長期休暇の夜 貸切り図書館83冊目

貸切り図書館83冊目、山田稔明さんゲストの回は満員御礼で無事終了しました。たくさんのご来場ありがとうございました。

山田氏のmolnライブは実に4年振りでしたが、夏の歌満載のセットリストと本にまつわるトークで濃密な2時間となりました。

ライブはまだ夏の日差しが残る中、「夏の日の幻」からスタート。草とten shoesに提供してくれた「冬の日の幻」の元曲から始めるという彼なりの粋な演出でしょうか。(この日は草テンのアユミさんも会場で見ておりました。)そして「何もない人」「長期休暇の夜」と続く夏の青春歌のキラキラっぷりと外の蝉の声の相性の良さよ。(「長期休暇〜」の歌詞の通りこの日本当に花火を持って遊びに来ていた山田氏。)

そして早速の本の紹介コーナーではピーター・キャメロン著「ウィークエンド」と「ママがプールを洗う日」を紹介してくれました。アップダイクと共にゴメス初期時代に歌詞を書くのにインスパイアされた作品だそうで、一部朗読もしてくれました。

その後ゴメスアニバーサリーに合わせて書き下ろしたという新曲「レモンティーと手紙」と「余韻」を歌ってくれたのですが、これが2曲とも素晴らしかったですね。ゴメスの持つ青春感を大人の高度な筆致で書き上げたまさに手紙のような曲でした。

そして鎌倉と言えばサザンの「鎌倉物語」。彼のギタレレで涼しげに歌われるサザンもとても良かったですね。ちょうど日も沈む頃の「夕日に別れを告げて」も沁みました。

そして草テンの曲「桃色爆弾」に呼応するかのように「桃色の空」を歌う山田氏。夏の海辺の桃色の空の情景が浮かぶ歌唱でした。桃色爆弾という言葉を作ったあやもしみじみと喜んでおりました。

そして次の本の紹介コーナーから私もステージに合流し一緒にトークを。ミュージシャン劔樹人さんの書いた怪談漫画「怪のリディム」が面白いと力説する山田氏。劔さんの在籍するバンド、あらかじめ決められた恋人たちへはfishing with johnと一時期レーベルが一緒でメンバーとも交流があり、山田氏にこれだけ響いてくれて妙な嬉しさがありましたね。

あと前々から私も彼から推薦されていた伊藤聡著「電車の窓に映った自分が死んだ父に見えた日、スキンケアはじめました。」も紹介してくれました。コロナ禍にスキンケアに目覚めたという山田氏によるコスメトークに会場は大ウケでした。韓流ドラマやK-popからじゃなくコスメから韓国にアプローチするという山田流の独自さよ。私もラトビアに行っている間は乾燥していたので毎日パックをしており、スキンケアに少し目覚めたタイミングなので参考になりました。

その後私もベースで演奏に加わり「glenville」「hanalee」「光の葡萄」の3曲を。例によって前日に「明日ベース弾かない?」と提案されたのですが、ギターとベースという編成は新鮮でしたね。バンド編成とはまた違った響きがあって良い感触でした。また機会あればやりたいです。

そして私が捌けた後はサニーデイ・サービスの本、北沢夏音著「青春狂走曲」と曽我部さんの「晴れた日には君の好きなレコードを」を紹介してくれました。コロナ禍の間に生まれたという曽我部さんとの交流話が興味深かったですね。(曽我部さんも以前貸切り図書館に出演してくれました。)その流れで披露してくれたThe Smiths「There is the Light that Never Goes Out」のカバーもとても良かったです。

そして今読んでいる本としてミシェル・ザウナー著「Hマートで泣きながら」を紹介してくれました。アメリカ人と韓国人のハーフである彼女が韓国料理を通じて母を回顧するという内容だそう。彼女のユニットJapanese Breakfastは私も好きで聴いていたので、読んでみたくなりましたね。(ここでも韓国の話題が出て繋がるというトーク構成!)

その後「小さなハートブレイク」と「memoria」と続き本編は終了。アンコールは「high tide」。鎌倉の夏の海と会場が繋がるような波音が印象的でした。そして「セラヴィとレリビー」でライブは大団円を迎えました。お客さんも喜んでくれていたようで良かったです。

そしてライブ後は美味しいご飯を食べながら近況報告など。その後「花火を持って遊びにゆくよ」の歌詞の通り彼が持参してくれた花火をささやかに行いました。(ささやかなのが大人にはちょうど良い。)

その後我が家にも立ち寄ってくれて、例によってミルココにシャーシャー言われながら挨拶してくれました。「俺はシャーなんて怖くないんだぜ〜」とカメラを向ける山田氏。滅多に怒らないココ坊からもシャーを引き出すという、シャー生産者としての力量を見せつけられました。

こんな夏休みみたいな一日があって良かったです。ご来場のお客さんもありがとうございました。貸切り図書館、次回は8/26に高橋徹也さんが登場します。こちらもぜひにということで。f:id:fishingwithjohn:20230822094623j:image
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