草とten shoes 台湾ツアー記その2 台北〜台中編

草テン台湾ツアー、明けて2日目はいよいよライブ初日です。この日は台北から新竹という場所に移動というスケジュールだったのですが、出発までしばらく時間があったのでメンバーそれぞれマッサージに行ったり市場に買い物に行ったりと空き時間を楽しみ。みんなで少しだけホテルの部屋でリハをした後はガイドあやこさんお勧めのお店に行って地元人気店のランチを堪能しました。ここも凄く美味しかったですね。
その後あやとあやこさんから「ゆうくんも一緒にマッサージ受けようよう〜」と誘われ、まあ折角旅先だし受けてみるのも一興かと、近くのマッサージ店に入り足湯と足裏マッサージ40分コースというものを体験してみたのですが、これがまあ痛いの痛くないのって。足の裏のツボというツボをゴリゴリと押されに押され、それはもう悶絶に次ぐ悶絶で、「あたたたたたたたたたたっ!」と北斗の拳ケンシロウの如き大きめの雄叫びを上げ続けながら40分を過ごしてしまいました。ツボを押されて痛がる度に「はい、ここ胃腸〜」「はい、ここ座骨神経〜」「はい、ここ背中〜」と悪い患部を日本語で述べて行くマッサージ師のお姉さんにより「嗚呼、己は斯くも全身不健康であるのか!」と教えられ、不摂生の反省もした次第です。最後の方には最も痛い箇所を「はいサービス〜」とグリグリと念入りに押され「あ、あべし!」と北斗の拳のザコキャラの如く死亡したのは言うまでもありません。岩崎さんとアユミさんも午前中に同じ店のマッサージを受けて悶絶していたらしく、メンバー揃ってライブ前にクリスタルキングよろしく愛と足の軽さを取り戻した次第です。YOUはSHOCKを身を以て体感しました。
その後、一行は台北から新竹へ移動し。日本で言う新幹線みたいな特急列車に乗ったのですが、列車の作りも新幹線そのまんまでなかなか快適でしたね。電車の旅はどこの国でも楽しいものです。この日のライブ会場は或者書店という本屋さんで、駅からタクシーで向かったのですが、いざ着いたら全然本屋さんぽくない見た目なので「ここ違う場所なんじゃねーの?運転手さんよう〜」と文句を言いながらぐるぐる回ってもらったら裏手に目的地があり。「運転手さんごめーん、やっぱここだったわ〜」と言いながら降り立った或者書店は昨日のBovenに匹敵するお洒落で素敵過ぎる書店なのであり。日本で言う代官山蔦屋みたいなお店というとわかりやすいでしょうか。1階は本に囲まれ、2階は眺めの良いカフェになっており、「もうここに住みたい〜」と思うくらいの居心地の良さなのです。しかも店のあちこちに草とten shoesのライブを告知する素敵イラストポスターが貼られており。スタッフさんたちも「ウェルカム草とten shoes〜」と笑顔で迎えてくれるのです。もう嬉しすぎるのです。いざセッティングとなるとちゃんとPA機材も揃っているし、キーボードも譜面台も揃っており。しかもモニター環境もやりやすいのです。見知らぬ日本の新人バンドがのこのこやって来て、どんな悪環境でもライブ頑張るっす!という心意気だったのですが、外タレの如く好待遇で迎えてくれるのです。本番前には我々のためにヴィーガン料理まで用意してくれて至れり尽くせりなのです。(この料理がめっちゃ美味しくて思わず声を上げてしまうほどでした。)今回のツアーを仕切ってくれた實心裡生活什物店のハナさんもこの現場から合流してくれ、あやこさんの旦那さんの幸坂さんも日本からこの会場へ直行し色々サポートしてくれ、何というか光栄極まりない好待遇でツアー初日を迎えまして。
ライブはお客さんゼロでも頑張るっすという心意気だったのですが、お店の方が店頭やSNSなどで広く告知してくれたおかげで予想以上にたくさん来ていただき。いざ本番が始まると岩崎さんによる英語のMCにいちいちうなづいたり笑ったりしてくれて、曲が始まってもリズムに乗ったり熱心に聴いてくれたり、「私の踊り子」に至っては泣いているお客さんもいたりして、あたたかいリアクションに感激してしまいましたね。(台湾の人にも伝わる友部さんの歌詞の凄さです。)最初は緊張で声が震えていたあやも段々愛と足の軽さと声の調子を取り戻し、岩崎さんも流暢な英語で場の空気を掴み、鍵盤を弾く予定じゃなかったアユミさんも楽しげに演奏しておりました。(当初鍵盤が用意されていない想定でリハをしていたのです。)バンドはアルバム全曲と新曲「月曜日にさえずる」とタカテツさんからいただいた「波の音が聴こえたら」を披露し、それはもう良い感じで本番を終えまして。
終演後はCDを買ってくれたお客さんにメンバー全員でサインをさせていただき、記念撮影や談笑などとたくさんのお客さんと交流出来て嬉しかったですね。見知らぬバンドがいきなり海外へ飛び込んでリアクションしていただける嬉しさたるやです。お店にCDも置かせてもらえたし、ポスターのイラストを描いてくれたスタッフさんとも記念撮影し(ポスターは記念に持ち帰りました。額装して飾りたく思っております)、会場を後にしまして。
我々、この日はライブ後に即移動という慌ただしいスケジュールでまたタクシーに乗り込んで駅へ向かい、再び新幹線で今度は台中へ移動しまして。移動中にビールなど飲んで軽く打ち上げしてしまった私ですけどね。(新幹線内では飲食しても良いのです。)みんなも思わぬ好リアクションに高揚しておりました。
いざ台中に着いて宿泊先のホテルへ行ってみたら、お洒落なデザインのなかなか良い感じの建物で。フロントの方が日本語を少し話せたので、私のギターを見て「コンサートですか?」などと話しかけてくれて。今回8キロ近いギターのハードケースを毎日持ち歩くのが一番しんどかったのですが、これを見ると「あ、ライブしに来ているんだな」とすぐに理解してもらえるのは良かったですね。
そんなわけでツアー初日は大成功で終えることが出来ました。疲れで泥のように眠ったのは言うまでもありません。明日はいよいよ草テンメンバーによる展示の初日なのです。