トホホ7000円事件

去年高橋久美子さんとツアーを回った草とten shoesですが、年が明けてメンバー全員集う機会がありまして。リーダーの岩崎さんは現在お母さんの住むバリと世田谷の自宅、巣巣用に借りた真鶴と旦那さんの転勤先の富山と4箇所に家があり、あちこちを転々とするプチ旅人暮らしなのですが、この度新しい巣巣を富山で開店する運びとなり。その報告も兼ねて草テン新年会を行うことになりました。

実は昨年末も草テン忘年会をやろうと岩崎さんが都内の某イタリアンを押さえてくれたのですが、当日岩崎さんがインフルエンザに罹ってしまい。やむなく残りの3人で食事したのですが、ひとりキャンセルの旨を連絡しようとお店に何度も電話したものの出ず、仕方なく直接来店時にキャンセルの報告をしたら「事前に電話が欲しかった〜」みたいな面倒くさい女子のような絡み方をされ。「実は何度もお店に電話したのですが出なかったんです」と言うと「昼間は店にいないから電話には出られないし!」みたいなことを言われ、いや仕込みをしてるであろう夕方にちゃんと電話したんだけど出なかったんだよな〜という反論の台詞を飲み込み、「はあ申し訳ありません」と頭を下げて入店したのですが、「急きょひとりキャンセルになったので座席の配置を変えますので!」と店員がこれみよがしにテーブルと椅子をガッタンガッタンいわせながら動かし始め。「え?ひとりキャンセルしただけでそんな配置変える必要ある?」と我々は恐縮し、嫁の不手際を無言の内に責める姑の如き接客にテンションダダ下がりだったのですが、それはもうお店側も仕込みもあるし、当日キャンセルした我々に非があるので仕方がないのです。ありがたいことにキャンセル料は不要とのことで、気持ちも新たに食事したのですが、出て来た料理はまあまあ美味しかったのですが、コースひとり4000円と事前に聞いていたので、「まあこの値段ならこれかあ」という感じなのです。値段のハードルを飛び越えて来ないのです。「お値段以上〜ニトリ!」とはならず「お値段妥当〜ピタリ!」といった具合なのです。「うん妥当妥当!」と何度妥当という単語を頭に思い浮かべたでしょうか。姑にいびられた嫁の反骨精神がくすぶっていたからでしょうか。また料理を出してくれる店員が全身白装束の似非画家のような出で立ちで、私の中の千鳥ノブが即「クセが強いんじゃ〜」とツッコミを入れたのですが、このファッションなら妥当を飛び越えて来ないと釣り合わないのです。天才しか許されない独特衣装なのです。私とあやは料理のお供にワインも2杯ほどいただき。アユミさんも1杯は飲んだでしょうか。それでも「ツアー楽しかったね」などと2019年を振り返り。食事を終えていざ勘定をお願いすると21000円なのです。ひとり7000円なのです。「な、ななせんえんっ?」と我々はビビり、岩崎さんのキャンセル料はかかってないし、サービス料にしては高くないか?それとも姑のいびりか?ワインの値段書いてなかったけどワイン代がそんなにするのか?何勝手に高級ワイン出しとんねん!あとその白装束何なんマジで!と私は店を出て「た、高いわっ!」とブチ切れ、エアちゃぶ台を星一徹のテンションでひっくり返し、7000円は納得がいかねえ!そして我々はキャンセルの電話をかけたんだよう〜と姑の悪口を吐き出す嫁の如き悪態をつき、優しいアユミさんとあやに「まあまあ」となだめられるというトホホな忘年会だったのですが、それ以来の集まりです。
その日鎌倉に草テンメンバー全員が集い、ちょっと良い蕎麦屋に行き、今年もよろしくなどと挨拶しつつ美味しい食事をいただき。2020年の活動について話したり新しい巣巣の構想などを聞き、デザートまでいただいてさあ帰ろうかと相成り。岩崎さんが車で自宅まで送ってくれるとのことでみんなで乗り込み、軽快に走りながらとある道路を通りかかったその時です。岩崎さんが「ここ右折して大丈夫かなあ?」と聞き、車を運転しないあやとアユミさんと私は「あー大丈夫じゃないですか」と軽く答え。いざ岩崎カーが右折してしばらく走っていると後ろから突然パトカーのサイレンが鳴り響き。目の前を1台のバイクが猛スピードで走り去るので「あーあのバイクがスピード違反なのかなあ」とみんなで呑気に話していたら「そこのバン止まって下さい〜!」と岩崎カーが止められたのです。後ろを走るパトカーに。岩崎さんが路肩に寄せ車を止めるとお巡りさんがトコトコやって来て「あのー、さっきの道右折禁止なんですよ〜」と言うのです。ええっ!と衝撃を受ける草テン一同。「免許証見せて下さい〜」と告げるお巡り。こんな都合良いタイミングで追いかけて来るってさては張っていたのか?ねずみ捕りか?ねずみ年だけに?と動揺しているとお巡りは「あの〜交通違反なので2点減点で、違反料7000円払ってもらわなきゃいけないんですよ」と言うのです。「な、ななせんえんっ?」と我々はビビり、そしてマッハのスピードで「た、高いわっ!」とブチ切れ、エアちゃぶ台を星一徹のテンションでひっくり返し、7000円は納得がいかねえ!我々は知らずに右折しただけなんだよう〜と姑の悪口を吐き出す嫁の如き悪態をついたのですが、違反は違反なのです。仕方ないのです。それでも納得いかない私は「政治家の金の不正は有耶無耶になるのに我々庶民からは小金をきっちり取りやがるのかよ〜!」と怒りが湧き上がり。「総理に近い奴はレイプしても逮捕されないし、総理は血税を私物化してもお咎めなしなのに我々庶民からは7000円取るってか!本当に美しい国だこと〜!」と政治批判ヒートアップの私。我々はうっかり右折しただけなのにあちらは道を踏み外しているのです。そんな中優しい岩崎さんとアユミさんとあやに「まあまあ」となだめられるというトホホな新年会になってしまいました。
この忘年会と新年会はトホホ7000円事件としてバンド史に名を残すこととなりました。みなさんもお店選びと交通違反にはお気を付け下さい。そしてそんな草テンですが本年もよろしくお願い申し上げます。(写真はそんな私を励ましてくれているミル坊ココ坊です。)

