山田稔明バンドツアー記〜大阪編

先日は山田稔明バンドのツアーにメンバーとして同行し、大阪と広島に行って参りました。前回のツアーの時はギターと鍵盤ハーモニカでの参加だったんですが、今回はベースのエビちゃんがスケジュールの都合で参加出来ないとのことで、急きょ私がベースを弾くことになりまして。3年半ぶりのバンドツアーはベースが私、ドラムがイトケンさん、鍵盤が佐々木真里さんという4人編成での演奏旅行と相成りました。結論から言うとそりゃあもう楽しかったですね。大人の修学旅行といった趣きで。
初日は大阪に前乗りというスケジュールだったので、山田カーに4人乗り合わせて移動しまして。(私がインスタに「山田カー」と書いたらそれを「山田りきいち」と読み違えた方が複数いらっしゃったんですが、そんなどこぞの地方議員みたいな名前の人物ではなく山田Carで高速を飛ばしたのです。)そんな山田Car内では高橋久美子さんがMCを務めるNHKの「ごごラジ!」から始まって、宇多田ヒカル海援隊薬師丸ひろ子坂本九とDJ ymdのナイスな選曲で車内は盛り上がり。海援隊を聞きながら私と山田氏は「金八先生のあのシリーズは良かった」「やっぱスタートラインが一番ええ曲やな」などドラマ目線で話しているのに、イトケンさんと真里さんは「この弦のアレンジは誰々さんかな」とか「このCDはマスタリングがいまいちだな」などと音響目線で話していて面白かったですね。あと薬師丸ひろ子を聞きながら全員昭和の良き時代を回想するムードになり、微妙に年齢差のある4人でも昭和の歌謡曲をキーワードに共有出来る感覚があるんだなあと思いましたね。今後薬師丸ひろ子を聞く度に今回のドライブを思い出すような気がします。そんな感じで途中休憩などしながら間食などしながら、山田カーは大阪に着きまして。
この日は男子チーム3人が相部屋だったんですが、ツインの部屋にベッドをもう1個無理矢理詰め込みましたみたいな間取りで、ベッド3台がぎゅうぎゅうに並んでいる部屋で寝る事になり。それはそれで寮みたいで楽しかったんですけどね。イトケンさんは急ぎの仕事があるらしく夜もPCを開いて作業をしているし、山田氏もロングドライブで疲れているはずなのに翌朝私が目が覚めたらすでにPCに向かって仕事をしているし(山田氏は何と朝風呂も堪能していたそう)、2人ともタフというか働き者だなと感心してしまった次第です。私はというと普通に飲んだくれて寝ていたんですけどね。
翌朝は関西の芸人がたくさん出ている朝の情報番組で雑にボブ・ディランが弄られているのを眺めつつ、ホテルをチェックアウトし。車内で山田氏の参加しているトイレバンドの音源を聞きながらこの日のライブ会場である雲州堂へ移動しまして。思えば3年半前のツアーの時もここでライブをしたので懐かしかったですね。担当楽器こそ違えどまた帰ってきたなという感じで。ここはステージが少し高いので独特な雰囲気があるんですよね。
この日は昼ライブだったんですが、気温もかなり上がって会場にも明るい陽が差し込んでおり。山田氏もMCで言っておりましたが、会場が午後の教室のようで、まるで学祭ライブをやっているような不思議な気持ちでしたね。前半は夜の曲が多かったんですが、光に満ちた空間で聞く夜の曲というのもそれはそれで良かったんじゃないでしょうか。今回は新曲を3曲披露したのですが、うち1曲は吉祥寺をテーマにした「吉祥寺ラプソディ」という曲で、バンド演奏での初披露の舞台が吉祥寺じゃなくてなぜか大阪と相成ったんですが、歌詞に描かれる吉祥寺の光景と大阪の空気感が妙にマッチしていて良かったように思います。もう1曲の「ぼくのノート」という曲ではかなりぐいぐいと攻めたベースを弾いたんですが、客席のリアクションも良く、演奏していて楽しかったですね。終わった直後にもう1回演奏したかったくらいです。もう1曲は「Saturday Song」という曲で、歌詞に「車で海まで出かけようぜ」という男らしい言い回しが出て来るので私と真里さんで語尾の「〜ぜ」をさんざ弄ったら、その後のMCで「ノートを作ろうぜ!」などカブせて笑いを取っていたので山田氏さすがなりと思ったりした次第です。「みずいろの時代」からもたくさんやったし、古い曲も織り交ぜてアンコールまで2時間強、充実の内容だったのではないでしょうか。たくさんのご来場をどうもありがとうございました。楽しかったぜ!(と、早速私もカブせてみる。)
今回は「物販で招き猫も持ってくれば」と山田氏に言われたのでいくつか持参したらたくさん買っていただき。ありがたかったですね。地元のお客さんたちとも色々交流出来て良かったです。(メンバー全員に差し入れで美味しいパンをいただいてしまいました。)また大阪に来たいなあと思ってしまいましたね。そして終演後は近くの商店街にあるお店でメンバーみんなでお好み焼きとたこ焼きを食べて軽く打ち上がりまして。しばし関西の味を堪能いたしました。私だけビールを飲んでしまい申し訳なかったんですけどね。ホンマすまんでーという感じで。
その後は広島に向けて再びタフなロングドライブを開始しまして。今度の車内はDJ itokenによるDJタイムに突入し。ピンクレディーなど昭和の歌謡やドラえもんサザエさん宇野誠一郎やらバカラックやらを聞きながら移動しているうちに夜になり。夜の闇に街の灯りが浮かぶ光景を見ながら「あれ、光の葡萄じゃない?」などと言いつつ山田カー(notりきいち)はひた走り。後半はGOMES THE HITMANの「ripple」を最初から最後まで丸々聞きながら走ったのですが、夜のドライブにぴったりでしみじみと染み入りましたね。このアルバムの発表された後くらいに山田氏とイトケンさんと私と3人で高田渡トリビュートアルバムに参加したんだよなあなどと回想しつつ。もうそれが10年前だというのだから早いものです。それから時を経て今一緒に旅をしているというのも何かの縁なのかしらと思いつつ。
そんなこんなしているうちに明日のライブ会場である広島の世羅町に到着しまして。街灯も少なく対向車も少なく、大阪の繁華街とのギャップに遠くへ来たんだなあという実感が湧きましたね。宿の近くの居酒屋で食事をしたんですが、隣のテーブルに明日のフェスで共演するバンドの方がいたり、徐々にチームもフェス気分へと移行していきました。
この日の宿はペンションのような風情の平屋の建物で、昨日のベッド3台ぎゅうぎゅう部屋とうってかわってメンバーひとりずつにツインの部屋という素敵な部屋割りで。部屋に入ったらもう爆睡でしたね。昼間に大阪でライブをしていたのに夜には広島にいるという不思議な感覚を味わいつつ。車内から見える風景や流れる音楽を共有しながらの旅というのも良いものだなとドライブを思い返しながら眠りにつきました。
明日は朝8時半会場入りというこれまた長い一日確定のスケジュールで。ツアーは続くのです。翌日はフェス出演なのです。