掃除機delete

気が付けば6月になってしまいました。

緊急事態宣言が解除となり、閉まっていたお店もぼちぼち開き出し、街に人出も徐々に戻って来ていますが、月が変わって急にウイルスがなくなったわけでもないし、非日常をまとったまま日常を生きている妙な感覚が続いています。

本当なら今頃molnの買い付けでラトビアリトアニアスウェーデンを旅しているはずなのですが、旅の予定はすべて白紙になりました。手帳に書かれた予定がまるでパラレルワールドのように見え、ここに記された世界では自分は何をして何を思っているのだろうかと想いを馳せたりしています。田圃からごっそり刈り取られた稲のようにdeleteされた予定。その稲は米になるわけでもなく6月の景色に霧散するだけなのです。
この頃は家にいる時間が長いので掃除をまめにするようになったのですが、長年使用している掃除機が劣化したのか急にゴミを吸わなくなり。吸引力がジャイアンにいじめられるのび太の如く弱くなり使い物にならなくなったのです。「ドラえもん〜掃除機の吸引力を強くする道具出してよ〜」と懇願したくても家には肝心のドラえもんがいませんし。仕方なくテテレテッテレー(えもんが道具出す時のジングル)と日本銀行券を己のポケットから颯爽と出し、ダイソンの掃除機を新調したのです。漢字読めないでお馴染みの麻生くんが「給付金渡しても貯金されちゃうだろう〜」とスネ夫の如く口をひん曲げて言ってましたが、こうして使って経済回してやってるぞ!早く10万円寄越せ!とジャイアンの如く荒れながらおニューの掃除機を手にしたのです。まだ見ぬ彼方の10万円を夢に想いながら。
いざ到着したダイソンの掃除機は色味がウルトラマンの如き様相で、構えると光線銃のようでもあり。青と赤に彩られたそいつは自宅で異彩を放ち、取り敢えず部屋の片隅に置かれ、まずは充電されることになりました。3時間半充電すれば使えるとのこと。そして満を持してのお掃除タイム。吸引力の下がった旧掃除機に慣れていたのもあり、格段の吸引力でどんどんゴミを吸って行くダイソンに惚れ惚れな私。スイッチをMAXモードにするとさらに吸引力アップなのです。猫たちの毛は勿論、ウイルスも吸ってくれそうな勢いです。「おお!これは凄いぞ!」とMAXモードで次々とゴミをやっつける私。その勇猛果敢な姿はウルトラマンもかくや。出たぞ必殺ダイソンキック!ダイソン光線!と興奮する私。しかし5分ほどしたでしょうか。「シュ〜ン!」とダイソンくんは唐突に力尽きてしまったのです。「え?もう充電切れ?」と余りの早さに二度見する私。ようよう説明書を見ると3時間半の充電でMAXモードだと使用時間6分と書かれているではありませんか。「ろ、ろっぷん?」と私は驚愕し、3時間半の充電で6分しか持たないってどんだけ〜、短か過ぎ〜、外車並みの燃費の悪さ〜、マジ卍〜と引いたのですが、平常モードだと30分は持つのです。常に平常モードで使用し、手強いゴミの時だけMAXモードにすれば良かったのです。ウルトラマンのカラータイマーは3分なので、MAXモードは2人分と考えるしかありません。仕方なくその後また3時間半充電し、今度は平常モードで掃除をし直しました。ちょこちょこ使う分には30分なら大丈夫そうです。猫たちの毛が生え変わる季節なので吸引力のある掃除機は必須なのです。ただミル坊ココ坊はダイソンくんを怖がってシャー!と威嚇しておりました。君らの毛を吸ってくれるのだぞと諭しても彼らはキョトンとするばかりです。給付金の一部はこうしてダイソンに消えました。まだ実際に10万円貰ってないので前払いですが。
壮大なる税金の無駄遣い、不要の極み、人類史上稀に見る超弩級の愚策にして笑いものとして後世に名を残すであろうアベノマスクがポストに届き、何だかなあと思っています。その役立たずっぷりに我々はキョトンとするばかりです。寧ろ次々と安部政権の悪事と不手際が発覚しシャー!と威嚇したいくらいです。ダイソンで一掃出来ないものかと思いながら猫たちの毛を掃除しています。
そんな6月の始まりです。きっと霧散した予定を何かで埋めながら過ごすのでしょう。粛々と。f:id:fishingwithjohn:20200609173732j:image
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