私、THE MANZAI 2013を鑑賞

お笑い好きに於ける年末のお楽しみとしてTHE MANZAIがあるわけですが、
今年も視聴しあれやこれや思ったりしたのでそれぞれの組の感想を記してみようかと思います。
お笑いに興味ない方はするっと読み飛ばすなどしていただきたく。


レイザーラモン
HGの肉体美とRGの歌唱と、2人の持ち味を活かしたネタで彼ららしいなあという感じですね。
ハードゲイキャラとあるあるネタでそれぞれピンでブレイクを果たした2人が
再びコンビとして向き合い漫才に臨んだという物語性と、
自らトップバッターを志願し番組のお祭り気分を上げるに至った姿勢は
お笑いファンの胸を熱くさせたんじゃないでしょうか。
役割を全うしたという印象です。
巨人師匠に怒られるというオチもつけてもらえたし。
最近はRGが歌い出すだけで面白い自分がいます。


チーモンチョーチュウ
鶴の恩返しというありきたりな設定が後半どんどん飛躍していく展開が秀逸でしたね。
細かくボケも詰め込んでいたし。
機織り工場から焼き鳥屋へと舞台が変わっていく流れも良かったし。
鶴がねぎまとぼんじりを頼んでいるというボケも最高でした。
ツッコミの菊地が緊張してたのかやや早口になってたし、
間を詰め過ぎてる感じもしましたが、
一度も噛まなかったし出来は良かった気がします。
出順が後の方で客も慣れて来た頃だったらもっとウケたんじゃないかと思いますが。


オジンオズボーン
ボケが駄洒落やギャグを繰り出して話の邪魔をする定番の展開に、
後半ツッコミがボケに転じるひねりが加えられて良かったですね。
個人的にはフェイスブックにラインを被せるボケが好きでした。
ただ後半ツッコミの高松がボケる時に気合いが入り過ぎてたのか
何言ってるか若干聞き取りにくい場面があって少し残念でしたね。
しかしこのスタイルはもう安定のクオリティーといった感じですね。


千鳥

寿司屋の大将が個性的な料理を繰り出す運びは良かったんですが、
千鳥だったらもっと独自の言語センスを活かした奇妙奇天烈な料理が出せたんじゃないかと思うんですよね。
料理がこじんまりと収まっていた気がします。
スパムのボケ(大して面白くない)が4回は多いし、
最後普通にイカを出すというスカシの時に大悟が素笑いしてたのも姑息な印象を受けました。
大悟はネタ中は狂気の人のままでいた方が良いと思うんですよね。
そこそこ面白いですけどいつもの千鳥ならもっと狂えるんじゃないかと思いました。
2本目の歌ネタはもう鉄板といった感じで面白かったですけどね。


学天即
こういうムカつくタイプの人いるいる、という共感を呼びそうなネタで、
やり取りもしっかりとして手堅く面白いし完成度は高かったんですが、
少々派手さに欠けた感じでしょうか。
私は好きですけどね、このコンビの漫才は。
女心をにょしん、と読むボケには爆笑しましたし。
人生半分損してるの連打も良かったです。
ツッコミの口調が巨人師匠に似てる気がするんですが、
師匠はどう思ってたんでしょうかね。
前にNHK演芸大賞を獲ったクイズネタがあまりに秀逸だったので、
今回はちょっと見劣りした感があったのが残念でした。


風藤松原

このことわざネタ、何回か見たことあるんですが、今までで一番キレが良かった気がしますね。
三人寄ればTHE ALFEEからの雨降ってTHE ALFEEのボケや、
cancan2月号3月号の被せなど細かく強度のあるボケを詰め込んでいい流れでした。
2人の間合いも心地良いし。
もっと評価されて然るべきコンビだと思いました。


銀シャリ

擬音を駆使したボケに例えを交えた巧みなツッコミでいつもながらに面白い漫才でしたけど、
会場ウケがそんなでもなかった感じですかね。
印象に残る強いボケが少なかった気もします。
ボケの鰻がただ台本どおりに喋ってまーすといった
天真爛漫な感じがしてそこがネックなんじゃないかといつも思うんですが。
(そこが魅力と思う人もいるんでしょうが)
でもまあ安定のクオリティーで安心して見てられますね。このコンビは。


ウーマンラッシュアワー
ゲスキャラとしてすでにプチブレイクを果たしている杉本が
キャラに乗って怒濤の早口でまくしたてるというスタイルは
もう完成形を見たという感じですね。
その迫力と熱量で会場のウケをかっさらったという印象です。
絶対モノにするという気迫は出演者の中では一番だったような気がします。
冷静に聞くとネタ自体はそんなに面白くもないんですけどね。
杉本の滑舌も気を抜くと危ういし。
それでも持って行かれる話術の強度があったし、
もう追い風がこのコンビに吹いていたという感じがしました。


