夜の科学 夏の日の記憶と記録

先日恵比寿天窓Switchにて行われた山田稔明with夜の科学オーケストラのライブ、無事終了しました。この日は満員御礼ということで、ステージからもたくさんのお客さんの笑顔が見えました。ご来場下さった方々、どうもありがとうございました。
この日もうだるような暑さで、汗だくになりながら会場入りしみんなで機材を搬入し、リハーサルが始まりまして。今回も私はベースを担当したのですが、山田氏の歌う後ろ姿を見ながら演奏する立ち位置にも慣れて来ましたね。文字通り裏で支えてるといった感じで。
リハの間、喉を温存するために山田氏が歌わない場面もあるのですが、その時は「綾香、代わりに歌って!」とコーラスの綾香ちゃんにその場で歌わせるという先輩の無茶振りがあるのですが、「光と水の新しい関係」という曲が始まった時も「綾香、ボーカル!」と振られ、急で慌てたのか冒頭の「街のはずれのひなびた〜路地に〜」という一節を「街のはずれのしなびた〜路地に〜」と間違えて歌ってしまい、「しなびたじゃねえよ、ひなびただよ!」と山田先輩に注意されるという一幕がありました。辞書を引くと「ひなびた」は田舎めいた風情という意味であり、「しなびた」は水分をなくした張りのない状態という意味なのであり、綾香ちゃんの歌う風景は水気のないダルダルの路地が広がるユル〜い感じになるわけですが、これだけの猛暑で水分を奪われればそんな萎びた路地も存在するのかもしれないと後でしみじみ思った次第です。(その場では「茄子じゃねえんだからよう〜」と全員で笑いながらツッコミまくりでしたが・笑)
そんなしなびた騒動など経てリハも終わり、いよいよ本番を迎えまして。今回のドレスコードはこの日発売となるライブ盤「DOCUMENT」のジャケがモノクロ写真なのに合せてモノクロとなっており、みんな白や黒のシャツに着替えていたのですが、イトケンさんだけずっとアイアン・メイデンのTシャツ姿でいたので「まさかアイアン・メイデンで?」と問うたらステージに出る直前に着替えておりました。イトケンさんはリハの時にもセックス・ピストルズの派手なTシャツを着て来たり、いつだってロックなのです。そんなロック魂が今回のステージでも炸裂しておりました。今回は古い曲から最新の曲まで網羅した充実のセットリストで、「俺の弾き語りパートもあるからそんな曲数多くないよ」と事前に聞いていたのにバンドでやる曲だけで17曲もあるというフルボリュームでございました。前回のレコーディングライブの時に私が不覚にも2テイク目を間違えたでお馴染み「home sweet home」は今回はバッチリでしたし、しなびた騒動でお馴染み「光と水の新しい関係」も安宅さんのかっこいいギターソロが決まってましたし、「平凡な毎日の暮らし」ではイトケンさんのドライブするドラムに合せて私もブンブンとベースを掻き鳴らし、「月あかりのナイトスイミング」では真里さんの美しいピアノと綾香ちゃんの力強いコーラスが神秘的な空間を作り上げていましたし、演奏していてグッとくる熱い瞬間が何度もありました。山田氏もノっているのが後ろで見ていてわかりましたね。ラストの「SING A SONG」の時にはお客さんも総立ちで凄い盛り上がりでした。最後まで楽しかったですね。
ライブ後にはこの日発売となったライブ盤「DOCUMENT」が飛ぶように売れておりました。私も山田先輩に「五十嵐くん、ちょっとTシャツ売って来て」と命じられたので売り場で販売の手伝いをしておりました。お客さんに声を掛けていただいて嬉しかったですね。この日同じく販売したジン「MONOLOG」のコラムにも書いたんですが、今回のCDには私の演奏も多数収められており、中ジャケにも写真が載っていて、実物を手に取ってみていつもとは違った嬉しさがありましたね。(中ジャケだけでなく表のジャケにも山田氏の背後霊のように私が映り込んでいますけどね。)山田氏もMCで言っておりましたが、物販で何を買えば良いか迷う方はまず最初にこれを手に取ると入門編として最適なのではないでしょうか。
ライブ後は打ち上げでいつも川崎麻世さんに遭遇するでお馴染みにお店に行ったら本当に川崎麻世さんご本人がいて、「いるんかい!」と思った私ですけどね。そこで軽くビールなど飲み、帰路に着きました。楽しい一夜でした。
ちなみに「MONOLOG」の表紙には山田家のポチやポチ実や近藤家のモイ、ウニちゃんに混じってうちの愛猫のミル坊のイラストも描かれており、帰宅して早速「これいいだろ〜」とミル坊に自慢しました。ミル坊は「にゃあ?」とピンと来てなかったですけどね。こちらのジンもCDと合わせて通販があるかと思いますので、ぜひチェックしていただきたく。
取りあえずこの夏は「DOCUMENT」をぜひよろしくお願いしますということで。