低音仙人、象さんを積む

緊急事態宣言が延長され、それに伴いマンボウだかヤンボウだかの指定区域が拡張されたせいで「隣町ではお店で酒が飲める」現象が消滅しました。飲ん兵衛としてはやるせないのです。あの街この街どこでも禁酒状態です。「吉田類の酒場放浪記」や「町中華で飲ろうぜ」などの酒飲み番組を好んで鑑賞しているのですが、この期間、番組のロケはどうなっているのだろうと心配しています。あらゆる娯楽が自粛を強いられているのに五輪だけは強行されようとしているおかしな世の中です。酒でも飲まないとやってられないのです。

この頃はよく新調したばかりのベースを弾いているのですが、ギターと違ってベース1本だけだと独奏として物足りなく、しかもアンプを通さないと鳴らないという構造だし、リズムやメロディを鳴らす楽器と寄り添わないと活きないというこの感じ、つくづくバンドをやりたくなる楽器ですね。ベースを買ってバンドを組まないで家でひとりで弾いています、宅録もしません、音源に合わせての演奏もしません、単独で低音をぶんぶん鳴らしているだけで楽しいです、という低音仙人みたいな人っているのでしょうか。ストイックに低音だけを単独で鳴らし続ける孤高の仙人。たまに何かのフレーズをひとりで繰り返し練習している時に「あ、今自分、低音仙人になってる?」と思う時はありますけどね。低音仙人と聞いてイメージするのはMUTE BEATのベーシストだった松永さんでしょうか。(完全に見た目で)
ベース弾き語りという物珍しいスタイルで有名な芸人のはなわさんですが、ロケなどではアンプ内蔵のZO-3というベースをよく使っていましたね。エレキ楽器はアンプがないと鳴らないという弱点がありますが、その点ZO-3は画期的な存在だったのではないでしょうか。アンプを持ち歩かないでも演奏出来るという。名前の由来は形が象さんに似ているからだそうですが、海外では「NOMAD」という名称なのだそうです。元々遊牧民を意味するノマドですが、最近は決まった職場を持たないで移動先で仕事をするスタイルの人のことを称したりしますね。ネット環境さえあればどこでも仕事ができるという。アンプさえあればどこでも演奏出来る、遊牧民のように移動しながら演奏出来るという点ではノマドという名前の方がぴったりな気もしますが、ZO-3という親しみ易い名前だったからこそ、ここまでヒットしたのでしょう。丸みを帯びた可愛らしい造形は「ELEPHANT」という感じでもないし、まさに「象さん」という感じ。(しかし猫さんとか犬さんとか言わないのに、なぜ象にだけはさん付けなのでしょう)
コロナ禍でリモートワークが推奨され、ますますノマド化が進んでいる昨今ですが、逆にこの現象を「象さん」と呼んでみるのはどうでしょうか。「俺今、象さんだからさ。会社行かないでカフェで仕事してるわ」みたいな。スタバでパソコン開いている人がみな象さんだったら今より少しは平和になるような気もします。街のあちこちに象さん。勿論私も象さんです。
英語で「see the elephant」って「世を知る、経験を積む」という意味なのだそうです。昔の人はほとんど本物の象を見たことがなく、象を見たことがある人は経験豊富だということらしいです。象さんはそんな意味にも使われているのですね。
そんなこんなで象さんしつつ、ベースを弾きつつ5月を過ごしています。お店で酒が飲めるようになるのはいつのことでしょうか。果たして。f:id:fishingwithjohn:20210518082352j:image
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ベースを鳴らすエンジェル

