1年前、3月の空気

気が付けば3月もどんどんと過ぎて行くのです。

去年の3月の自身の日記を見返すと(スマホにその日あった出来事を簡易的にメモしているのです)、いよいよこの頃から本格的に新型コロナというやつがヤバいぞという雰囲気になっているのがわかりますね。去年の2/25にGOMES THE HITMANのレコ発ライブを見に行っているのですが、ライブハウスのスタッフから「もう今後のライブは難しそうです」と聞いたのを覚えているし、その日も接触を避けるためにサイン会が行われなかったですしね。握手も禁止と言われていたのに、楽屋に挨拶に行ったらサポートで出演していたPLECTRUMのタイスケさんが「わ〜五十嵐さん来てくれたんですか〜」と握手を求めて来たというほっこりしたエピソードがあるのですが(笑)。4月に予定しているmoln10周年フェスをどうするか悩みながら帰った覚えがあるのですが、思えばライブハウスで有客でライブを見たのってあれが最後だったかもしれないですね。2/29に予定されていた高橋徹也さんのレコ発ライブが中止になったので、あの辺りが境目だったということでしょう。3/1にナンバーガールの無観客配信を見ながらこんな状況いつまで続くのだろうと途方に暮れたものです。(そして現在も途方に暮れているという。)
結局4月のmoln10周年フェス(山田稔明、近藤研二、高橋徹也に草テンという豪華なラインナップ!)も延期になるのですが、あの頃は1ヶ月後には出来るようになるかもしれないと念のため3月中にも草テンのリハーサルをしていて、コロナ禍初期の雰囲気を思い出しました。1ヶ月で収束すると思っていた自分が愚かに思えますが、あの頃は皆そんな状況でしたよね。あれから1年かと思うと、とんでもない1年だったなと思います。
今も何の根拠もなくだらだらと緊急事態宣言延長などしていますが、2週間経ったら何とかなってるんじゃね?みたいな神頼み状態では飲食店ばかりが大変な思いをするだけです。国を上げてのコロナ対策が「20時以降店で飲食しない」なんて何かの冗談なのでしょうか。20時まではコロナくんが「僕大人しくしてよう〜っと」と身を潜め、20時以降に「よ〜し!感染していくぞ〜う」と活発になるというのでしょうか。仮定の質問には答えられませんと述べるのでしょうか。馬鹿なのでしょうか。

日記を見返すと去年の3月からfishing with johnのアルバム作りを本格的に始めていて、上野さんに「歩けリリー」「ジャングルジムで鯨釣り」のラフを送ってミックスの依頼などしているのですね。その頃はまだスタジオで対面して仕上げる予定で「6月くらいには落ち着いているだろうから、それまでにデータまとめて送りますね〜」なんて話していたらみるみるうちに自粛生活に突入し。おかげといっては何ですがその間にじっくりと追加の録音作業やデータの整理なども出来たんですけどね。上野さんに素材を送る頃には「これはもう会わずに最後までリモートで仕上げましょう」と相成り。往復書簡のようにやり取りしてこの2曲を仕上げたのですが、未だ上野さんに会えていないのが残念でなりません。実は「歩けリリー」の録音は2013年から始めているので、完成まで7年かかったことになるのですが、上野さんから届いたミックスを聴いた時は感激しましたね。アルバムの中でも特にトラック数が多い曲なので、まとめるのが大変だったと思うのですが、繊細な硝子細工のような仕上げに唸ったものです。
3月11日からfishing with johnの新譜と旧譜、合わせて5タイトルがApple MusicとSpotifyでサブスク配信開始されます。「歩けリリー」もそちらで聴くことが出来ます。ていうか全曲聴き放題です。大瀧詠一御大でさえサブスク解禁する時代です。サブスクを利用していない方はぜひこれを機にいかがでしょうか。
もうすぐ桜の季節ですね。震災から10年。春の匂いに喜びつつも感傷的になるのは何のせいでしょうか。この状態がまだ続きそうだからでしょうか。それとも確定申告が面倒くさいせいでしょうか。いずれにせよタフに生き延びていくしか道はないようですね。f:id:fishingwithjohn:20210309154852j:image
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