天竺鼠

独自過ぎる世界観を遺憾なく発揮して良いネタだと思いましたが、
お茶の間にウケるには異質過ぎたんじゃないでしょうかね。
本人も自覚してこれを出して来たんでしょうけど。
砂場で菊川怜を作る女、というのがあとでジワジワ来る狂気っぷりでした。
寸評でキム兄にいじって貰えて良かったですね。
何度も見返すと面白くなるタイプのネタですね。


NON STYLE

相変わらずのボケの連打で、ボケの交通渋滞でネタが進まない展開も相変わらずといった印象でした。
私的にはもう彼らが面白いし漫才が巧いのは充分わかってるから
他のコンビに枠を譲って欲しいと思ってしまいました。
売れてる漫才師がさらなるタイトル取りに挑むというより、
まだ見ぬ実力者が一夜で有名になる夢の場であって欲しいんですよね。


東京ダイナマイト

オフィス北野を家出したコンビが師匠ビートたけしの前でネタをするという
この図だけでお笑いファンは胸が熱くなったんじゃないでしょうか。
危険なみのもんたネタをぶっ込む辺りにたけしイズムを感じたし、
2人の独特な間合いも存分に活かされていて良かったと思います。
ボケを詰め込めば良いってもんじゃないと語っているようで
彼らの堂々たる漫才スタイルに頼もしさを感じました。
おかげでワラテンでは点数低かったですが、
ノンスタに99点入るようなシステムは正直どうかしてると思います。


流れ星

このネタを見るのは初めてでしたが、
こんな面白いネタを持ってたのかとちょっと衝撃を受けましたね。
ちゅうえいのギャグを活かしたネタ運びも良かったし、
あの祭りの踊りと節回しは流行るんじゃないでしょうか。
子供ウケもしそうですし。
ちゅうえいは事前番組では岡村にギャグを何度も振られては確実に爆笑を取っていたし、
ひょっとしたら来年彼らのブレイクも大いにあり得るんじゃないでしょうかね。


最終3組が選ばれた時点でもう優勝はウーマンだなと思い興味を失ったんですが、
ウーマンの最終ネタ中、杉本が中川の背中をぎゅっと掴んでいる様にちょっとぐっと来てしまったのと、
優勝が決まった瞬間泣きそうになってた様に
ちょっとぐっと来た私がいましたね。
嘘泣きでしょ、と杉本のキャラを救うツッコミがありましたけどね。
南キャン山ちゃんのラジオとか聞いてるとつい彼に肩入れしたくなってしまうんですよね。
ゲス仲間としてリスナーに認知されているし。
(山ちゃんは喜んでいるんじゃないでしょうか)
実は真面目でいい奴なんじゃないか疑惑がもう出ているのが早いですよね。
スギちゃんがブレイクした直後にもう
あいつ実は全然ワイルドじゃないぜといういじられ方してましたし。
キャラの裏をいじろうとする傾向が強いような印象を受けます、昨今。


あとゲストのリアクションとか抜かなくて良いよと毎回思うんですけど、
あれは仕方ないんですかね。
指原の笑い顔を見てると第二の大林素子になるんじゃないかという気もしたんですが。
あとあの騒動がなければ矢口真里が映ってたんだろうなと。
2013年だなと思いました。
あと司会の高島アナの手腕は凄いですね。
西川きよしのグダグダコメントをばっさり切って終わったのも気持ち良かったし。
(きよし師匠はあれで役割を全うしたという印象です)
東京ダイナマイトのネタで引いた客を引き戻す役目もしてましたしね。
しかし東京ダイナマイトのラジバンダリといい、
レイザーラモンのクールポコといい、
元ネタがテレビに出てないよ、と思いましたけどね。
ああいうの芸人は好きですよね。
あとたけしが敗者復活を発表する時にボケて、
芸人がリアクションで倒れるという一連のくだりは良かったですね。
たけしがたまに的外れな発言をして、
矢部と岡村がフォローする辺りも。


決勝に出られなかったコンビで私が期待するのは
三四郎相席スタート囲碁将棋辺りですかね。
今回敗者復活にどきどきキャンプが残ってたのは嬉しかったです。
(オードリーのラジオを聞いてるとサトミツに肩入れしたくなるんですよね)
取りあえず来年も楽しみです。
そんな感じですー。
(磁石のサゲのひと言風に)