いつの間にか5月になってしまいました。早いのです。

緊急事態宣言とやらが出て何よりも困惑したのが、お店で酒が飲めないということでしょうか。お店でちょいと1杯が何よりの癒しである私にとって禁酒は己の翼を折られたようなものです。飛び立てぬのです。自由に大空を。禁酒や消灯や時短や減便でコロナが収まるくらいなら苦労しませんぜという話です。検査の徹底や医療の整備、ワクチンの確保など他にやるべきことたくさんあろうに、やれ五輪だ改憲だとどうでも良いことばかり進めて国民には我慢しろ、酒を飲むななんて道理が通ろうかという話です。翼を折られたエンジェルこと五十嵐はぷんすかと怒りながら「隣町なら飲んでも良いんでしょ!」と隣町まで出かけて飲んだりしています。ここは駄目だけど何キロ先は飲んでも大丈夫みたいな不思議な区分け、何なんだろうという感じです。そもそもノンアルでも食事しながらぺちゃくちゃ喋っていたら意味がありません。意味のないことを命じられることが一番嫌いでお馴染みの私はぷんすかが止まりません。怪物くんの大噴火みたいな状態で日々過ごしています。もう五輪は諦めてその分の労力と予算をコロナ対策に全力で当てて欲しいものです。てかワクチンも満足に確保出来ないってその仕事の出来なさ何なの、うちの猫どもの方がよっぽど役に立つんですけど〜という感じです。猫以下の生き物が首相だなんて。それ言ったら猫に失礼ですけどね。
ところでこの間、ベースギターを新調したのです。長年使用していたベースも調子悪くなって来たし、どうせ今後もライブやレコーディングで使うし、何よりもコロナと現政権の無能さに鬱憤が溜まっていたのもあり、「うりゃあ〜!!」と気合いを入れるために購入に至りました。楽器屋に試奏に行こうかとも思ったのですが、電車に乗って出かけるのも憚れるし、何よりも欲しいものがその店になさそうだったので、えいやとネットで買ってしまいました。新しい楽器を買うのは何年振りでしょうか。やはりテンションが上がるものですね。いざ届いて段ボールを開ける時にも「ふふふ〜ん」と鼻歌が出たほどです。コロナ禍で失われたもの。それは鼻歌です。それが蘇ったのです。それだけでも買った甲斐があったというものです。いざ段ボールから取り出してぴっかぴかのベースを手にしてすっかりご機嫌です。私は車に乗らないのですが、新車を買ったらこんな気持ちになるのでしょうか。磨きたくなるような撫でたくなるような。久々に良い物を買ったという感じです。いざベースを置いておいたらココ坊がにゃんだにゃんだと見に来て匂いを嗅いでおりました。おいココ坊、それはベースっていうんだ、低音が鳴るんだぜと教えて上げたらきょとんとしてましたけどね。
ベースの入っていた段ボールをゴミ捨て場に出しに行った時、「この人フェンダーのベースを買ったんだな」と近所の人から悟られそうだなあと思ったのですが、よくよく考えたら一般の人はフェンダーの名前もベースという楽器のこともあまり知らないでしょう。たまに「近所の人、新しく掃除機買ったんだなあ」と丸わかりの段ボールゴミがあったりしますけどね。昔サザエさんのエピソードで、磯野家の外に冷蔵庫の段ボールを置いておいて「あれ、サザエさん家、冷蔵庫買ったの?」と近所で話題になるも、実はサザエさんがお金持ちの知り合いから段ボールだけ貰って来て見栄を張って外に置いておいただけ、というお話がありました。それだけ冷蔵庫が高級品だったという当時の背景があるにせよ「つまらないエピソードだな」と思った覚えがあるのですが、今でもそれを何故か覚えていて、段ボールを見る度に思い出すのです。中身のない空っぽの高級品。現政権、政治家どものやってる感だけ演出してその実何もやっていない空っぽな感じ、その振る舞いに似ているなと思わざるを得ません。「オリンピック大成功」「コロナ禍に打ち勝った証」という立派な段ボールを家の外に置いているけど中身はないのです。サザエさんはそんなちっぽけな見栄を張って生きていて虚しくならないのかなと思ったものですが、政治家は段ボールをどしどし置いてイメージだけで乗り切ろうとしています。中身のない段ボールには「中身が入っていないよ!」と言わなくてはいけないのです。
緊急事態宣言延長でまたお店で酒が飲めない生活が続きそうです。ベースで低音を鳴らしながら途方に暮れている私です。翼をください。この私に翼を。

