よりみちのススメ

先日はmolnにて「よりみちライブ」と題して、Oz magazineとトラベラーズファクトリーのコラボ商品「よりみちノート02 鎌倉・湘南」発売を記念してのトークとライブを催しました。「よりみちノート」は鎌倉、湘南を30の地図に分け、オズマガジン厳選のお勧めショップの情報と共に掲載された隣に空白のページを設け、そこにショップカードを貼ったり、イラストを描いたり、感じたことやメモなど書き込んだりして自分で作り上げていくというコンセプトのノートだそうで。この「ノートを育てていく感」というのがとても魅力的だし、持っているだけで散歩が楽しくなるのですよね。今回moln内にオズマガジンのアンテナショップを展開していたのですが、実際にオズ編集部の方々がメモやイラストを書き込んだよりみちノートがどれも素敵で、「これこのまま発売して欲しい!」という感じでした。今回限定カラーのノートを販売していたので私も思わず購入してしまいました。ノート内にmolnも紹介していただいており、店主あやのよりみちエッセイも収録されているので、ぜひお手に取っていただきたく思う次第です。
この日はトラベラーズファクトリーともコラボしている山田稔明氏がライブをしてくれ、イベントを盛り上げてくれました。まず冒頭にオズマガジンの古川さんとトラベラーズの飯島さんと山田氏によるトークがあり。実際の寄り道をテーマにした話からそれこそ話題は脱線し、寄り道を繰り返しながらも最終的にはきちんとノートの宣伝に着地しており、古川さんの司会の巧みさと飯島さんの話の広げ方、山田氏の機転の利いたトーク力に感心してしまいました。とても面白かったですね。サラリーマンである古川さんと飯島さん、フリーである山田氏という立場の違いこそあれど、物を作ってお客さんにそれを届けるまでの全体のデザインが大切であることは共通しているという話で、お金の掛け方や流通の仕方など3者3用のビジネス論が伺えてとても聴き応えある内容でした。3人とも表現者、創作者でありながらもそれを販売する商売人でもあることがナチュラルに共存しているのです。ノートを作って流通させて、はいおしまいではなく、実際に作った人間が店に立って手売りしたり、出版物でありながら文房具屋で売る方法を模索したりなど、届けるところまでを考えるという古川さんの話は色々勉強になりました。山田氏が作詞講座で「まず好きなノートを買うところから教えた」という道具に愛着を持つことが創造へ繋がるという話もなるほどという感じでしたね。全部スマホで済ませられる昨今ですが、物を持つというのもひとつのスイッチとして機能するような気もします。山田氏はノートに「宝笑」と書いて「これでポエムって読むんです」とオリジナルの当て字の説明をし、店主のあやに「ポエムに改名したら良いのに!」と提案して笑いを取っておりました。まだしばらくポエムいじりは続きそうです。
後半たっぷりとお送りした山田氏のライブは改めて鎌倉を意識したセットでサザンのカバーなど新鮮でした。春なのに25度を超えていきそうな日もあるさ、ということでフィッシュマンズの「Weather Report」のカバーなども。molnの常連のお客さんも多く、初めて山田氏のライブを見た人も多かったようですが、好評で何よりでした。「新しい青の時代」のアナログ盤のクラウドファンディングも100%を突破したそうで。あと山田氏からはmoln8周年を祝うお花とミル坊用の高級ブラシをいただきました。ポエムいじりしつつ花を贈るというツンデレっぷりです。
あやはオズマガジンの編集部の可愛い女子たちとすっかり意気投合したようで、「このまま離れたくない!」としきりに言っておりました。編集部の中にお笑い芸人の人もいて、こういう個性的な人材によってあの素敵な誌面が出来上がっているのかとオズマガジンの奥深さが垣間見えました。ぜひオズの鎌倉特集号と共によりみちノートを手に取っていただき、素敵なよりみちをして欲しいものです。私自身は人生がよりみちのようなものです。日々蛇行なのです。