f:id:fishingwithjohn:20200129064419j:image

年末年始猫の手攻防

気が付けば2020年になっておりました。みなさん本年もよろしくお願い申し上げます。ブログがなかなか更新されないので、五十嵐はさぼっているのではないか、ブログを更新出来ない病にでも罹っているのではないか、まさか知らぬ間に断筆でもしたのかと案じていた方もいらっしゃるかもしれません。単純に忙しかったというのが理由なのですが、猫を可愛がったりハイボールを飲んでクダを巻いたり、忙しいと言いながらイソガシ音頭を華麗なステップで踊ったりする時間はあったので、それら隙間時間を掻き集めればブログくらい更新出来たのではなかろうかと今になって思うのですが、まあ気が付けばこれだけ間が空いてしまったわけです。
怒涛の草テンツアーが終わったらもう年末ということで、師走はもう一瞬でしたね。矢の如く去って行きました。恒例の山田稔明with夜の科学オーケストラのリハーサルとライブがあり(たくさんのご来場ありがとうございました)、年末はmolnで年始は帝国ホテルでの展示を控え、あとはひたすらカマクラ張子業に追われておりました。合間に貸切り図書館でtico moonさんのライブもあったり、年始の永井宏さんの展示のために三浦まで作品を借りに行ったり、バタバタでした。
張子を作るのに時間が無さ過ぎて夜を徹しないとまずいかもと思いつつ、私は徹夜が苦手でしかも夜は酒を飲んで酩酊してしまうので、代わりに朝早く起きて作業をするという老人の如きスケジュールで動いていたのですが、朝の4時とかにさあ起きようと思うとココ坊がゴロゴロと喉を鳴らしながら「ゆうくん布団に入れて〜」と甘えて来たりして、そうなると撫で撫でタイムに突入してしまうのであり、撫で撫でタイムとは時空の歪みを発生させる恐ろしい装置で体感5分のはずが実際には30分が経過しているのであり、「まずい作業が滞る!」と飛び起きてひーひー言いながら仕事をしていると下でガラガラガッシャーン!と何かの破壊音が聞こえ、何事かと見に行くとココ坊が壁に立て掛けてあった大きな姿見を倒して破壊しているのであり、「おいおいおいおい、この忙しい時に姿見破壊すな!」とココ坊を叱りつつ床に散らばったガラスの破片を片付け、掃除機をかけ、さあ仕事再開だと思うとまたココ坊が部屋に入って来て作りかけの干支の張子をコロコロ転がして遊び始めるのであり、「こらこらこらこら、商品で遊ぶな!」と隣の部屋にココ坊を移動しまた作業を再開するも「あ、そういえば猫どものトイレを綺麗にしないと!」「あ、洗濯もしないと!」「あ、今日はビンとカンを捨てる日だ!」「味噌汁も作らないと!」と家事に追われ、ひーひー言っているとあっという間に時が過ぎて行くといった具合でとにかく忙しい日々でした。猫の手も借りたい忙しさに猫の手が妨害して来るだなんて。ちなみにその朝の攻防戦の間ミル坊とあやはぐーすか寝ているのですけどね。ココ坊は叱られてもキョトンとしているし。
その甲斐もあってか年末のmolnの展示は絵付けワークショップ共に盛況でございました。たくさんのご来店ありがとうございました。その勢いで元旦から3日まで帝国ホテルの催事に出て。カマクラ張子として初の出店で何だか感慨深かったですね。ホテルには朝9時半から夜9時半まで12時間いたのですが、あっという間でした。molnで展示していた商品を全部帝国に持って行ったので、それをまたmolnに戻して陳列し直してmolnでの展示後半戦があり。それが終わってようやく落ち着いたという感じです。このひと月休みなしでございました。
しばらく休めるのかと思いきや自宅の大掃除という案件があり、そしたら永井宏さんの展示が始まり、貸切り図書館で直枝政広さんのライブがあり(素晴らし過ぎて年始から感激しました)、何だかんだで招き猫のオーダーもたくさんいただいており、結局年明けても忙しいという塩梅です。そして1月も終わりかけているという。この時の早さは何なのでしょうか。
取り敢えず今年もよろしくお願いしますということで。ブログもぼちぼち更新して行くのでたまに覗いていただけたら幸いです。日々のことはインスタに上げているのでそちらも見ていただけたら。
2020年どうなるのでしょうか。果たして。

f:id:fishingwithjohn:20200126072842j:image
f:id:fishingwithjohn:20200126072906j:image
f:id:fishingwithjohn:20200126072913j:image
f:id:fishingwithjohn:20200126072852j:image
f:id:fishingwithjohn:20200126072900j:image

