猫に満ちた空間 〜kitten rondo

先日はmolnにて近藤研二さんのソロライブ「kitten rondo tour 2016 spring 」が行われ、たくさんのお客さんにご来場いただきました。本当にどうもありがとうございました。この日4月8日は近藤さんの愛猫モイとマルオの誕生日ということで(そしてお釈迦様の誕生日!)、猫好きの方が多く集まっていたのではないでしょうか。かくいう我々も同じ猫仲間としてお祝いムード全開で臨んだんですけどね。
去年リリースされた近藤さんのソロアルバム「子猫のロンド」は全曲ギター1本による独奏で、彼の指先からは魔法のように優しく穏やかな旋律が放たれ、聴いていると子猫が楽し気に遊ぶ光景などが浮かび、その猫への愛情溢れる眼差しも同時に感じられてとても心地良い作品なのですが、今回はその楽曲群を生でじっくり体験することが出来ました。他にもクラシックからボサノヴァ、近藤さん作によるEテレ2355の曲など幅広い選曲で楽しめましたね。(近藤さんのボーカル曲も聴けました。)お客さんが手拍子で参加するくだりなどもあり、終始和気あいあいとした雰囲気で良かったですね。
近藤さんと言えばお馴染み愛猫のモイがインスタで大人気なんですが、先代のマルオと共にこの日が誕生日ということで合間には猫トークが随所に展開されました。去年マルオが亡くなったすぐ後に近藤家で北欧へ旅行に行き、そこでなかなか見ることの出来ないオーロラを見ることが出来たそうなのですが、これはマルオを飼っている間ほとんど長期旅行が出来なかった家族に対してマルオが最期に見せてくれた奇跡なのかもしれないとしみじみしたという話が良かったですね。その後しばらくして近藤家はモイと出会い、生後すぐの状態から育てることになったのですが、誕生日を調べたら何とマルオと同じ誕生日だったそうで。(そんな運命みたいなことがあるのですね。)しかも計算したらちょうど近藤さんがオーロラを見た時期に生命を受けたと思われ、これはきっとマルオくんの導きによりオーロラと共にモイが地上に舞い降りてくれたのではないかと思い、「子猫のロンド」の内ジャケにオーロラとモイのイラストをあしらったのだそうです。あのアルバムにはそのような物語が込められていたのですね。そんなのたまたまだとか思い込みじゃないかと思われる方もいらっしゃるかもしれませんが、猫という不思議な生き物と日々を暮らし、言葉以外のサムシングでコミュニケーションを図り、何度となく心の通じた体験を経ると本当にそんな魔法のような導きが存在するのかもしれないと、猫に対して畏敬の念を抱くようになるものなのですよね。猫ならきっとそんなことは容易いのだろうと。マルオは感謝の念と共に近藤さんに美しいオーロラを見せ、可愛いモイを自身の代わりに託したのかもしれません。この日はマルオに捧げる楽曲がいくつか演奏されましたが、先代あってのモイなんだなあと近藤さんの2代に渡っての猫たちへの愛情の強さについついホロリと来てしまった私です。
そんなマルオとモイが主役のライブでしたが、この日は同じく猫仲間である山田家のポチとポチ実にもリスペクトが捧げられ。近藤さんによる山田氏の「日向の猫」のインストカバーも披露されました。幸せとは日向に寝そべる猫そのものであるなと私もミル坊の姿を見ながら毎日実感しているのですが、近藤さんの爪弾く「日向の猫」の切なく温かい旋律にはついつい涙腺が緩み、ウルウル来てしまった私です。客席でもハンカチで涙を拭う方々をちらほら見かけました。最後まで猫愛に満ちたあたたかなライブでしたね。
ライブ後はお客さんからたくさんのお土産をいだいていた近藤さんですが、私も誕生日のプレゼントとしてマルオの招き猫を作り近藤家に贈りました。モイも一緒に作ろうと思ったんですが、毛並みを再現するのに時間がかかるのと、贈るならまずは先代からかなと思いとりあえずマルオだけにしました。(モイ招き猫は来年のお楽しみです。)気に入って貰えると良いのですけどね。お兄ちゃんはこんなんじゃないやいっとモイに倒されないことを願うばかりです。
この日近藤さんはモイとマルオのバッジをグッズとして販売したのですが、開演前からどちらも飛ぶように売れ、人気のほどを伺えました。みんなに愛されているのですね。インスタに私もミル坊の写真を毎日上げているのですが、猫をみんなで愛でるという文化は良いなあと他の方の猫も見ながら思ったりしている日々です。実際こんな平和なことはないですよね。好きなものを愛でる行為を共有するというのは。
今後も近藤さんたち猫先輩の背中を見て猫道を邁進していこうと決意を新たにした私です。まあ先輩方はたまにめっちゃ厳しいのが玉に瑕なんですけどね(笑)。