントを出すぜっ、と気合いを入れて颯爽とステージに上ると
山田氏から「結婚おめでとう!」と突然サプライズの花束を渡され。
予期せぬというか、プリッツリベンジばかり頭にあった私は
山田氏とメンバー、お客さんから思わぬ温かい祝福の拍手を受けてすっかり感激し、
出演もしてない私に斯様な場を与えてくれ、花束を用意してくれたリーダー山田氏の漢(おとこと読みます)っぷりに
「女だったら惚れるぜっ」とよろめいたのですが、とても嬉しかったですね。
(まあ私は男だし結婚したばかりなので惚れるまでは至らなかったですが)
そんな中、満を持して私は招き猫マトリョーシカを紹介し、それが無事男性客に当たり。
一応客席からは「お〜」みたいな声をいただいたので良かったです。
プリッツのリベンジを1年越しに果たせました。
その後「五十嵐くんも1曲弾いていきなよ!」と山田氏からギターを渡され、
季節柄の恒例「クリスマス・イブ」でバンド演奏に合流させていただきました。
思わぬクリスマスプレゼントをいただいてしまいました。


私のいないバンドの演奏を見るのは新鮮でしたが、
山田氏のギターってこのくらいのバランスで聞こえてるんだなーとか、
「光の葡萄」のカポってあんな下に着けてたのかーとか、
バンド全体こんな感じで見えてるんだなーとか色々客観的に見えて面白かったですね。
イトケンさんの代わりにははの気まぐれの川本さんがナイスアシストしておりましたが、
曲を熟知してるエビちゃんが安定したリズムでボトムをしっかり支えていて、頼りがいあるなあと感心してしまいました。
(今回年下の綾香ちゃんがいるからお兄さんぽい佇まいだったんでしょうか)
山田氏の教え子(?)の綾香ちゃんは可憐なルックスと力強いコーラスで華を添えて良かったですね。
バンドの音がシンプルな分、安宅さんとの3声コーラスがさらに際立って新鮮でした。
安宅さんも普段見ないエピフォンのギターを弾いてましたがいぶし銀でしたね。
上野さんのフルートもクリスマスソングにマッチして美しい調べでした。
ピアニカは1オクターブ上を鳴らすんだなとか、スタッカートを強調するんだなとか、
自分とのアプローチの違いなども興味深く聞けました。
着てる服は同じだけど、袖を捲ったり、ボタンを外したり、裾を出したり、
何か小物を合わせたりで演奏者が変わると服の着こなしも変わるといった感じでしょうか。
とても良いホーリーな着こなしだったと思います。
私もこのバンドに参加したいなーと思いながら見ておりました。
(普段参加させてもらってるんですが)
山田氏の歌も情感込もっててうんうん、いいじゃん、と思いながら聞いておりました。
30代最後の歌唱と思うと何だか感慨深く。
(一体どこから目線なんだお前はという感じですが)

そんなわけで、とてもいいライブでした。
関係者のみなさんお疲れ様でした。
メンバーからも声を掛けてもらい、お客さんからも結婚祝いなどいただいたりもし、恐縮した次第です。


あの招き猫のマトリョーシカを当てた男性客がどのように飾るのか聞きたかったんですが、
気が付くと帰られていたので聞けずじまいでした。
この夜の演奏と共に部屋の片隅に飾っていただけたら幸いです。
そして来年景品どうしようという課題を抱えてイルミネーション輝く恵比寿の街を帰った私です。
ホーリーな。
花束を抱えて。