草とten shoes×高橋久美子 Autumn Tour2019 ツアー記1

奈良、兵庫、愛媛と周る草とten shoesと高橋久美子さんによるAutumn Tour2019も無事終了しました。各地ご来場いただいた方々、どうもありがとうございました。昨年の台湾に続いてのツアーでしたが、まあ笑いあり涙ありの珍道中となりました。ツアー初日は奈良に移動してすぐライブというスケジュールで。まずは羽田から飛行機で伊丹空港まで飛ぶのですが、あやが「この時間で良いんじゃない」と調べてくれた電車で鎌倉から向かったところ、時間を間違えていて集合1時間前に羽田に着いてしまい。まあ1時間遅れじゃなかったから良いようなものの、慌てて準備して出発したのですでにお疲れモードなのです。とりあえずみんなが来るまで休憩しようと荷物を預け中に入り、うどんなど啜っていると岩崎さんから「着いたよー」「クミコンと合流したよー」などと連絡が来て。アユミさんからは何故か「アースシェイカーのギターの人がいた」「大鵬と書いてあるお相撲さんがいた」などと謎の目撃談が報告され、地面を揺るがす何かが起きるという暗示なのかしらと思っているとやがて草テン、クミコン全員が揃い。いよいよバンドツアー出発です。
飛行機に乗って1時間、伊丹空港に着いたら優秀なジャーマネ岩崎さんがすぐレンタカー屋さんに電話をしてくれ。聞くとレンタカー屋さんが空港まで迎えに来てくれるとのことで、一行はギターだのカホンだのスーツケースだの大荷物をせっせと運び、待ち合わせ場所で待っているとやがてレンタカー屋のワゴンが到着し。ドライバーさんがさらば青春の光の森田そっくりのおじさんで、我々の大荷物を迅速に車内に詰めてくれまして。聞けばどうやらそこに5分しか駐車出来ないシステムらしく、何しろ急がされるのです、さらばの森田に。「5分過ぎたら有料なんで!早く乗って下さい!」と5分ミッションをあわあわとクリアし、いざ出発すると今度は森田が「お客さん、この大荷物じゃあレンタルした車に乗り切らないかもしれませんよ」と脅すのです。岩崎さんは少しでも経費を抑えるべく社長の観点からギリ小さめの車を予約していたのですが、我々の荷物が多過ぎたのでしょうか。岩崎さんは強気に「いやー何とか詰め込むから大丈夫ですよ〜」と言うのですが、森田は「いや〜難しいやろなあ〜」と森田の口調で言うのです。実際の車を見ないと判断が難しいので、我々は荷物詰め込みミッションを前に緊張していたのですが、いざレンタカー屋さんに着いて車を見たらギリ入りそうなサイズなのです。「いや詰めればいけるでしょ!」とクミコン。岩崎さんが手続きをしている間にパズルの如く荷物を詰め込む我々。結果的に荷物は綺麗に車内に収まり、「森田こら、ジャストで入ったやんけ!何脅しとんねん!」という顔で見ると森田は「へー入ったんだ」みたいな顔で淡々と車の説明を始めて。そんな調子では青春の光も当たらぬで森田よ、と心の中でツッコミを入れた私です。
そこから一行は車で奈良へ移動です。運転するのは優秀ドライバー岩崎さんです。1時間ほど走り、見慣れぬ地方の風景に旅に出て来たことを実感しているとやがて奈良は橿原神宮へ到り。良い感じの田舎町に突然お洒落なカフェが現れ、今日の会場sunday treatさんに到着です。ラトビア買付けの旅でも一緒だった店主あやこさんと楽くん親子と久々の再会となりました。今回ライブに合わせてカマクラ張子の展示販売もしていただき、店内には綺麗に張子が並べられておりました。早速頼まれていた張子への名入れなど仕事モードに入る私を横目に女性陣は腹ごしらえ。
そしてスタッフさんは会場準備、我々は機材のセッティングをし、リハーサルです。今回クミコンのステージに草テンメンバー各々も合流し、セッションをするのでその段取りを確認しました。まあその場の気分でやること変えたり自由なんですけどね。あやは少し喉が不調でリハで整えておりました。
そして迎えた本番、ありがたいことにお客さんもたくさん入ってくれて。京都での猫町フェスを見に行く流れで来てくれた方もいて嬉しかったですね。まずはクミコンによるステージですが、さすがラジオDJだけあって巧みなトークでお客さんの気持ちを掴み。全編詩の朗読なのですが、音を鳴らしたりお客さんと声の掛け合いをしたり、リズムをつけたり、とても音楽的なのです。言葉も楽器のひとつになるのだなと感心しながら見てしまいました。山の名前を各地の地元の山の名前に変えるなど、ツアーならではの変化が楽しめました。
そんなクミコンワールドへ草テンからはまずアユミさんがピアノの伴奏で入り。今回のツアーでのアユミさんの伴奏は毎回アドリブだったのですが、叙情的で詩に寄り添っていてとても良かったですね。そして岩崎さんも鍵盤ハーモニカで参加です。アユミさんと共にクミコンの詩の世界に彩りを与えておりました。そして私もギターで参加しまして。クミコンのエッセイの朗読に伴奏したのですが、ストーリーに合わせて曲調を変えて音を鳴らしました。最初は手探りだったのですが、ツアーをやっていくうちに固まっていきましたね。そして問題作「アーモンド」です。私がクミコンとアーモンドという言葉を掛け合いするのですが、口調やイントネーション、強弱だけでは限りがあるなと思い「ダイヤモンドじゃなくて?」「中村主水(もんど)じゃなくて?」と韻を踏んだり、次第に大喜利みたいになっていきました。この日は初日だったのでまだ手探りな部分もあったのですが楽しかったですね。そしてあやもクミコンと連詩した「時間」を披露しました。ふたりの言葉の選び方や読み方など相性が良く、各地で好評でした。
