大須観音スリル

突然ですが、今日から仕事で名古屋に来ています。明日から名鉄百貨店で職人展があり、そこに出店するためなのです。
今日は現地入りするだけだったのでどこかの街を散歩でもしようかと思い、名古屋から地下鉄に乗って大須観音という駅に降り立ちまして。ここは長い商店街が縦横に広がっており、昔ながらの店やら新しい店やらひしめき合っていて個性的な味わいがあるのです。とりあえず中古レコード屋を巡ろうと思い、アイフォーン片手に住所を探し、そこに向かいながら気になる路地を寄り道したりしてぐるぐる周り。ここは東京で言うところの秋葉原に近いんでしょうかね。オーディオの店とかゲームの店とかおもちゃ系の店とかまんだらけがあったりとか。外国人の店も結構あり、中央線沿線のニュアンスも入ってる感じでしたね。あと唐揚げの店がやたらあり、若者が歩きながら唐揚げを食している光景を何度か見ました。流行っているのでしょうか。そんな街を歩き中古レコ屋を5軒くらいハシゴしましたかね。結局ロシアのギターポップものとブラジルのオルガンボッサものの2枚だけ買いましたが、東京でも買えるしと思っちゃうとなかなか手が伸びないですね。
あとアンティークのおもちゃ屋があったので何かあるかなと思い、二坪くらいの狭い店内をふらっと覗いてみると店主のおじさんが「うちは古いものしかないよ!」と突然言うのであり。知ってるしと思いながら見ていると「うちは非売品はないから!全部売り物だから!」と言うのであり。わかったよと思いながら見ていると「何か探してるものがあるの!?」と聞くのであり。「や、古いものが好きなんで」と曖昧に応えて見ていると「何、レコード集めてるの!?」と私が手に持っているレコ袋を見て聞くのであり。「や、まあ」と曖昧に応えて見ていると「うちもアニメのレコードがあるから!」と言うのであり。わかったよと思いながら見ていると「本当にうちは全部売り物だから!全部値段付いてるから!」とひっきりなしに話しかけて来るので、流石にうるせーしと思い、高嶋ちさ子だったらバッキバキにその口をへし折られてるところだぞと思いつつちらっと値段を見たらなかなか強気な値付けがしてあり、ここに用はなしだなとそそくさと店を出た私です。あのおじさんは話しかけないと死んでしまう病にでも罹っているのでしょうか。
その後折角だから大衆酒場にでも行ってみるかと「大須観音 大衆酒場」で検索して2番目に出て来た焼き鳥屋が近くにあったので行ってみたところ、昭和の匂いのするなかなか風情のある店内なのであり。そこでビールなど飲み、焼き鳥を数本頼み(2本ずつから注文というシステムなのですが小食な私は1本から食べたいのですよ)待っていると出て来て。これがまあ何と言うか単刀直入に言うと不味いのですよね。まるでゴムを食べてるかのような食感で。秘伝のタレもごくごく普通の味なのであり。ねぎまに至ってはねぎが5つに肉が3つ刺してあるのですがねぎに比べて肉がまあ小さいのです。ねぎが太陽の大きさだとすると肉が地球くらいの大きさでしょうか。(焼き鳥に宇宙のスケール感持ち込んで恐縮ですが。)地球レベルで例えるとねぎが布袋寅泰だとしたら肉が鈴木福くんくらいの大きさでしょうか。福くんが口の中で味わいを見せたの一瞬だけであとは布袋の味しかしないのです。べいべべいべべいべべいべべいべべいべーなのです。(「スリル」の歌詞より抜粋。)しかも不味いのです。私が自宅で焼いてもこの50倍は美味いよというレベルなのに店は満席なのであり、しかもみな満足げに次々と焼き鳥を頼んでいてみんな舌がおかしいんじゃないかしらと思いながら最速で店を出たのですが、まあ私の舌に合わなかっただけなのでしょう。
これで帰るのは忍びないと思い、「大須観音 大衆酒場」で検索してトップに出て来た店に行ってみるとこれまた混雑しており。1席だけ空いていて入れたので、ハイボールを飲みつつ刺身と卵焼きを頼み。果たして出て来た刺身は美味く、よしよしこれで挽回出来たなと思っていると「はいお待ち〜」と穴子焼きが目の前に来たのであり。「あれ、頼んでないですよ?」と言うも「いや、穴子って書いてありますけど」と言われ。どうやら店員さんが「タマゴ」と「アナゴ」を聞き間違えたようなのですね。まあ折角出してもらったのに悪いので「あ、それで良いです!貰います!」と穴子を美味しくいただきましたけどね。私の中で「大須アナゴ事件」として記憶された出来事です。
まあ何だかんだ言っても知らない街を歩くのは楽しいですね。公園でひと休みしたりしたり、それなりに堪能しました。機会あればまた来たいです、大須観音