猛暑と星座 貸切り図書館62冊目

この日はmolnにて「貸切り図書館62冊目」、友部正人さんをゲストに迎えてお送りしました。最早恒例となりつつある年に一度の友部さんのライブですが、今回も満員御礼、たくさんのご来場どうもありがとうございました。
本当はライブの前に早めに友部さんとユミさんと合流して、漫画家の永島慎二先生のお墓参りに一緒に行く計画を立てていたのですが、あまりの暑さに断念しまして。(前回永島先生の話で盛り上がり、友部さんに提案していただいたのです。)まあこの酷暑の中、熱中症になっても大変ですからね。
リハの時に偶然、友部さんのここ最近のアルバムのエンジニアを担当している方がふらっと立ち寄られたので、ついでみたいな形で申し訳なかったのですが、音響もチェックしていただき。おかげで良い感じのサウンドでライブを行うことが出来ました。良い席で見ようと早めに並ぶお客さんが多数いらっしゃるのですが、さすがにこの暑さで並んで貰うのは申し訳ないので整理券を配布しまして。今年は異例の暑さだなと実感した次第です。
そんな猛暑の中始まった友部さんのライブ、素晴らしかったですね。新旧取り混ぜた選曲でたくさん歌ってくれました。何度聴いてもハッとさせられる言葉群と、力強い声、ビートを感じさせるギターに心打たれっ放しの2時間半でした。たまたまお客さんとして見に来ていた元バンバンバザールの安藤さんが数曲飛び入りで演奏に参加してくれたのですが、これがまたどれも素晴らしく。友部さんの歌声に寄り添う安藤さんのクラリネットの音色に、「この方は本当に友部さんの曲が大好きなのだなあ」としみじみしてしまいました。愛情が伝わる演奏でしたね。
草とten shoesで友部さんの「私の踊り子」をカバーしているのもあり、今回事前に友部さんにリクエストしてみたのですが、快く受けていただき。安藤さんと一緒に演奏してくれた「私の踊り子」はまた特別感が増して、感激しましたね。こんな名曲をお借りしたのだから今後も真摯に演奏せねばならないと思った次第です。「愛について」「6月の雨の夜、チルチルミチルは」「夕暮れ」も沁みました。
今回友部さんが紹介してくれた本は、片山令子さんの詩集「夏のかんむり」、カポーティの「草の竪琴」、北大路翼編集の「アウトロー俳句」というアンソロジーの3冊でした。片山さんに「少年とライオン」という曲の歌詞の一部について「あれはどうなのかしら」と訊ねられたという話が面白かったですね。北大路さんのは歌舞伎町で主宰する「屍派」の句集だそうで、いくつか読んでくれたのですが、どれもインパクトがありました。
客席にいた中学生くらいの男の子が「はじめぼくはひとりだった」をリクエストしていて、あの若さにして渋い趣味だな〜と感心してしまったのですが、クラスで話の合う友達がいるのでしょうか。EXILEを聞いている友達に友部正人というワードは刺さるのでしょうか。まあ私も高校生の頃に友部さんのレコードを聴いて永島慎二さんの漫画を読んでいた身でしたが、話の合う人は周りに皆無でした。でも大人になったら話の合う人にたくさん会えたし、ご本人にも会えたので大人になれば良いのだと思います。彼の将来が楽しみです。
終演後は友部さんとユミさんと安藤さんたちと近くの店でピザを食べて打ち上げをしました。大きなピザでしたが、みんなでシェアしたらあっという間になくなりました。帰り道、ユミさんが星を見ながら星座早見表のアプリを自慢しているのが何だか可愛くておかしかったです。また来年もこうしてお呼び出来たら良いなと思った次第です。
貸切り図書館、次回は原マスミさんをゲストに迎えてお送りします。こちらもぜひよろしくお願いしますということで。