そしていよいよ草テンのステージです。今回はアルバム「月曜日にさえずる」全曲に加え、新曲「わたしのフィーカ」、高橋徹也さんに提供していただいた「波の音が聴こえたら」、近藤研二さんに書き下ろしていただいた「モイ」などを演奏しました。私は冒頭こそ音響トラブルで少々動揺したのですが、ライブが進むにつれ落ち着いて演奏出来ました。何しろ会場のsunday treatさんの雰囲気がすごく良かったですね。岩崎さんのMCもなめらかで。今回のツアーは割と全員で喋る機会があって良かったですね。今回は草テンのステージにクミコンもパーカッションで加わっていただき。あのチャットモンチーのドラマーがリズムを鳴らしてくれるのだから最強のサポートです。全編力強くバンドを走らせてくれました。「草とテンシューズ」では手拍子もいただいて嬉しかったですね。アンコールの「星めぐりの歌」まで駆け抜けました。
終演後はクミコンが著作にサインしたりファンの方と談笑したり、私もお客さんに挨拶したり張子に名入れしたりしていたのですが、ふと気付くとあやの姿が見当たらないのです。楽屋に行ってみるとあやがぐったりと床に寝ており。どうしたのかと聞くと超絶に体調が悪いと言うのです。何か突発性の病気なのか、ひょっとしてインフルエンザ?ツアーもやむなく中止か?と全員で心配したのですが、ツアー前日までmoln業が多忙で、今朝も時間を間違えて早めに出発したので寝不足と疲れではないかと私は踏み。「とにかく寝るのだ、寝てから判断だ!」となり。スタッフさんたちにお礼を言い、機材を撤収し車に詰め込み今日の宿に移動することにしまして。
敏腕ジャーマネ岩崎さんがこの日押さえてくれた宿は近くにある「あるがまま」というゲストハウスで。頭の中でビートルズのレットイットビーが鳴ったのですが、田んぼと住宅が並ぶ閑静な町を走りながら本当にこんなところに宿があるのかと思っていると本当にそんなところにあるがままに存在しており。味のある母屋と思しき建物に入るとマスターがおり。マスターこだわりなのでしょうか、山小屋のような内装に味わいあるフクロウの置物、千鳥風に言えばクセが強いのです。その周りには手作り感溢れるコテージが点在しており、洗面所もトイレも外に独立して存在しており、小さいシャワー室が離れにあるという不思議な構造で。我々の部屋は1番奥のコテージだったのですが、雨も降っていたし、何しろ真っ暗でライトがないと歩けない状態なのです。そこを重いスーツケースを持って運び、あやは体調不良でフラフラで、過酷なキャンプなのかこれは、と思いながら着いた部屋には2段ベッドが4つ設置されており。何というか昭和の合宿部屋といった風情なのです。とりあえずそこであやは寝ることにし、他のメンバーは近くに温泉があるからそこに行くことになり。私はあやの看病ではないですが、体調不良の者をひとり残すのも何なので部屋で待つことになり。私の分のご飯は買って来てもらうことになり、「何が良い?」と岩崎さんに聞かれたので、何よりも酒を飲みたかった私はハイボールをよろしくと託し。
見知らぬ地の見知らぬ宿でぽつんと私は何をしているのだろうかと、先ほどのライブが遥か過去に思えながら部屋で待っていたのですが、とりあえず私もシャワーを浴びようとライトを付けて雨の中をシャワー室に行き。雨で足下はぐちゃぐちゃだし歩きにくいのです。電源を入れ中に入ると一応小さい浴槽とシャワーがあり。他にも宿泊客がいるみたいだし、浴槽に湯を溜めるのも何かとさっさとシャワーを浴びて部屋に戻るとまだあやは寝ているし、やはりひとりポツネンと待つしかないのです。そこから2時間は経過したでしょうか。お腹も減って来るし、みんな早く帰って来て〜と思っていると一行が戻って来て。「いや〜良い風呂だったよー」とさっぱりした様子の岩崎さんが「風呂上がりファミレスでご飯も食べて来ちゃった〜。美味しかった〜」と言うのです。私がひとりポツネンと待っている間にみんなは温かい湯に浸かり疲れを癒し温かい食べ物を口にしていたのか、私のご飯は?と岩崎さんに聞くと「コンビニでハイボールとおにぎり買っといたよ〜」とのことで。もうこうなるとコンビニのおにぎりでもありがたいのです。みんなの楽しげな風呂エピソードを聞きながら私はひとりハイボールを飲み、コンビニのおにぎりを食しました。ハイボールとおにぎりは私を裏切らないのです。「橿原神宮ロンリーハイボール」として私の中でこの日のハイボールとおにぎりの味が記憶されました。
あやはそこから朝まで寝続けましたが、アースシェイカーと力士に会うという地を揺るがすか如き暗示はこの謎の体調不良のことなのでしょうか。あやは復活出来るのでしょうか。ライブで疲れていたみんなもハイボールでほろ酔いの私もその後あるがままに眠りにつきました。そう、ツアーはまだまだ続くのです。

