9月の残響

気が付けばもう9月になっているわけです。
早いのです。
朝晩は少しひんやりするくらいになりました。
夏が去るのを「嗚呼、あいつ行っちゃうんだな」と、
少し胸を痛めながら、その姿を横目に見ながら、
秋に向かって汚れたスニーカーで己の歩みをゆっくりと進めています。
街の匂いがじんわり変わるのを感じながら。
季節の変わり目は風景にいつも以上に残響が感じられる気がします。
残響が深く刻まれるのを見ながら、私は重たいカレンダーを1枚よいしょと捲りました。
夏が終わったのです。


そんな私は相変わらず地味にレコーディング作業を続けており、
先日は鎌田さんに再びベースを弾いて貰いました。
鎌田さんの勤め先の会社の2階を借りてそこでレコーディングをするという、
残響ならぬ残業みたいな状況で録ったんですが、
鎌田さんは一度帰宅してから再度職場に戻って来たらしく、
Tシャツにタオルを首から下げた風呂上がりのお父さん然とした実にラフな格好で来ており、
普段ネクタイ締めて働いている職場に於いて休日のお父さん的ラフファッションで
ベースをぶいぶい弾くという状況はどんな気分なんだろうと思いつつも、
録音作業を粛々と進めるに至りました。
クリエイティブというものは往々にして斯様な状況から生まれるものです。
かっこいいスタジオでかっこよく演奏して「はい、オーケー」つって
かっこよくコカコーラをぐびっと飲むみたいなかっこいいレコーディング風景などないのです。
(ボーカリストが歌入れ中にコーラ飲んだらゲップ出ちゃうし喉に悪いだろうにと思うんですが)
ちなみに作業中はコーラじゃなくて鎌田さんが職場の冷蔵庫から出して
湯呑みに注いでくれた烏龍茶をいただきました。
まさに勤務中といった様相で。
鎌田さんとは「そこぼんぼぼんで感じで」
「ぼんぼぼぼん」
「あ、ぼんぼぼぼんじゃなくてぼんぼぼんですね」
「いっそぼんぼんぼぼんぼんはどう?」
などと言いつつフレーズの確認などをし。
進路を変えてまでおにぎりを作ってくれるマネージャーもおらず、
「セコムしてますか」と落書きをしに行ってくれるマネージャーもおらず、
ただただ2人で地味に作業を続けるわけですが、
「先輩、ごくろうさまです!」とにっこり笑ってくれるエアマネージャーの存在を心に描きながら、
何とか乗り切りました。
しかし今回は出音をラインで拾ったんですが、
音色的には出音をマイクで拾うのがベターではないかとの結論に至り。
結局録音は次回に持ち越しになったんですけどね。
まあリハーサルになって良かったですが。
そんなこんなで三歩進んで二歩さがるみたいな、
チーターが歌いそうな進行具合で作業は進んでいるのです。


そんなfwjなんですが、来月にはライブがございます。
10月19日(日)鎌倉moln 「貸切り図書館11冊目」
live:fishing with john/朝日美穂
open16:30 start17:00 \2500(+1drink)
チケットのご予約はこちらから。
http://cloud-moln.petit.cc/


アーティストにお勧めの本を紹介して貰い、
それにまつわるトークを交えながらライブをする本と音楽に満ちたイベント「貸切り図書館」ですが、
次回はfwjと女性SSWの朝日美穂さんとの2マンでお送りします。
朝日さんとご一緒するのは初めてなのでとても楽しみです。
1児の母でもある彼女のお勧め本は何なのかもとても気になります。
ぜひ秋の鎌倉へ足をお運び下さい。
お出かけにちょうどよい季節ですし。
首を長くしてお待ちしております。


そんなわけでセプテンバーです。
せめて四歩進んで二歩さがるくらいの進行具合にはしたいものだと思っているこの頃です。