北欧旅日記 リトアニア編2

一夜明けて、いよいよ張子の展示初日です。今回岩崎さんが展示の場としてセッティングしてくれたのはリトアニアを代表する洋服ブランドGiedriusのアトリエ兼ショップです。昨年あやと岩崎さんがここに買い付けに来た際、スタッフのAusuraさんに招き猫をお土産に渡したところ大変喜んでくれて、日本好きの息子さんのために後日オリジナルの招き猫を注文してくれたという経緯などもあり。敏腕マネージャー岩崎さんの交渉により今回こちらでやらせていただく運びになりました。
朝からみんなで慣れないバスに乗り(バスの乗り方は知らないと本当に困惑するのです)、最寄りのバス停で降りてからもしばらく歩き、こんな郊外の人通りもない場所に果たしてお客さんが来るのかしら、1個も売れなかったらどうしようなどと不安になりつつ着いたGiedriusスタジオはとてもお洒落で洗練された空間で。中には素敵なデザインのリネン服が並べられ、奥には作業スペースがあり、スタッフの方々が笑顔で働いているのです。Ausuraさん他スタッフさんたちに挨拶し、デザイナーのGiedriusさんにも初対面したのですが、この方デヴィッド・ボウイを思わせる痩身でお洒落なおじさまで、とてもご陽気で人懐こい方なのです。耳が聞こえない方なので身振り手振りでのコミュニケーションだったのですが、ジョークを飛ばして大笑いするし、若干緊張気味だった私にも明るく接してほぐしてくれて、こんなかっこよくてナイスな愛されキャラが存在するのかと驚いてしまったほどです。聞けば街でも声を掛けられるほどリトアニアでは有名で大人気の方なのだそうで。娘さんもスタッフとして同じ職場で働いていて(やはり耳が聞こえない方なのですが)、とてもキュートでお父さんと仲良しな様子に萌えてしまった次第です。
そんな素敵空間で日本から持参して来た張子をせっせと並べていると、スタッフの方々も興味津々で見てくれて。Giedriusさんも実に大きなアクションで「これは素晴らしいよ〜!」と褒めてくれ、海外でこんな受けるとは嬉しい限りや〜、持って来て良かった〜とすでに満足してしまったのですが、いざ開店するとぽつぽつお客さんも来てくれて、ちょこちょこと買ってくれたのでとりあえずほっとした次第です。私も岩崎さんも英語を駆使して張子の説明をし(私は相変わらずルー大柴みたいでしたが)、コミュニケーションを取りながら実演と販売を行いました。着物姿の猫を買ってくれた黒人の方が「俺、Facebookに日本人の友人がいるんだよー」と携帯を見せて来たり、招き猫を買ってくれた方が「私も猫を飼っているのよー」と写真を見せて来たり、お客さんと交流などしつつ。
岩崎さんやあやたちもみんなアトリエ内であれやこれや洋服を買い付けし、試着しては「似合う〜、可愛い〜」などと盛り上がっておりました。私も黒いジャケットと水色のシャツを試着し、みんなから「似合うー、買うべしー」と勧められ、購入に至り。アトリエ内には通いの子も含め猫ちゃんが4匹ほどいて、どの子も可愛いので写真を撮りまくったりし、張子を販売しに来てるのか、買い付けに来てるのか、単に遊びに来てるのかよくわからない状態で楽しんでしまいました。後から合流したaCaeさんも早速aCae砲でGiedriusさんをモデルに撮影会を行っておりました。そんな感じでわいわいと過ごしていたらあっという間に閉店の時間になり。Ausuraさんが「張子を見たいというお客さんがいるからこのまま置いておいて」とご好意で引き続き販売していただけることになり、招き猫たちを残して宿まで戻りました。
夜はみんなで近くのお店でムール貝など食し。私はとりあえず張子の展示の初日を無事終えることが出来てひと安心でした。それもあってかワインも進み、楽しい宴となりました。そんな感じでリトアニアの2日目は終わりました。まだ旅は続くのです。