 

f:id:fishingwithjohn:20191119142146j:image


f:id:fishingwithjohn:20191119142150j:image

f:id:fishingwithjohn:20191119142153j:image
f:id:fishingwithjohn:20191119142143j:image

f:id:fishingwithjohn:20191119150710j:image
f:id:fishingwithjohn:20191119150720j:image
f:id:fishingwithjohn:20191119150716j:image

ココ坊フライング

気が付けば10月になってしまいました。毎日慌ただしく暮らしていると時の経過が本当にあっという間なのです。ココ坊が我が家にやって来たのは6月なので、早くも4ヶ月が経ってしまったということです。その間も色々やらかしているイタズラ坊主のココ坊ですが、ココ坊フライング事件は特に大きな出来事として記憶されることでしょう。
事の発端はある朝、私がゴミ捨てに行こうと玄関を出ると、どこからかミャーミャーと猫の鳴き声が聞こえたのです。あれ近くに猫がいるぞと家の周辺をきょろきょろ探すとまさに我が家の横の植え込みにいたのです、ちょこんとお座りした猫が。それがやけにココ坊に似ているのです。いやよくよく見るとココ坊本人なのです。「あれ、この猫何だかココ坊そっくりだな〜。いや、ココ坊っ?本人っ?何で外に出てるのっ?」と私は驚き、取りあえず身柄を確保しなければと「ココ坊〜、おいで〜」と呼んでみるも坊はきょとんとして動かないのです。以前ミル坊が脱出した時は追いかけようとするとかえって逃げたなと思い出し、ここは全世界の猫が大好きでお馴染みのおやつ、ちゅーるで誘い出すしかないと「あやくん!ちゅーるを持って来てくれ!ココ坊が脱出した!」と家の中にいたあやを呼ぶとその尋常ならざる私の声色に驚いたのか「何っ?脱出だとっ?」と手にちゅーるを持ってダッシュで外に出て来て。さっきまで家の中にいたはずなのにどうしたことかとあやも動揺しておりましたが、まずは捕まえるのが先決です。いざあやが植え込みにいたココ坊にちゅーるを差し出すと最初は警戒して後ずさりしていたものの、その美味しそうな匂いに抗えぬのか「あれ、ひょっとしておやつ?好きなやつやん!」と能天気にこちらにトコトコと歩いて来て。「それ、今だっ!」と近寄ったところを私は渾身の力でココ坊の身体をむんずと捕まえ、「もうお前を離さないぞ!永遠に!フォーエバー!」とラブソングの一節のような言葉を発しながら何とか家の中に連れ戻すことに成功したのでした。いやー危ないところでした。あのままどこかに逃げて行って車に轢かれるなどしたら大変です。
それにしてもどこから外に出たのかです。ゴミ捨ての時に玄関開けた瞬間に足元を飛び出したのならわかりそうなものですが。すると2階を調べに行ったあやから「大変だ!網戸が全開だ!」との声が聞こえ。どうやら見たところ爪で網戸を自分でこじ開け、窓際で遊んでいるうちに2階から落下したようなのです。2階といっても結構な高さです。スイカを落としたら余裕で割れる高さです。ジャッキー・チェンなら軽く飛び降りれるのでしょうが、非ジャッキーである私ならどこかしら怪我をしてしまうことでしょう。こんな距離を落下して大丈夫なのかとココ坊を見ると足をひきずるでもなく辛そうでもなく普通に歩いているのです。顔を見たらあごに擦り傷はありましたが、それ以外は特に異常は見当たらないのです。お前はジャッキーレベルなのか、プロジェクトAの時計台落下シーンを人知れず再現したのか、これからお前をジャッキー・ニャンと呼んでやろうか!と感心したものの、外傷はなくても内臓に何かしらの異常があるかもしれません。一応病院に連れて行こうと思ったのですが、あいにくその日は休診日で。今日一日様子を見て明日連れて行こうと相成ったのですが、いつもは元気いっぱいのココ坊がその日は寝てばっかりだし、心なしかグッタリしているのです。ショックを受けているのか、もしくは落下により何かしらの異常をきたしているのでしょうか。終始気が気でなかったのですが、次の日の朝には何事もなかったかのように家中を走り回っており。昨日のことは忘れました!とばかりに元気いっぱいなのです。これはもう大丈夫かもなと思ったのですが、一応病院に連れて行って全身チェックしてもらったところ、「あ、元気ですね。異常ありません。」とのことで。ほっとひと安心した我々です。
病院の待合室では他のお客さんたちと「おたくの猫ちゃんいくつ?可愛いわね〜」「うちは3ヶ月なんだけど耳の調子が悪くて〜」「うちの子は元盲導犬だったんですよ」「わーお利口さんですね〜」などと犬猫交えた飼い主同士の交流が成され。お互いの犬猫を撫でながらこんなピースフルな空間があるのだなと感心してしまった次第です。世界の戦争を止められるのは最早可愛い猫や犬しかいないのではないでしょうか。
そんなわけでジャッキー・ニャンことココ坊を連れて帰ると、ミル坊が早速近寄って来てココ坊の全身をペロペロ舐めておりました。心配していたのでしょうか。その後1階にしか付けていなかったストッパーを2階にも付けたのは言うまでもありません。どこから脱走するかジャッキーの動きは読めないのです。 
ココ坊は2階からの飛翔の瞬間、こちらもリアルに飛んだ窪塚洋介の如く「アイキャンフライ〜!」と叫んだのでしょうか。おそらくその落下のスピードは初体験だったことでしょう。「春が2階から落ちて来た」は伊坂幸太郎の小説「重力ピエロ」の冒頭の文章ですが、ココ坊が2階から落ちて来た忘れられない夏になりました。ヒーキャンフライ。

f:id:fishingwithjohn:20191008164512j:image
f:id:fishingwithjohn:20191008164504j:image
f:id:fishingwithjohn:20191008164506j:image