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無人島と図書館と

みなさんは猿島という島をご存知でしょうか。横須賀からフェリーで10分という立地に存在する無人島です。海の上にポツンと浮かぶ島。そこに遊びに行けるらしいとの情報を得て、この間訪ねてみたのです。

我々は無人島と聞いて即座にサバイバルな雰囲気をイメージし、「遭難したら大変だから食料を持って行こう!」「防寒着も装備して行こう!」と構えながらフェリー乗り場のある三笠公園に向かったのですが、乗り場は綺麗に装備され、観光でっせ!とばかりに猿島グッズやビールなんかも販売されており、サバイバルとはほど遠い雰囲気なのです。「それでも海の向こうは野生の世界だ、気を抜くな!」とフェリーに乗り込み。コロナ禍とはいえそこそこお客さんも乗っており、みなさん軽装で小さなお子さんもいたりして、サバイバル気分なのは我々だけでした。
いざ出発すると海上で風を感じてとても気持ちよいのです。「う〜みよ〜」と加山雄三の気分で鼻歌も出る程なのです。あやは「わ〜!」とスマホで撮影しようとポケットに手を入れた直後、フェリーの半券が飛び出て。そのまま強い波風に揺られ吹き飛ばされてしまったのです。「わ〜!」と同じ単語を今度は悲鳴に近いニュアンスで発しながら追いかけるもむなしく遠くへ旅立つ半券。スタッフさんに「帰りは半券なくて大丈夫ですか?」と聞くと「帰りはなくても大丈夫です」と言われほっとするあや。そりゃそうですね、無人島に行くのにこのフェリーしか手段がないですからね。あやの半券は横須賀の海を漂い、やがて波間に消えて行ったことでしょう。サバイバルしょっぱなから失敗です。
やがてフェリーは猿島に到着し。島の入口にはしっかり小綺麗なカフェ施設もあり、BBQも出来るようになっており。無人島とはいえ安全に整備された自然公園といった様相でしたね。早速散策に出る我々。自然豊かでとても気持ち良いですし、江戸時代から太平洋戦争終戦まで軍の要塞として使われていた遺跡がそのまま残されており、まさにラピュタの世界に潜り込んだような気分です。レンガ造りのトンネルは千と千尋の神隠しの世界観。ジブリ好きにはたまらない雰囲気なのです。どことなく異国情緒もあり、散歩するだけで楽しめるのです。
そんな雰囲気だからなのか、そこかしこでコスプレイヤーが撮影を行っており。我々が知らないだけでロケ地として有名なのでしょうか。ゴスな衣装に身を包んだ女の子たちが撮影をする現場に何度か居合わせました。確かにインスタ映えなロケーションです。つい我々もサバイバルとして着て来た防寒着を脱ぎ、トンネル内でアー写っぽい写真を撮影するなどして楽しんでしまいました。横須賀から10分で来られる立地にこんな島があるとは。コスプレイヤーの方やカップル、家族連れにもおすすめな場所です。ぜひ訪ねてみてはいかがでしょうか。
そして島を歩き回った我々はまたフェリーに乗り込み。海上の風を浴びながら横須賀に戻りました。(あやの失くした半券は見当たりませんでした。)あやはmolnを始める前は横須賀中央図書館で司書として働いており。折角だからと元職場を訪ねてみることにしまして。ちょっとレトロな雰囲気の商店街を歩き「昔はここでお弁当買ったなあ」とか「この道通って職場まで通ったなあ」とあやの聖地巡礼のような趣で図書館まで歩きました。いざ図書館に着くもその日は休館日で開いてなかったのですが、「うわ〜この入口から入館したんだよなー懐かしい〜」と当時を思い出すあや。
実は私も一度だけあやが働いている様子を見にこの図書館に来たことがあるのです。私は何食わぬ顔で図書館に入り、館内で働いているあやを見付け、「すみません音楽関係の本ってどこですか?」と聞き「こちらです!」と案内されるという謎のプレイを展開し。まだmolnを開店する前ですから11年前のお話です。司書としてきびきび働くあやの姿にすでにmoln店主の片鱗が見えていたような気がします。その後molnで「貸切り図書館」というイベントを始めることになるとは思いも寄らなかった頃です。図書館の前に公園があり、そこであやが仕事から上がるのを待っていたら当時のあやの同僚や先輩の方が「うちのあやの彼氏ってのはどんなやつなんだい〜」と見に来るという出来事があり。私は「た、試されてる!」と震えつつもみなさんにご挨拶をしたのですが、その後その図書館時代の仲間の方々はすっかりmolnの常連さんになっています。私は一応彼氏として合格したのでしょうか。図書館と公園の思い出です。
その公園であやは毎日お昼にお弁当を食べていたそうで、当時のことを思い出して「わ〜何だか胸いっぱいだよ〜」と突然泣き出し。ここで働いていた日々を経てmoln店主になったわけです。公園には誰もおらず西日が翳り夕日が沈もうとしており。私はかつての職場を前に泣いているあやを見て同じく胸がいっぱいになったのでした。あれから11年。
半券がなくても戻れる思い出。横須賀にまたそんな思い出が出来ました。

