ベースを鳴らすエンジェル

いつの間にか5月になってしまいました。早いのです。

緊急事態宣言とやらが出て何よりも困惑したのが、お店で酒が飲めないということでしょうか。お店でちょいと1杯が何よりの癒しである私にとって禁酒は己の翼を折られたようなものです。飛び立てぬのです。自由に大空を。禁酒や消灯や時短や減便でコロナが収まるくらいなら苦労しませんぜという話です。検査の徹底や医療の整備、ワクチンの確保など他にやるべきことたくさんあろうに、やれ五輪だ改憲だとどうでも良いことばかり進めて国民には我慢しろ、酒を飲むななんて道理が通ろうかという話です。翼を折られたエンジェルこと五十嵐はぷんすかと怒りながら「隣町なら飲んでも良いんでしょ!」と隣町まで出かけて飲んだりしています。ここは駄目だけど何キロ先は飲んでも大丈夫みたいな不思議な区分け、何なんだろうという感じです。そもそもノンアルでも食事しながらぺちゃくちゃ喋っていたら意味がありません。意味のないことを命じられることが一番嫌いでお馴染みの私はぷんすかが止まりません。怪物くんの大噴火みたいな状態で日々過ごしています。もう五輪は諦めてその分の労力と予算をコロナ対策に全力で当てて欲しいものです。てかワクチンも満足に確保出来ないってその仕事の出来なさ何なの、うちの猫どもの方がよっぽど役に立つんですけど〜という感じです。猫以下の生き物が首相だなんて。それ言ったら猫に失礼ですけどね。
ところでこの間、ベースギターを新調したのです。長年使用していたベースも調子悪くなって来たし、どうせ今後もライブやレコーディングで使うし、何よりもコロナと現政権の無能さに鬱憤が溜まっていたのもあり、「うりゃあ〜!!」と気合いを入れるために購入に至りました。楽器屋に試奏に行こうかとも思ったのですが、電車に乗って出かけるのも憚れるし、何よりも欲しいものがその店になさそうだったので、えいやとネットで買ってしまいました。新しい楽器を買うのは何年振りでしょうか。やはりテンションが上がるものですね。いざ届いて段ボールを開ける時にも「ふふふ〜ん」と鼻歌が出たほどです。コロナ禍で失われたもの。それは鼻歌です。それが蘇ったのです。それだけでも買った甲斐があったというものです。いざ段ボールから取り出してぴっかぴかのベースを手にしてすっかりご機嫌です。私は車に乗らないのですが、新車を買ったらこんな気持ちになるのでしょうか。磨きたくなるような撫でたくなるような。久々に良い物を買ったという感じです。いざベースを置いておいたらココ坊がにゃんだにゃんだと見に来て匂いを嗅いでおりました。おいココ坊、それはベースっていうんだ、低音が鳴るんだぜと教えて上げたらきょとんとしてましたけどね。
ベースの入っていた段ボールをゴミ捨て場に出しに行った時、「この人フェンダーのベースを買ったんだな」と近所の人から悟られそうだなあと思ったのですが、よくよく考えたら一般の人はフェンダーの名前もベースという楽器のこともあまり知らないでしょう。たまに「近所の人、新しく掃除機買ったんだなあ」と丸わかりの段ボールゴミがあったりしますけどね。昔サザエさんのエピソードで、磯野家の外に冷蔵庫の段ボールを置いておいて「あれ、サザエさん家、冷蔵庫買ったの?」と近所で話題になるも、実はサザエさんがお金持ちの知り合いから段ボールだけ貰って来て見栄を張って外に置いておいただけ、というお話がありました。それだけ冷蔵庫が高級品だったという当時の背景があるにせよ「つまらないエピソードだな」と思った覚えがあるのですが、今でもそれを何故か覚えていて、段ボールを見る度に思い出すのです。中身のない空っぽの高級品。現政権、政治家どものやってる感だけ演出してその実何もやっていない空っぽな感じ、その振る舞いに似ているなと思わざるを得ません。「オリンピック大成功」「コロナ禍に打ち勝った証」という立派な段ボールを家の外に置いているけど中身はないのです。サザエさんはそんなちっぽけな見栄を張って生きていて虚しくならないのかなと思ったものですが、政治家は段ボールをどしどし置いてイメージだけで乗り切ろうとしています。中身のない段ボールには「中身が入っていないよ!」と言わなくてはいけないのです。
緊急事態宣言延長でまたお店で酒が飲めない生活が続きそうです。ベースで低音を鳴らしながら途方に暮れている私です。翼をください。この私に翼を。

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