猫たちが繋ぐ縁 猫町フェス2019

先日山田氏から「五十嵐くんも猫町フェスにカマクラ張子で参加しちゃいなよ」と誘われたので、急きょ猫町フェス限定の猫だるまを記念グッズとして用意し臨んだのですが、いやーもうとにかく最初から最後まで楽しいフェスでしたね。当日会場のスターパインズカフェに着いたらすでに物販コーナーには山田氏のTシャツやらバッジやら、近藤さんのCDやらモイウニグッズやらむぎ(猫)さんのノートやらグッズが賑やかに展開されており。そしてバンドのリハーサルの方も進められており、すでにお祭り感満載なのです。そこに私も「祭りだぜ!」とばかりに早速招き猫などを陳列させてもらいまして。リハの合間にはこの日のために用意した猫だるまを主役3人(2人と1匹)に差し上げたのですが、山田氏と近藤さんは水色を、むぎさんは黄色をそれぞれチョイスしておりました。(同じカラーを買われた方、お揃いですよ。)
その後同じく物販で参加の雨と太陽のおふたりと草テンの岩崎さんも来て、さらに展示は賑やかになり。ふと横を見るとカズトくんらスタッフさんがみんなでたくさん風船を膨らませているのです。何事かと問うと客席に投げ込む用だと言うので、私も手伝うことにしまして。風船を膨らませるだなんて何年振りのことであろうとふうふう息を吹き込み、頭クラクラになりながら作っていると横で岩崎さんが「私肺活量あるんだよね〜」と余裕を見せており。風船膨らませにおいてもこの人はポジティブであるのかと感心しつつ、一同でたくさん風船を作りました。このみんなで作り上げる感じ、文化祭みたいだなと思いつつ。
この日のシークレットゲストである女優の峯村リエさんには、以前ミルブックス藤原さん経由で彼女の愛猫日差ちゃんの招き猫をお作りしたことがあり、リハ後にご挨拶をさせていただきました。草テンのアルバムにコメントを書いていただいたはしもとみおさんにも初めてご挨拶出来ました。猫の縁が色々繋がるなあと思いつつ。
その後開場するとたくさんのお客さんがどっと入場し。何しろ超満員なのです。みんなむぎさんや山田氏や猫町フェスのTシャツを着ていて盛り上がっているのです。お祭りなのです。開演前だというのに早速猫だるまや招き猫などたくさんの方にお買い上げいただきました。どうもありがとうございました。みなさんの期待に満ちた表情が印象的でした。
その後客電が落ち、いよいよ本番を迎えまして。「イベントの連絡網を作った段階からもう終わるのがさみしい」という、日曜の夜のサザエさん現象が金曜に前倒しになったかのような山田氏の開会の挨拶にいきなりテンションの上がる会場。まさにお祭りです。そしてトップバッターはむぎ(猫)さんのソロパートです。実は私、生でステージを見るのは初めてだったのですが、動くむぎちゃんのあまりの可愛らしさに「撫でたい!」「抱きつきたい!」「スリスリしたい!」と悶絶しながら見ておりました。近藤さんがあれだけ乙女の如くデレデレするのもさもありなんです。歌もマリンバの演奏も素晴らしいパフォーマンスですっかり魅了されてしまいました。1曲目の「黒い鳥」で鳥の羽根が片方取れちゃうハプニングもありましたが(ああいうハプニングが起きるとワクワクしちゃうと後にご本人が言っておりました)、ボサな駄洒落の新曲も良かったし、大盛り上がりでした。
その後は近藤さんのソロパートで。流麗なギターインストで客席を魅了してからの、新曲「モイカウニカ」ではまさかのオケを流しながらのハンドマイク歌唱というスタイルで。ドラムイトケンさんのアドバイスでそうなったらしいですが、ケーブルが引っかからないよう巻く仕草といい、慣れなさと猫愛に満ちた歌声が何だか可愛かったですね。終わった後の演歌歌手の如き一礼と口パクのありがとうといい。この曲、カーコさんの意見により長めの歌詞が付いたそうで、近藤家の家族愛も感じました。「モイウニマスキングテープ」では歌詞の後半をアドリブでリズム隊イトケンを讃える内容に変え、わざわざリハでコーラスの練習をしていたベースイトケンさんが歌えないという状態になり。「そこの歌詞はほら、イトケンズ〜だよ」と近藤さんしか知り得ぬ歌詞を無茶振りする近藤さんのお茶目な一面が炸裂しておりました。
そして続いては山田氏ソロパートです。近藤さんの熱いギターソロが炸裂した「太陽と満月」から始まり、近藤さんとの共作「猫のふりをして」では「猫っぽいと言われるのは褒め言葉」という猫好きあるあるも披露され。(近藤さん作曲だけど山田氏っぽいグッドメロだな〜と思いました。)「lucky star」でひとしきり盛り上がった後にいよいよこの日のシークレットゲスト峯村リエさんの登場です。思いもよらぬ大物ゲストに沸き立つ会場。お祭りなのです。「きみは三毛の子」を愛猫日差の特徴を盛り込みながら替え歌で披露する峯村さんの力強い歌声にやはり舞台女優さんは発声が違う!と感心させられてしまいました。猫愛がひしひしと伝わって来て素晴らしかったです。
そして休憩を挟んでの第2部は猫町セッションです。主役3人(2人と1匹)にイトケンズ、さらにコーラスで猫の着ぐるみ姿のイノトモさんも登場し。賑やかにまさにお祭りといった感じのステージが繰り広げられました。(着ぐるみで譜面がめくれないイノトモさんの様が可愛かったです。)むぎちゃん、イノトモさんたちが歌う「猫町オーケストラ」はまさに猫たち自身による猫賛歌といった感じで、このイベントにぴったりだなあと聴き入ってしまいました。
そしてバンドは「るすばん天国」を演奏し始めまして。いよいよ風船を客席に投げ込む時が来たのです。どのタイミングなのか、向こう側のカズトくんの様子を伺っていたらふわりと風船が投げ込まれたので、「今かっ!」とこちらも風船を客席に投げ込み。突然の演出に沸き立つ客席。そう、お祭りなのです。私や岩崎さんらが1個ずつ落としていく中、峯村さんがおもむろに袋ごと「えいや!」と10個ほど一気に投げ込み、どどどど!と風船が落下して行きました。その豪快なスイングに舞台女優さんは身体が違う!と感心させられてしまいました。たくさんの風船が客席とステージを駆け巡る様は圧巻でしたね。
その後も楽しいステージは続き、まさに日曜のサザエさん気分の如き切なげな「日曜のセレナーデ」に続き名曲「天国かもしれない」、そして「AとBと」「AはBでCになる」「CとDと」というアルファベット曲が続き。山田氏とむぎちゃんとでアルファベット取り合い戦争が勃発しておりました。どちらが先にEあるいはFの曲を作るのか今後注目ですね。
この日ははしもとみおさんが作られた生前のむぎちゃんの等身大の彫刻がステージに飾られていたのですが、亡くなった猫たちへの思いを抱きながら主役3人(この瞬間は本当に3人)が歌う「日向の猫」を聴きながら、ちょうど猫を亡くしたばかりのお客さんと開演前に話したことなども思い出し、こうして猫が繋いでくれた縁でこんな楽しいフェスが開催されたのだなあ、本当に猫たちありがとう〜という感謝の気持ちでちょっと泣きそうになってしまいました。お客さんたちのコーラスも素晴らしかったです。「toi toi toi」の後半では沖縄のカチャーシーぽい演出もお祭りぽくて良かったですね。何しろ最後まで笑顔に溢れたフェスでした。
カマクラ張子は10月の京都公演には参加出来ないのですが、10月25日に行われる吉祥寺ねこ祭り2019のスペシャルライブ「饗宴ー猫もよろこぶ音楽祭」には参加させていただく予定です。ぜひそちらもよろしくお願いします。
何しろ猫の縁に助けられている日々です。日向の猫が安らかに過ごせる日々が続くことを願ってやまぬ私です。f:id:fishingwithjohn:20190927222455j:image
f:id:fishingwithjohn:20190927222429j:image
f:id:fishingwithjohn:20190927222425j:image
f:id:fishingwithjohn:20190927222434j:image
f:id:fishingwithjohn:20190927222451j:image