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春のスカイツリー、リキとの遭遇

気が付けば4月になってしまいました。早いのです。

このところはご時世柄遠出もしづらく、東京に出向くこともそうそうないのですが、カマクラ張子のスカイツリーでの展示が4月頭にあり、一日だけ在店する機会がありました。久々のスカイツリー訪問ということで若干テンションも上がったのですが、いざ売り場に着いたらさらにテンションの上がる光景を目にしまして。何と売り場のすぐ横でCMの撮影を行っており、石田ゆり子さんと長州力さんが来るというのです。
私はついこの間までクドカン脚本の「俺の家の話」というドラマを毎週楽しみに視聴しており、そこに長州力さんもご本人役で出演していたのです。超タイムリーなのです。「え、あのドラマで見ていた長州さんが来るの?」とテンション爆上がりだったのですが、いざ撮影現場に近付こうとすると警備員の人が「すみません!撮影なので!」とすかさず止めに来るのです。普通にスカイツリー自体は営業中なので一般客もその近くを通るのですが、「あれ、何か撮影してる〜」と人が見ようとすると警備員が即座に「すみません!」とブロックするのです。そのブロック力たるやツイッター上の河野太郎もかくやといった様子なのです。「我、アリ一匹たりとも通さず!」という気迫を感じるのです。長州の「俺をキレさせたらたいしたもんだゾ!」と同等のテンションで「俺のブロックを抜けたらたいしたもんだゾ!」と警備員が眼光鋭く見張っているのです。私はその強靭なブロック力が全人類に備わっていればコロナウイルスの侵入も防いでくれるだろうにとその力量を買ったのですが、その警備員はCM撮影現場に来る野次馬しかブロックしないのです。惜しいのです。他のスタッフの方も近付こうと試みるもその警備員にブロックされてすごすご引き返して来る始末です。
その後その現場に本当に石田ゆり子さんと長州力さんも現れ。私は張子の実演の傍らチラチラとその様子を眺めたのですが、遠目に見えたのです。生の石田ゆり子さまと長州力さまのお姿が。「わ!石田ゆり子さん綺麗〜」「長州本物だ〜、形変わるゾ!」とテンション爆上がりしたのですが、ブロックのせいで近付けないので静かに気配を感じながら仕事をしておりました。今自分は石田ゆり子長州力と同じ空気を吸っているという事実。ここで何か天災が起きたら同じ運命を共有することになるのです。ゆり子と長州と。凄い運命ではありませんか。ゆり子と長州はプロとして撮影している。そして私もプロとして実演をしている。この空間の共有。スカイツリー2021春。ひとりナレーションを入れる私。
通りすがりの一般客が長州さんの姿を見て「あのほら、長州何とかって人だよ、誰だっけ」とか言うのを聞きながら「長州という上の句がわかっていたら下の句は藩か力しかないだろ」と心の中でツッコミを入れたのですが、私が知らないだけで長州エリザベスみたいな横文字のハーフタレントがいるのでしょうか。道端アンジェリカみたいな感じの。或いは長州力のそっくりさんである長州小力である可能性を示唆したのでしょうか。力あってこその小力なのに。長州小力がパラパラを踊る姿を思い出しながら。キレてないですよキレてないですよと脳内に聞こえるリフレイン。
そして夕方になってようやく撮影も終了したようで。「はい、クランクアップです。お疲れさまでした〜」みたいな掛け声と拍手が遠くに聞こえました。CMってオンエア数秒だけどこうして半日かけて撮影してるのだなあと、その苦労を横目に実感した次第です。何のCMかはわからなかったのですが、オンエアを見るのが楽しみです。
このコロナ禍に於いて石田ゆり子長州力と半日同じ空間で過ごすという思い出が出来ました。今後河野太郎を見かける度にあのブロック警備員を、そして長州力を思い出してしまいそうな自分がいます。一般客を閉め出すブロック力と長州力。同じ力でも私は長州の美しいプロレスの力の方を信じたいものです。
そんなわけでスカイツリーの催事も無事終了しました。ご来場いただいた方々、どうもありがとうございました。

