セツナ美術館

気が付けば1月も半分以上過ぎているのです。早いのです。
年末年始の催事が終わって一応自由の身になったので、どこか旅に出るとかリフレッシュするとか選択肢はあったのですが、1日休んだだけでもうmolnの店頭に立ち、カマクラ張子として動き出してしまったので、妙に忙しい状態がずっと続いているのです。山田氏から「まずSNSのアカウントを取得するように」とアドバイスされたので、取り急ぎカマクラ張子のインスタグラムを開設しました。フォローなどしていただけたら犬の如くきゃんきゃんと尻尾を振って喜びますので、ぜひフォローをよろしくお願いしたく思う次第です。 https://www.instagram.com/kamakurahariko
早速インスタで過去に作ったオーダー招き猫の写真をアップし「お仕事下さいな〜」とアピールしていたらありがたいことにちょこちょことオーダーをいただき、感謝の極みなのです。独立のご祝儀という観点からでもお情けでもいただけるものはありがたいのです。そんなわけでmolnで店番しながら早速いただいたオーダーの招き猫をせっせと作っています。まだまだオーダーは募集中です。いただけると最上級の尻尾振りダンスをして歓喜しますので、五十嵐の最上級尻尾振りダンスを見たい方は(そんな人いるのかしら)、よろしくお願いしたいのです。インスタではこれから新作なども作ってアップしていく予定です。
先ほど1日休んだだけ、と書きましたが、その休みを利用して先日上野の東京都美術館ムンク展を見に行って来たのです。あの「叫び」の本物が見られるとなれば行きたくなるではありませんか。晴れて自由の身となりうきうきした気分で上野公園に着き、巨大な顔がどんと鎮座する上野大仏を詣で、いざ東京都美術館に着くと平日にも関わらずかなりの混雑っぷりで。まるでアイドルのコンサートのような賑わいなのです。え、みんなそんなにムンクの叫び見たいの?と自分のことを棚に上げて思ったのですが、他のお客さんもそう思っていたことでしょう。こんなぎゅうぎゅうの人出の中で絵を見ることなどそうそうないなと思いつつ入場したのですが、やはり本物の絵画作品を眺めるのは楽しいし刺激になるものです。この色の使い方参考になるなあとか、このタッチ面白いなあとか、ムンクの絵って意外にポップで可愛いんだなあとか混雑を忘れてすっかり楽しんでしまいました。これで人が少なかったら最高なのになあと思ったのですが、他のお客さんもそう思っていたことでしょう。
そしてこの日のハイライト、モノホンの「叫び」の登場です。真打ち登場といった感じでしょうか。「叫び」の前だけは特別でっせ!といった感じでロープが敷かれており、客は2列に並んでそこからひとりひとり立ち止まることなく絵の前を通り過ぎながら数秒だけ見られるという謎システムが稼働しているのです。「はいはい、叫びを見たい人は通り過ぎる一瞬だけ目に焼き付けてね〜」と警備員の方が急かすのです。随分刹那な鑑賞の仕方だなと思ったのですが、混雑の緩和の上で仕方ないのでしょうか。私たちも順番に並んで鑑賞に至ったのですが、いざ目の前に叫びが来た!と思ったら「はいはい、止まらないで進んで〜」とすぐに流されてしまうのです。絵を見に来ているのに目の前で立ち止まれないなんてこんな不条理があるでしょうか。「やだやだ、タッチを細かく見たいの!あと数秒で良いから!」と懇願する間もなくすでに行列の出口なのです。「叫びをゆっくり見させて〜!!」と叫びたくなったのは私だけではないでしょう。叫びの絵を目前に、叫びと同化出来た時点で演出としては成功しているのかもしれませんが。しかし叫びに描かれる夕焼けの色味を数秒鼓膜に焼き付けられたのでまあ良かったです。本物を見た!という感動は取りあえず得られました。
しかし深刻なテーマである「叫び」ですが、見てみるとやはりポップで可愛く感じてしまうのですよね。そりゃあキャラクター化されてグッズにもなるし、パロディの題材にもなるし、ピカチュウとコラボもするよといった感じで。まるで動物園でパンダを見るみたいな状況だなと思ったのですが、ポップという意味では同じようなものかもしれません。そういえばハライチの岩井が同じくムンク展を見に行って、「叫び」の前で立ち止まらぬよう促される様子をアイドルの握手会で「はいもう終わりです!」と運営の人に剥がされる状況に例えていましたが、まさしくそれだなと思った次第です。推しのアイドル「叫び」はやはり大人気でございました。こちらの推しはCDを買わなくても会えるのだから御の字なのです。
そんなわけで1月も慌ただしく終わりそうです。年末年始に「ブログを楽しみにしています」と複数の人から言われたので、何とか頻繁に更新したく思っている私です。「叫び」と違ってじっくり対面出来るテキストですし。ぜひ今後もよろしくお願いしますということで。