 

躍動のピアノとギター、そして手拍子

もう先々週の話ですが、molnにてキンモクセイの伊藤俊吾さんの弾き語りライブが行われたのです。満員御礼で大盛り上がりでございました。たくさんのご来場をどうもありがとうございました。そもそも伊藤さんとは2年前に大阪でのゴメス山田氏のイベントでご一緒し(私は招き猫を売り、伊藤さんはサトミツ&ザ・トイレッツでライブをしたのでした)、その時が初対面だったのですが、物腰柔らかで話しやすい人だなあと好印象で、その後すぐmolnの企画「貸切り図書館」にお誘いし、出演してもらったのでした。大阪では打ち上げの後、誰かの部屋(多分伊藤さんの部屋)で2次会みたいな感じでみんなでわいわいと飲み、私はかなり酔っ払ってしまい、その後私と同室だった高橋徹也さんがコーヒーを買いに出た後に鍵を閉めてぐーすか寝てしまい、「おーい、開けて〜、五十嵐さーん」とドアをどんどんと叩くという「五十嵐タカテツさん追い出し事件」があったのですが、その直前の話です。そこで私は伊藤さんと飲みながら話したのですが、いかんせん酔っ払っていたのであまり内容を覚えておらず、「昨日の部屋飲みの記憶がないんですよねー」と山田氏に言ったら「五十嵐くん、イトシュンの話にめっちゃ相槌打って話してたよ」とのことで、熱く語ったことだけは確からしいのです。その後伊藤さんに出演してもらったmolnでの貸切り図書館は当日私がインフルエンザに罹ってしまいライブを見られず、いつかまたリベンジで出てもらいたいなと思って今回お誘いしたのです。
その大阪からのブランクの間に伊藤さんは離婚され、茨城で犬2匹と暮らしているとの情報を得て、人の環境は変わるものだなと思ったら、ライブ前に彼の愛犬の1匹が病気で亡くなったことを知り、そんな時にライブに呼んでしまい申し訳なく思ったのですが、当日伊藤さんは笑顔で会場に来てくれて。
今回は「伊藤俊吾のひとりにしないで『真夏の弾き語り2019』鎌倉編」と題したライブでしたが、「イトシュンをひとりにしないよ!」という熱心なファンの方がたくさん集まってくれまして。ライブはキンモクセイの曲から始まり、いきなりの盛り上がりで。伊藤さんが「みなさん手拍子を!」と呼びかけるとお客さんは即座に呼応してくれるのですが、リズムが変わるところやキメなどもばっちり合わせて来るのです。さすがの曲の熟知っぷりなのです。その後も彼の2枚のソロアルバムからの曲をたっぷり演奏してくれたのですが、巧みなピアノとギターと美声で放たれるグッドメロディには胸掴まれましたね。彼の新生活をポジティブに綴った歌詞にもグッと来てしまいました。PCからリズムを鳴らして同期する場面では「自分で叩いたドラムだから息ぴったり」と笑いを誘い。途中のリクエストコーナーではお客さんからの突然のリクエストに彼がその場で応えて歌うのですが、あいみょん、TMレボリューション、TMネットワークなど無茶振りが炸裂し。(何でTMを被せてくんねんと心の中でツッコミを入れてしまいましたが・笑)彼がえらいのは全部一応トライするのですよね。「サビしかしらないからAメロお客さん歌って」など、時には会場を巻き込んで全曲歌い上げたので、凄いハートだなと感心してしまいました。お客さんもお客さんで凄い試練を彼に与えるなと。
終盤、彼が愛犬を看取った時の話をしてくれたのですが、私も家に愛猫がいるのでとても気持ちがわかり、もし自分だったらと重ねて聴き入ってしまいました。本当は辛いだろうにこちらに心配させないように明るいトーンで話してくれる伊藤さんを見て、彼にこれほどまでに愛されたワンちゃんは幸せだったろうなとしみじみしてしまいました。せめて亡くなる時に一緒にいられて良かったなあと。大きな別れなどを経験すると歌詞の意味合いも変わって来るとのことでしたが、彼の力強い歌声を聴いて「ああ、私も明日から頑張ろう」と何だか元気が出るような明るい気持ちになりました。お客さんも同じ気分だったのではないでしょうか。
そんなわけで2時間あっという間の本当に楽しいライブでした。moln全体がピースフルな空間になっておりました。今年本格的に再始動するキンモクセイは何と1000人規模のホールがほぼ埋まったとのことで、その人気っぷりを改めて見せつけましたが、伊藤さん曰く「イトシュンソロも良いんだよ!」とのことで。キンモクセイと同じくソロのライブにも来て欲しいと熱く語っていたので、ここにお知らせしたく思う次第です。イトシュンソロもよろしくと。
終演後も伊藤さんはサインや撮影などでお客さんに囲まれ、大人気でした。今は茨城に住んでいるけど鎌倉とか横須賀とかも良いなあという話をしていたので、ぜひ鎌倉に引っ越して来て欲しいなあと思った私です。その際は愛犬の散歩に同行したいものです。
molnのライブ、次回は9月16日の貸切り図書館、友部正人さんをゲストに迎えて行います。そちらもぜひよろしくお願いしますということで。f:id:fishingwithjohn:20190821100837j:image