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記憶と伝言ゲーム

3月も後半に差し掛かり、日に日に暖かくなって来ました。ウグイスも良い声で鳴き始め、春が来たのだなと実感させられます。モクレンミモザユキヤナギなどの花を愛でつつ、家の近所を散歩などしているとどこからか猫がやって来て、慌ててスマホを取り出し撮影などしているとレンズ越しに猫と目が合い、何かしらの交信が成された感じに嬉しくなりその写真を持ち帰るなんて感じの日々です。

一見平和な日常が戻った雰囲気ですが、しかし状況は何も変わっちゃいません。薄い毒に侵された水の中を漂っているかのような一定の息苦しさが通底しているのです。現政権は腐食し切って国民を助ける気もなく無能や狡猾さを隠そうともしなくなりました。明らかに中止、延期した方が良いオリンピックも強行しようとしているし(オリンピックにまつわる醜聞の聞くに絶えなさよ)、震災を経ても原発をやめられない一定の狂気の持続した国でウイルス対策など出来ようものかという話です。国会で「記憶にない」と連呼する大人を見て子供たちは何を思うのでしょうか、うっせえわと返すのでしょうか。いっそ全ての記憶がなくなれば幸せだろうよと思いながら過ごしています。

最近地震も多く、この状況で震災が起こればまた大変なことになるでしょう。この間夕方に大きく揺れた時はちょうどあやとmolnにいて、テーブルの上の商品が小さくカタカタと鳴り出した段階で「あ、地震だ!」と気付き、あやに「地震!」と言うもマスク越しでちょっと離れたところにいたので聞こえなかったのでしょうか。「え?」と聞き返すので「地震!」と言うもまた届かず。その後も「地震地震!」と連呼したのですが、あやの耳にはそれが「寿司!寿司!」に聞こえたらしく、「寿司、スーパーに残ってるかねえ」などと呑気に返す始末。「寿司じゃねえ!地震!アースクエイク!」と言った後に大きくガタガタ揺れあやが「わ、地震だ!」と驚き、「だからさっきから地震だって言うとるがなっ!」と返したのですが、地震は何度経験しても慣れませんね。その時、地震が寿司になる食いしん坊伝言ゲームが展開され、私も中学の英語の授業以来「アースクエイク」という単語を口にしました。みなさんもお気を付け下さい。
政治が酷過ぎるのでせめて美しいものに触れたいと思うのでしょうか。映画を見たり音楽を聴いたり本を読んだり、文化的なもので己を満たすようにしています。己が作る物も豊かで美しい嘘のないものにしたいと思っています。fishing with johnがサブスクで聴けるようになり、知り合いの方も「こういう音楽をされていたのですね」と知ってくれるようになり嬉しい限りです。なかなかライブも難しい状況ですが、いつかfwjの曲も生演奏出来たらと思っております。取りあえず曲のギターコード、フォームを思い出すという作業からぼちぼち始めています。(譜面もないし、名前のわからないポジションで弾いたギターが複数絡んでいるし、その押さえ方も覚えていないという。)当時の自分に聞ければ良いのですがそれこそ本当に記憶にないのです。記憶にないというのはさみしいことです。だからこそ記録は残しておかないといけないのですね。今や国が公文書を改竄、破棄する時代です。もう社会や文化の終焉ですよそれやったら。(再び政治への怒り。)
取りあえず日々働いて猫を撫でてレコード聴いて焼酎飲んでます。サブスクでぜひfwjの音楽を聞いて下さい。アルバムの解説なども今後アップして行こうと思っております。よろしくお願いしますということで。

