ラジオ越しの記憶

3月11日がやって来ました。あれからもう4年経ったのかと思うと早いものです。
私は昼間は大抵ラジオを聞いており、あの日もTBSラジオ小島慶子キラキラ」を聞いていたのですが、地震の時間の直前に文化放送大竹まことゴールデンラジオに切り替えており(当時から両番組をザッピングして聞いていたのです)、地震に直面し冷静に対応する小島慶子の、しかしながら緊迫感溢れる喋り声はリアルタイムで聞いておらず、それは後日youtubeで耳にしたのですが、3月11日になると思い出すのは小島慶子のスタジオに鳴り響くあの凛とした声なのであり、毎年震災とセットでキラキラという番組のことをつい思い返してしまうのです。(ちなみにあの日は金曜日だったのでパートナーは水道橋博士でした)
その瞬間は事の重大さをわかっておらず、「すげー揺れたなあ」などと思いつつ棚から落ちたものなどを片付けながらラジオをTBSに戻すと荒川強啓デイキャッチが始まり、その報道で「これはえらいことだ」と徐々に事態を把握するに至ったのですが、震災後は停電などもあり(今思うとあの停電本当に必要だったのかなという気もしますが)、情報を得るのにさらにラジオを頼りにするようになり、思えば私のラジオ漬け生活はあの日からさらに固まったような気がします。
震災後の不安な夜にラジオからの喋り声を聞いて心を落ち着けていると何の番組かは忘れましたが誰かが小沢健二の「強い気持ち・強い愛」をオンエアし、私はその人間の生を真正面から肯定する歌詞と歌唱の力強さに心の底から感動し、涙が溢れるのを堪えきれなかったのですが、あの時の感動を今でも鮮明に覚えています。
震災の日のことを思い出すスイッチが人それぞれにあると思うんですが、私の場合それはまさしくラジオで、今日も地震のあった時間帯はTBSのたまむすびを聞いており、14時46分には黙祷を捧げました。(ラジコで聞いてるので時差はありますが)そして次の番組荒川強啓デイキャッチでの被災地のリポートに耳を傾けました。
ラジオからの喋り声を聞きながら、あの日の空気や匂いなどを思い出し、被災地や原発の状況を見知り、あの日から失われたものを再度認識し、まだ終わってない、まだ続いていると改めて思い直した次第です。
この先もラジオを聞きながら日々を更新し、来年再来年と3月11日を迎えるのでしょうが、私たちの暮らす場所はどう変わりどう変わらないのでしょうか。
この4年のことを思いながらさらに未来のことに想いを馳せる私です。