わたしたちのフィーカ

私の参加しているバンド草とten shoesですが、秋にツアーに出るのです。元チャットモンチーのドラマーにして作詞家、作家である高橋久美子さんと一緒に奈良、兵庫、愛媛でライブを行う予定です。昨年の台湾以来のツアーです。怒涛だった台湾ツアーを乗り切ったのだから、今回もきっと乗り切れることでしょう。

先日久々にリハを行ったのですが、リーダーの岩崎さんは巣巣の営業を一旦お休みして、今は世田谷の自宅とお母さんの住むバリ、次の巣巣の準備のために借りた真鶴、旦那さんの転勤先の富山と住む家が4軒ある状態で、気が付けばバリにいたり富山にいたりと遊牧民のような生活をしており、その合間に鎌倉に来てリハーサルをするという謎の暮らし振りなのです。前回軽々と台湾ツアーを決めた岩崎さんは今回のツアースケジュールも軽々と決め、売れっ子で忙しい高橋久美子さんのNHKのレギュラー番組をお休みさせてまで日程を押さえたので、流石岩崎さんだなと感心せざるを得なかったのですが、クミコンのNHKのレギュラー大丈夫なのかなとちょっと心配している私もいます。「草テンから高橋久美子さんを守る党」みたいなクレイジーな集団が現れて抗議されないことを祈るばかりです。
この日は私が草テン用に作った新曲「わたしのフィーカ」の練習に取り組んだのですが、すでにライブでも披露しているこの曲、より伝わるようにとアレンジを詰めました。この曲はある日「翻訳できない世界のことば」という本をペラペラめくっていたら「フィーカ」という言葉に出会い、それを題材にして書いた曲です。フィーカとはスウェーデン語で「コーヒーやお茶を飲んだりする休憩の時間」という意味で、巣巣の営業を一旦お休みして人生の休憩の時間を過ごしている岩崎さんにもぴったりだし、私自身も休憩の大切さをここ最近実感しているので、歌詞も曲もすらすらと書けました。相変わらず岩崎さんは演奏を間違えまくっていますが、毎回本番では何とかなるので今回も何とかなるのではないでしょうか。ピアノのアユミさんとも「ポロンという音が欲しいですね」「こう?」「いや、もう1小節あとが良いですね」などと細かく打ち合わせをし。(その間あやと岩崎さんはぺちゃくちゃとお喋りをしているのですが。)あやもボイトレの効果を遺憾なく発揮し、「じゃあAメロを繰り返し10回!」などとスパルタ方式で練習に励んでいます。歌について駄目出しすると「シャー!」とミル坊が掃除機に威嚇するように私に噛み付いて来るのが難なのですが。
あともう1曲、私が歌詞を書いてメロディを近藤研二さんに書いてもらった「モイ」という新曲もあるのです。モイとはフィンランド語でこんにちはの意味ですが、ご存知近藤家の愛猫の名前でもあります。私が全世界の猫のために全力で愛を込めて書いた猫讃歌です。私の猫愛が伝わったのか、近藤さんもすらすらと曲が書けたそうで、とても美しいメロディを付けてくれました。近藤さんご本人の歌唱によるデモを聞いた時は本当に感動して涙が頬を伝いました。近藤さんの語るような歌唱がまた良いのです。(近藤さんのソロアルバムにもぜひ収録して欲しいものです。)猫に「モーイ」と呼びかける歌なので、ぜひみんなに覚えて一緒に歌って欲しいと思っております。この曲、近藤さんの使うコードが凝っていて、「え、このコード何て読むの?ハーフディミニッシュ?」と久々にコードブックを参照したのですが、他にも「え、ここだけ拍子が変わるの?」「え、ここで転調するの?」と難しいポイントがいくつもあるのです。「みんな乗り越えて来いよ!」という近藤さんから与えられた試練だと思い、メンバー一同練習せねばと思った次第です。この曲、ツアーで初披露する予定です。ぜひ聞いていただきたく。
リハ後にはせっかく夏の鎌倉に来たのだからと岩崎さんと海の家へ行ったのですが、向かう車の中で草テンのCDを流しながら「これ本当に良い曲だよね〜」と岩崎さんとあやが合唱し出し。その2人の歌声を聞きながら、自分が作った歌を他の人が口ずさんでくれるというのは嬉しいものだなとしみじみ思った次第です。まあメンバーなので他人て感じでもないのですが。夏の海岸沿いに私の書いたメロディと言葉が流れて行きました。空は抜けるように青く。
海の家で岩崎さんはかき氷を食べ、私とあやはビールを飲んだのですが、海辺には海水浴に興じる若者や親子連れで賑わっており。こんなベタな夏の海辺の光景は久々に見たような気がすると思いながらみんなで潮風を浴びました。夏の空気の中で練習した曲を秋に演奏するのだなと不思議な気持ちになったのですが、10月なんてあっという間にやって来るのです。かき氷は早々と溶け、ビールはすぐにぬるく苦くなり。あと何回夏を体験出来るのだろうかと思いながら「モーイ」とさっきまで練習していた歌を口ずさんだ私です。世界の猫たちに伝われと願いながら。
高橋久美子×草とten shoes
Autumn Tour 2019
10/19 Sat奈良・橿原神宮 sunday treat

10/20 Sun兵庫・加古 CHATSWORTH

10/22 Tue祝 愛媛・大洲Roy’s (Sa-Rah presents)

kusa-ten.com/live/

f:id:fishingwithjohn:20190820100520j:image
f:id:fishingwithjohn:20190820100525j:image
f:id:fishingwithjohn:20190820100532j:image
f:id:fishingwithjohn:20190820100529j:image