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fishing with john、サブスクの海へ

そんなわけでfishing with johnの全アルバムのサブスク配信が始まりました。よくサブスク解禁などという言われ方をしますが、こちとら禁じていたわけでもないし、むしろサブスクにあげなきゃ!と推進して来たわけですが、何なのでしょうかねあの付随する文言は。俺らの貴重な商品を聴き放題の海に放流してやるよ、ほら聴きやがれ!というレコード会社の上から目線がそう言わせているのでしょうか。出し惜しみ感というか。こっちとしてはどんどん放流して欲しいんですけどね。

自分の作品がサブスクに上がって何より嬉しいのは市場に出回っていない過去音源を聴いてもらえるということですね。新譜が出たタイミングで旧譜も聴いて欲しいですしね。何より手軽に聴いてもらえるし。スマホがあればすぐ聴けるだなんて凄い時代です。いざサブスク開始されて自分が普段使っているApple Musicに自分のアルバムが並んでいるのを見た時は嬉しかったですね。タワーレコードHMVの棚に自分のCDが置かれているのを見た時と同じ感動です。(iTunes Storeに並んだ時も感動しましたが。)

Apple Musicでは下に同じタイプのアーティストが表示されるのですが、伊藤ゴローさんのユニットやtico moonさんの名前が並んでいてそれも嬉しかったです。思えば「林檎にタッチ」のCDの帯文は伊藤ゴローさんに書いていただいたのでした。「林檎にタッチ」がリリースされた時は新宿のタワレコでパネル展開もしてもらい、インストアライブとサイン会も行ったのですが、色々と当時のことが思い出されました。それこそiTunes Storeでの配信が始まった時は渋谷のApple Storeでもインストアライブを行ったり、当時の自分らは活動的でしたね。
サブスク記念に久々に自分の音源を聴いたのですが、時間が経っているので何だか新鮮でしたね。それこそ7、8年振りに聴いたんじゃないでしょうか。よくこれだけ作ったなあ自分という感じです。あと「これ作った人と趣味合うな〜」と思いました(笑)。自分の聴きたい音楽を作っているので当たり前なんですけどね。勿論「あーここのミックスもう少しこうしたら良かった」とか「ここで終わりで良いのに長いな〜」とか反省点は見えるのですが、もう直しようがないですしね。世に出ちゃってるし。Tsuki No Waの伊藤匠さんのサックスと石本さんのダブミックスをフィーチャーした「8月のヌードデッサン」とか現代音楽×フリージャズみたいなアヴァンギャルドな音像で、独特な曲を作っていたなーと感心してしまいました。それこそ真夏に汗だくでひたすらデッサンを描くようにミックスしていた記憶があります。こちらの曲もサブスクですぐ聴けるのでぜひ。
あと「サイクル曜日」はアパレルの展示会のテーマ曲に使われたり、ベッキーさんのラジオ番組のオープニング曲に使われたり、割と評判の良かった曲なのですが、聴き返したら新鮮で良かったですね。ベッキーさんの番組は毎週自分の曲がラジオから流れるのが嬉しくて愛聴していたのですが、例の文春の事件があり番組も終了し。あの時ばかりは相手の絵音さんを恨んだものです。(今はファンです。)曲調も明るくて春のお出かけに聴くのに最適かと思います。fwjの代表曲と言っても良いかもしれないですね。
