雪の記憶と色彩

大宮そごうでの催事も今日で終わりようやく落ち着いたかと思いきや
名古屋での催しが来週からあるという慌ただしさキープオンですが、
まあ何とか風邪も引かずやっておる次第です。
関東地方は突然の大雪に見舞われてんやわんやでしたが、
私はというとそれこそデパート内に一日中いたので外の様子が全くわからず、
「雪すげえ!」みたいな感想は専らツイッター上でのみなさんの反応を通して得、
どうやら凄そうだなと世界が雪に染まる光景を想像しながら仕事をしていたのですが、
デパートは基本窓がないので(エレベーターなど外界と直結したところにしか窓がないのです)、
情報を遮断して居ると外で戦争が勃発しててもわからずに「いらっしゃいませ」などと宣い、
閉店後出てみたら変わり果てた世界を目の当たりにするなんて可能性もあるのだなと
雪が積もってしかもそれが凍りつつある閉店後の夜の街の光景を見ながら思った次第です。
デパートの閉店直前まで私が利用する電車が動いておらず、
もし動かなかったらどう迂回して帰るかなどシミュレーションしたり、
どの線がどのくらいのペースで動いているかなど
逐一ツイッターで電車の運転状況を調べていたのですが、
今回改めてツイッターって便利だなとしみじみ思った次第です。
「帰れねえ!」とか「動き出したけど混んでる!」とか
様々な状況の人々の声をリアルタイムに見ながら
窓のない国で世界の動きを察知或いはサーチしながら過ごしていました。
(仕事しろよという話ですが、夕方以降ほとんどお客さんいませんでした)
本当はこんな日こそ何もしないで家にいたいところだったんですけどね。


雪の日の朝、成人式に向かうのであろう女子たちの晴れ着姿を見かけ、
いつも着物の柄を絵付けしている私は(着物を着た招き猫など描いているので)
「あの色味であの柄か」と描くシミュレーションをしながらつい見てしまったのですが、
あの雪で埋まった白い世界を赤だのピンクだのオレンジだのの鮮やかな色彩が漂う
(晴れ着女子たちはいつもより数センチ浮いているようで歩くよりも漂っているような印象です)
そんな光景は端から見たら美しかろうと想いを馳せてしまいました。
反射する光でさらに綺麗に見えたことでしょう。
本人たちは悪天候で大変だったろうと思いますが。
私は着物ガールのドヤ顔を見るのは嫌いじゃないのです。
夜はあまり晴れ着姿の女子を見かけませんでしたが、
流石にすぐ帰ったのでしょうか。
或いは着替えてまた街へ繰り出したのでしょうか。


駅からの帰り道は自転車じゃ危ないので流石に歩いて帰ったのですが、
それでも雪の深さに足を取られ、凍った道では滑り、
「これは何かの罰ゲームなのか」と思いながら白く長い道を歩んだのですが、
昔出張で冬の仙台に行った時に吹雪の中を歩いた時の記憶や
同じく出張で冬の帯広に行った時に吹雪の中を歩いた記憶や、
冬の知床にライブしに行った時に吹雪の中を歩いた記憶などを思い出し、
私は意外に吹雪の中を歩いた経験があるなあなどと想いを馳せたのですが、
雪のない国に住んでるからこそ雪の印象が深く刻まれているのかもしれません。
雪の思い出が年を取るごとにどんどん積もって行くのでしょう。
どこまで積もって行くのだろうかと未来を想いつつ帰った私です。
今シーズン、まだ雪の日はあるのでしょうか。
果たして。