図書館の貸切り図書館、そして再び子猫大騒動

先日はmolnにて恒例のイベント貸切り図書館の73回目を、図書館のみなさんをゲストに迎えてお送りしました。たくさんのご来場をどうもありがとうございました。この企画を始めてからずっと呼びたかったバンドが図書館なので、ようやく念願叶ったという感じです。2007年に私のユニットfishing with johnの自主イベントに図書館、tico moon、lakeをゲストに呼んだのが彼らとの最初の出会いでしょうか。近藤さんとはその時が初対面だったんですが、まさか時を経てお互い猫を愛で合う仲になるとは思いませんでした。イトケンさんには夜の科学オーケストラでいつもお世話になっているし、ミヤザキさんとも以前からちょこちょこ交流があり、今回満を持しての出演が叶って嬉しかったです。この日は図書館4年振りにして初のワンマン、持ち曲全披露という贅沢なライブとなりまして。サポートなしのメンバー4名のみの編成で、彼らの魅力が存分に味わえる内容だったのではないでしょうか。田中さんの凛とした母性溢れる歌声に寄り添うイトケンさんの繊細かつタイトなドラミング、華麗な近藤さんのギターとバンドの要とも言えるミヤザキさんのピアノと、とにかく素晴らしい演奏でした。この季節の鎌倉で聴く図書館サウンドの心地良さたるや。(本人たちも言ってましたが、不思議と鎌倉に似合う歌ばかりなのです。)メンバー全員が楽しんでいる様子も見ていて伝わって来ましたし。近藤さんが「電車の音聞こえるかな?」と呼びかけた後しばらくして外の横須賀線の電車がホームに来て、「最終電車」を演奏し出したシーンにはグッと来てしまいましたね。線路近くのmolnでは電車の音が良い演出をすることがたまにあるのです。この日は満員御礼、何と札幌から見に来てくれたお客さんもいて、会場の雰囲気もとても良く、最高な一夜となりました。
ちなみに今回図書館のみなさんが紹介してくれた本は
近藤研二さん 
「ジャクソン・ギャラクシーの猫を幸せにする飼い方」
イトケンさん 
「プリンス録音術」 ジェイクブラウン著
ミヤザキタカシさん
 「サザエさん東京物語」 長谷川洋子著
「少年の名はジルベール竹宮惠子
田中亜矢さん
「すばらしいとき 」ロバート・マックロスキー著
というラインナップでした。
猫の貴公子こと近藤さんはやはり猫関連の本を紹介してくれて、最近子猫を家族に迎えた我が家にこの本をプレゼントしてくれました。ニューフェイスを迎えた場合、先住の猫のケアが一番大事だというアドバイスをしかと受け止めた我々です。
イトケンさんの紹介本は、プリンスがどのアルバムのどの曲で何の機材を使って録音したのか細かく紹介されているマニア向けの本だそうで。「この曲のギターの録音、マイクは57使ってるんだ〜」などと感心しながら読んでいるのだそうです。「ちなみに57というのはマイクの種類ね。今目の前にあるマイクは58」とすかさず解説を入れる近藤さん。「その手の本、ビートルズにもあるよ」と補足を入れるミヤザキさん。「ザ・ビートルズ レコーディング・セッションズ」のことでしょうか。
そんなミヤザキさんが紹介してくれたのは漫画関連の2冊で。長谷川洋子さんはサザエさんでお馴染み長谷川町子さんの実妹さんだそうで、この本は町子さんが亡くなるまでの長谷川三姉妹の波瀾万丈のエピソードを綴ったエッセイなのだそうです。ミヤザキさんが語る長谷川家の衝撃の裏話に客席みんな「え〜」と驚いておりましたが(詳しくは本書をお読み下さい)、こういう物語の背景や裏話の方に興味を持つ視点がミヤザキさんぽいなと思いました。もう1冊の竹宮惠子さんの本も自身の漫画家人生を綴った自伝なのだそうですが、竹宮さんが一時期同じアパートで暮らしていた漫画家の萩尾望都さんの天才っぷりを間近に見ての苦悩や葛藤が読んでいて面白いのだそうです。竹宮さんの自伝から萩尾望都さんの魅力を見出すミヤザキさんの目線がまた面白かったですね。そういえばリハ時に萩尾望都風の美キャラのイラストの色紙が置いてあって、「これ誰のイラストですか?」とミヤザキさんに聞いたら「おいらが描きました」とのことで、彼の多才振りに驚いたのですが、本番中その色紙をお客さんにプレゼントするという流れになり。ミヤザキさんが「今日一番遠くから来た人にプレゼントします」と客席に問うたら「札幌から来ました!」と男性の方から声が上がり。聞けばこの日の図書館のライブを見るためにわざわざ札幌から鎌倉までやって来たのだそうで、ミヤザキさんのイラスト色紙と紹介した本は札幌へと旅立つことになりました。(このくだりはこの日一番の盛り上がりを見せました。)
田中さんは普段お子さんに絵本を読み聞かせする機会が多いとのことでしたが、今回紹介してくれた絵本はどちらかと言うと大人向けなのだそうで。何と贅沢にもその場で読み聞かせをしてくれました。彼女の声で語られる詩情豊かな文章と淡い色彩の絵に惹かれましたね。ぜひ読んでみたくなりました。本の紹介でもメンバーによって個性が出て、面白いなと思いましたね。
終演後にはみんなで「良かったね〜」と感想を言い合いつつ打ち上げをし。その後は「五十嵐家の新入り子猫を見に行こう!」と近藤さん、イトケンさん、田中さんと、ライブを見に来ていた山田兄さんとで我が家に行き、ココ坊初披露と相成りました。山田氏は「うちのケージ貸してあげようか?2階建てハンモック付きの好物件だよ〜」と申し出てくれて、ありがたくお借りすることになり、この日わざわざ車で持って来てくれたのですが、「わ、1階と2階をへだてる板を忘れた!」とのことで、だだっ広い1階建て物件に条件変更になり、山田不動産の評価あやうしとなったのですが、ハンモックをいたくココ坊が気に入り、無事満点の高評価が付きました。今やすっかり山田不動産のケージで落ち着いているココ坊です。思えばミル坊が我が家にやって来た時も山田氏と近藤さんは様子を見に来てくれたし、イトケンさんもほどなく会いに来てくれたなあと思い出し、何だか嬉しくなりましたね。みんなに抱かれるココ坊の姿が可愛く、子猫が我が家にやって来たという実感が湧きました。猫先輩がいると心強いなと思った次第です。お店の営業とライブと子猫披露と、長い1日でしたが心に残る日となりました。
貸切り図書館、次回は7月7日の七夕、ayU tokiOさんとalfred beach sandalの北里彰久さんをゲストに迎えてお送りします。こちらもぜひよろしくお願いしますということで。

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