海流の沸点 貸切り図書館84冊目

貸切り図書館84冊目、高橋徹也さんのライブも無事終了しました。たくさんのご来場ありがとうございました。

猛暑の中さわかやな風のように颯爽とmolnに現れたタカテツさん、恒例となったレコードプレゼントし合いをしつつ、談笑などしつつリハーサルを行いまして。(タカテツさんが長年探していたレコードを今回プレゼント出来て良かったです。)

リハからギターの鳴りも良く、久々にタカテツさんの歌声をmolnで聴けるのだなと早くも感慨深くなりましたね。

そして開場していっぱいのお客さんの前に現れたタカテツさん、ライブは壮大な「ブラックバード」からスタート。すぐに会場をタカテツワールドへ引き込みます。続けて歌われた新曲「美少年」では私のユニットfishing with johnの楽曲「草原ヘッドフォン」について言及いただき。両方とも歌詞に自転車に乗る少年が出て来るという共通点を語ってくれて嬉しかったですね。(「草原ヘッドフォン」はサブスクで聞けますのでぜひ。)

本の紹介コーナーではまずは好きな短編括りということで、村上春樹「中国行きのスロウボート」とモーパッサンモーパッサン短篇選」を紹介してくれました。今回は深夜ラジオのような丁寧な語り口でじっくりと本の紹介をしてくれて、とても聞き応えありましたね。その後短編ぽい曲というチョイスで数曲歌ってくれたのですが、「夢の中へ 霧の中へ」という幻想的な曲がとても良かったです。(そして予定になかったという「かっこいい車」に沸く客席!)

その後は最近読んで印象的だったというカーソン・マッカラーズ「心は孤独な狩人」「カーソン・マッカラーズ短篇集」を紹介してくれました。女性作家の心の内の激情について語るタカテツさん。その流れで披露してくれた「怪物」の弾き語りが圧巻でしたね。ちょうど外の雨の音と雷鳴がディストーションのように響きに共鳴しておりました。molnライブの醍醐味です。

その後はタカテツさんと言えばのヘミングウェイ著書紹介コーナー。その流れからのヘミングウェイの世界に共鳴するかのような海や夏、夜や車の不穏な風景が浮かぶ楽曲群が本当に素晴らしかったです。美しい悪夢のような言葉と旋律とコード感。海辺を旅している気分を味わいました。

その後は晩年についてを描いたポール・オースター「ブルックリン・フォリーズ」とヘミングウェイ「移動祝祭日」を紹介。この日はタカテツさんのお母さんの命日ということもあり、少し前に亡くなられたお父さんの話など、家族への想いを語ってくれました。7年前まさにタカテツさんのお母さんが亡くなった翌日がmolnのライブの日で、その時はそんなことおくびにも出さず素晴らしいライブをしてくれたのですが、そんな縁もあり普段語らないプライベートな話をこの会場でしてくれたのだと思います。その後歌ってくれた「feeling sad」

「夕暮れ星」はとても沁みましたね。彼の両親もきっとmolnにいて一緒に聞いてくれていたように思います。

その後はこの日紹介した本をお客さんにプレゼントするじゃんけん大会in鎌倉2023(笑)が開催され。タカテツさんとお客さんとのじゃんけん勝負に会場は大盛り上がりでした。そんな盛り上がりに乗じてアンコールではmoln店主あやがコーラスで参加し「Summer Soft Soul」を熱唱。暑いそして熱い夏の一夜を締めくくりました。

終演後はタカテツさんと軽く打ち上げをし、再会と再開に乾杯しました。山田氏とタカテツさんは今年友達記念10周年という名目でライブを行っていますが、山田氏とタカテツさんが友達になったとされる夜は私も同席していたので(いきなりタカテツさんと2人きりも何なのでという理由で私も誘われた次第)、私も同様に友達10周年なんだなあという話をしみじみしました。そして山田氏との打ち上げでも話したけど、友達って良いなあと思った次第です。また来年も楽しみです。

そんな貸切り図書館は次回は猫界の貴公子、近藤研二さんの登場です。そちらもよろしくお願いしますということで。

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