クリスマスを読む 貸切り図書館27冊目

先日は鎌倉molnでの恒例のイベント、貸切り図書館の27回目をゲストにTICAさんとtico moonさんを迎えて催しました。たくさんのご来場をどうもありがとうございました。ギターとハープのアンサンブルと美しい歌声がクリスマスの夜を彩ってくれました。
tico moonさんはこのイベント最多出演ということで、会場のmolnがすっかりホームのような雰囲気で安定のステージを見せてくれました。友加さんの奏でるハープの音色は森の泉のように美しく、お疲れ気味の私は「癒される〜」とその音をシャワーの如く浴びリハの段階からうっとりしてしまいましたね。ギターの影山さんの面白MCも健在で会場の笑いをかっさらっておりました。影山さんはカスタムで作って貰ったというオリジナルのギターに、独自の仕様でマイクをホール近くに装着し、内蔵のピックアップとマイクで拾った音を混ぜて出しておりましたが、すごくナチュラルで良い音を鳴らしておりましたね。生ギターの鳴りをどう自然に増幅させるか私も未だに模索中なんですが、影山さんのこだわりは凄いなと勉強になってしまいました。(TICAの石井さんも興味津々で色々影山さんに質問していました)。
今回はクリスマスにちなんだ本を紹介して貰うというテーマだったんですが、友加さんは望月通陽著「クリスマスの歌」という本を挙げてくれまして。クリスマスにちなんだ古今の歌を紹介している内容なんですが、型染めという手法を用いた望月さんの絵が添えられた画集のような佇まいで装丁も美しく(友加さんは必ず一度カバーを外して本の手触りを楽しむのだそう)、眺めていて楽しい本とのことでした。子供が読んでも楽しめそうですし、プレゼントにも良さそうだなと思いましたね。
片や影山さんは子供の頃にクリスマスプレゼントに欲しかったものということで、自身の好きな車であるランボルギーニのカタログ本を紹介してくれました。「大人になり何とかカタログ本は買えるようになりました」と会場の笑いを誘っておりましたが、いかにも男の子という感じのセレクトで良かったですね。影山少年はランボルギーニに乗って走る大人の自分を夢見ていたのでしょうか。あと「サイン本なので自慢するため持って来た」というアキ・カウリスマキの研究本も一緒に紹介してくれました。影山さんの趣味が回を追うごとに明らかになっていくので(笑)、早くも次回のセレクトが楽しみになった私です。
そしてこちらも常連になりつつあるTICAさんですが、カオリさんの美しい歌声にお疲れ気味の私は「癒される〜」とその声をシャワーの如く浴びリハの段階からうっとりしてしまいましたね。ギターの石井さんは前回ハーフマラソンを走った後にライブというアスリートっぷりを見せておりましたが、今回も早めに鎌倉に来て17キロを走ったそうで、相変わらずタフだなあと感心してしまった次第です。石井さんはギターをメンテナンスしてもらったばかりだそうで、ピックアップ関係が安定せずリハでだいぶ苦戦していたんですが、本番ではバッチリでしたね。とても良い音で鳴っておりました。TICAさんの奏でる癒しのクリスマスソングにお客さんたちもじっくり聴き入っておりました。
本の紹介のくだりではカオリさんは「実は持って来るのを忘れました」とのことで、初回の影山さん状態だったんですが(笑)、「クリスマスと関係ないけど今読んでる本を紹介します」と鶴見俊輔著「老いの生きかた」という本を紹介してくれまして。そのタイトルの余りのクリスマス感のなさに会場は爆笑に包まれたんですが(笑)、石井さんも「読み終わったら貸して!」と食いつくなど、この日一番の盛り上がりを見せておりました。
石井さんは「クリスマスと言えば家」ということで「戦後日本住宅伝説」という本を紹介してくれまして。これは企画展のカタログとのことでしたが、丹下健三安藤忠雄など様々な建築家の独創的な建築物の写真が掲載されており、興味深い内容でしたね。黒川紀章によるカプセルタワービルの写真が凄く異様で、詳しく見てみたくなりました。石井さんの趣味も深く掘って行くと色々発見がありそうだなと思いましたね。
ステージ後半にはTICAさんとtico moonさんによる特別なセッションもあり。意外にも初共演だというこの2組でしたがこの日初音合わせとは思えぬ完成度で、ギター2本とハープの弦楽器アンサンブルが素晴らしく、そこにカオリさんの歌声が乗ると極上のサウンドになるのですよね。本当にため息ものでした。石井さんも思わず「この曲はこの編成で鳴らされるべき曲だと思った」と絶賛しておりました。「このメンバーでレコーディングしたい」とも語っていたので近い将来実現もあり得るかもしれません。素晴らしいセッションでした。
終演後はこの日同じくディモンシュでライブをしていた山田稔明氏ご一行と合同で打ち上げと相成り。一同ディモンシュにて宴を催しました。石井さんは都合で先に帰られてしまったので、ヒックスヴィル中森さんは「石井さんに会いたかったな〜」と残念がっておりましたが、鎌倉に様々なミュージシャンが集い、語らい、良い夜になりました。楽しかったです。
貸切り図書館、次回は1月30日にwafflesさんをゲストに迎えてお送りします。そちらもぜひよろしくお願いしますということで。