「14.8℃カマクラ」高橋徹也さんからのコメント

2021年になりました。本年もよろしくお願い申し上げます。

2020年の暮れにリリースしたfishing with johnの新譜「14.8℃カマクラ」ですが、おかげさまでポツポツと売れており、CDに添えている私のサインも板に付いて来ました。前は「五十嵐祐輔」と役所で書類に名前を記入するかのようなサインだったのを、fwjのwを猫の耳に見立てたサインをあやに考案してもらい、それをサラサラと書いています。いつなんどきサインを頼まれてもサラサラです。どんとこいです。なかなかライブもし辛い状況ですが、2021年はこのアルバムをじっくり売って行こうと思っております。
アルバムに向けて色々コメントをいただいているのですが、尊敬する音楽家であり友人でもある高橋徹也さんにもコメントをいただきました。
コメント内で触れていただいた「草原ヘッドフォン」という曲はインストが並ぶ中、唯一言葉のある曲で、2012年にOTOTOYからリリースされた被災地支援チャリティーアルバム「Play for Japan 2012 vol.4」に収録されたので、そちらで耳にされた方もいらっしゃるかもしれません。ライブでも頻繁に演奏して来た曲です。
古い曲なので今回アルバムに収録するか迷ったのですが、久々に聞き返してみたら1周して新鮮に思え、「この青臭さもアリだな」と収録に至りました。タカテツさんが引用してくれた箇所は私も気に入っているフレーズで、そのチョイスに流石だなと思った次第です。

タカテツさんはちょいちょい「このレコード、五十嵐さんぽくないですか」とか「このアーティスト、五十嵐さんの音楽に通ずるものを感じました」とラインを送ってくれるのですが、実際私が愛聴しているレコードだったり、好きなアーティストだったりして、「流石タカテツさんだなあ」と毎回感心してしまいます。そしていつも良いレコードを紹介してくれるリスナー及びハンターとしても信頼出来る人です。(タカテツさんが紹介しているレコードを買うと間違いないので、音楽好きな方は彼のツイッターを追うことをおすすめします。)
タカテツさんはツイッターでもアルバムを紹介してくれて、「前作で感じた都市や郊外のワンシーンは鎌倉という舞台を得てより大きなスクリーンへと昇華していったように思う。基本温厚な人柄の五十嵐さんが時折見せる強さみたいなものも大好きです。」と嬉しいお言葉を添えていただきました。
去年タカテツさんに出演していただく予定だったmoln10周年記念ライブも延期になったままです。可能であれば今年こそ実現させたいと思っております。高橋徹也さん、ありがとうございました!

 

 

『14.8℃カマクラ』に寄せて

 


住んでいる場所や街が、音楽に与える影響って何だろうか。fis hing with johnこと五十嵐祐輔の新しいアルバム『14.8℃カマクラ』 を聴きながらふとそんなことを考えていた。

 


本アルバムの主役、五十嵐祐輔くんとは、2013年頃、 とあるライブ・イベントでの共演をきっかけに親しくしなり、 現在も僕にとって大切な友人で音楽家だ。 それは同時に彼の住む街、鎌倉との関係の始まりでもあり、 夏の終わりのバーベキュー、お寺巡り、焼き鳥ミーティングなど、 良い思い出ばかりがいくつも頭に浮かんでくる。

 


2020年は誰にとってもある意味不自由で特殊な時間になったと 思うけれど、 その分余計に身の回りの小さな変化や発見も多かったのではないだ ろうか。この『14.8℃カマクラ』に収録された11篇のインス トゥルメンタル・トラック(ポエトリー・リーディング)からも、 そんな日常の息遣いが静かに聞こえてくるようだ。

 

 

 

自転車ボーイが僕らに挨拶

挨拶という字も読めるけど書けない

でも僕ら毎日こんにちはとかさようならって言ってるよね

 


「草原ヘッドフォン」歌詞より

 

 

 

今日も僕の住む街で、そして世界のどこかで、 自転車に乗った少年とすれ違ったならば、 そっと笑って挨拶してみよう。こんにちは、さようなら。 きっとまた優しいアルペジオ・ギターのリフレインが、 新しい一日のファーストシーンに連れて行ってくれるはずだから。

 


アルバム発売おめでとう。

 

 

 

高橋徹也(音楽家

 

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