躍動のピアノとギター、そして手拍子

もう先々週の話ですが、molnにてキンモクセイの伊藤俊吾さんの弾き語りライブが行われたのです。満員御礼で大盛り上がりでございました。たくさんのご来場をどうもありがとうございました。そもそも伊藤さんとは2年前に大阪でのゴメス山田氏のイベントでご一緒し(私は招き猫を売り、伊藤さんはサトミツ&ザ・トイレッツでライブをしたのでした)、その時が初対面だったのですが、物腰柔らかで話しやすい人だなあと好印象で、その後すぐmolnの企画「貸切り図書館」にお誘いし、出演してもらったのでした。大阪では打ち上げの後、誰かの部屋(多分伊藤さんの部屋)で2次会みたいな感じでみんなでわいわいと飲み、私はかなり酔っ払ってしまい、その後私と同室だった高橋徹也さんがコーヒーを買いに出た後に鍵を閉めてぐーすか寝てしまい、「おーい、開けて〜、五十嵐さーん」とドアをどんどんと叩くという「五十嵐タカテツさん追い出し事件」があったのですが、その直前の話です。そこで私は伊藤さんと飲みながら話したのですが、いかんせん酔っ払っていたのであまり内容を覚えておらず、「昨日の部屋飲みの記憶がないんですよねー」と山田氏に言ったら「五十嵐くん、イトシュンの話にめっちゃ相槌打って話してたよ」とのことで、熱く語ったことだけは確からしいのです。その後伊藤さんに出演してもらったmolnでの貸切り図書館は当日私がインフルエンザに罹ってしまいライブを見られず、いつかまたリベンジで出てもらいたいなと思って今回お誘いしたのです。
その大阪からのブランクの間に伊藤さんは離婚され、茨城で犬2匹と暮らしているとの情報を得て、人の環境は変わるものだなと思ったら、ライブ前に彼の愛犬の1匹が病気で亡くなったことを知り、そんな時にライブに呼んでしまい申し訳なく思ったのですが、当日伊藤さんは笑顔で会場に来てくれて。
今回は「伊藤俊吾のひとりにしないで『真夏の弾き語り2019』鎌倉編」と題したライブでしたが、「イトシュンをひとりにしないよ!」という熱心なファンの方がたくさん集まってくれまして。ライブはキンモクセイの曲から始まり、いきなりの盛り上がりで。伊藤さんが「みなさん手拍子を!」と呼びかけるとお客さんは即座に呼応してくれるのですが、リズムが変わるところやキメなどもばっちり合わせて来るのです。さすがの曲の熟知っぷりなのです。その後も彼の2枚のソロアルバムからの曲をたっぷり演奏してくれたのですが、巧みなピアノとギターと美声で放たれるグッドメロディには胸掴まれましたね。彼の新生活をポジティブに綴った歌詞にもグッと来てしまいました。PCからリズムを鳴らして同期する場面では「自分で叩いたドラムだから息ぴったり」と笑いを誘い。途中のリクエストコーナーではお客さんからの突然のリクエストに彼がその場で応えて歌うのですが、あいみょん、TMレボリューション、TMネットワークなど無茶振りが炸裂し。(何でTMを被せてくんねんと心の中でツッコミを入れてしまいましたが・笑)彼がえらいのは全部一応トライするのですよね。「サビしかしらないからAメロお客さん歌って」など、時には会場を巻き込んで全曲歌い上げたので、凄いハートだなと感心してしまいました。お客さんもお客さんで凄い試練を彼に与えるなと。
終盤、彼が愛犬を看取った時の話をしてくれたのですが、私も家に愛猫がいるのでとても気持ちがわかり、もし自分だったらと重ねて聴き入ってしまいました。本当は辛いだろうにこちらに心配させないように明るいトーンで話してくれる伊藤さんを見て、彼にこれほどまでに愛されたワンちゃんは幸せだったろうなとしみじみしてしまいました。せめて亡くなる時に一緒にいられて良かったなあと。大きな別れなどを経験すると歌詞の意味合いも変わって来るとのことでしたが、彼の力強い歌声を聴いて「ああ、私も明日から頑張ろう」と何だか元気が出るような明るい気持ちになりました。お客さんも同じ気分だったのではないでしょうか。
そんなわけで2時間あっという間の本当に楽しいライブでした。moln全体がピースフルな空間になっておりました。今年本格的に再始動するキンモクセイは何と1000人規模のホールがほぼ埋まったとのことで、その人気っぷりを改めて見せつけましたが、伊藤さん曰く「イトシュンソロも良いんだよ!」とのことで。キンモクセイと同じくソロのライブにも来て欲しいと熱く語っていたので、ここにお知らせしたく思う次第です。イトシュンソロもよろしくと。
終演後も伊藤さんはサインや撮影などでお客さんに囲まれ、大人気でした。今は茨城に住んでいるけど鎌倉とか横須賀とかも良いなあという話をしていたので、ぜひ鎌倉に引っ越して来て欲しいなあと思った私です。その際は愛犬の散歩に同行したいものです。
molnのライブ、次回は9月16日の貸切り図書館、友部正人さんをゲストに迎えて行います。そちらもぜひよろしくお願いしますということで。f:id:fishingwithjohn:20190821100837j:image