当時東京のカレッジチャートの1位になった「読みかけの夏」とか劇団の舞台のエンディング曲に使われた「夕方ループ」とか、電気グルーヴのカバー「虹」とか、矢野顕子さんの「湖のふもとでねこと暮らしている」のカバーとか、他にも色々豊富です。将来本当に猫と暮らすようになるとは夢にも思わなかったのに矢野さんのこの曲を選んだのは何か導きがあったのでしょうか。猫による導きが。
アルバム「猫書簡」は板東寛司さんの猫のDVDのサントラなので板東さん撮影の猫ジャケになっているのですが、思えば何かと猫に縁があるのですよね。「彼女のティップトゥ」か「月に輪唱」のどっちかに山田氏の先代猫ポチの鳴き声が入っているのです。記憶が曖昧なのですが、確か山田氏に鳴き声を送ってもらって入れたんだと思います。板東さんの可愛い猫の映像を見ながら作ったので全曲猫に合うアルバムですね。こちらは当時配信のみでCD盤が出ていないので、初めて聴かれる方もいらっしゃるかもしれません。
これを機にSpotifyの方も有料で利用し始めてみようかなどと思っています。アマゾンプライムやNetfrixなど映画もサブスクで見ることがほとんどになりました。時代によって変わるものです。取りあえずサブスクでぜひ一度fishing with johnを聴いてみて下さい。スマホで簡単に聴けます。

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1年前、3月の空気

気が付けば3月もどんどんと過ぎて行くのです。

去年の3月の自身の日記を見返すと(スマホにその日あった出来事を簡易的にメモしているのです)、いよいよこの頃から本格的に新型コロナというやつがヤバいぞという雰囲気になっているのがわかりますね。去年の2/25にGOMES THE HITMANのレコ発ライブを見に行っているのですが、ライブハウスのスタッフから「もう今後のライブは難しそうです」と聞いたのを覚えているし、その日も接触を避けるためにサイン会が行われなかったですしね。握手も禁止と言われていたのに、楽屋に挨拶に行ったらサポートで出演していたPLECTRUMのタイスケさんが「わ〜五十嵐さん来てくれたんですか〜」と握手を求めて来たというほっこりしたエピソードがあるのですが(笑)。4月に予定しているmoln10周年フェスをどうするか悩みながら帰った覚えがあるのですが、思えばライブハウスで有客でライブを見たのってあれが最後だったかもしれないですね。2/29に予定されていた高橋徹也さんのレコ発ライブが中止になったので、あの辺りが境目だったということでしょう。3/1にナンバーガールの無観客配信を見ながらこんな状況いつまで続くのだろうと途方に暮れたものです。(そして現在も途方に暮れているという。)
結局4月のmoln10周年フェス(山田稔明、近藤研二、高橋徹也に草テンという豪華なラインナップ!)も延期になるのですが、あの頃は1ヶ月後には出来るようになるかもしれないと念のため3月中にも草テンのリハーサルをしていて、コロナ禍初期の雰囲気を思い出しました。1ヶ月で収束すると思っていた自分が愚かに思えますが、あの頃は皆そんな状況でしたよね。あれから1年かと思うと、とんでもない1年だったなと思います。
今も何の根拠もなくだらだらと緊急事態宣言延長などしていますが、2週間経ったら何とかなってるんじゃね?みたいな神頼み状態では飲食店ばかりが大変な思いをするだけです。国を上げてのコロナ対策が「20時以降店で飲食しない」なんて何かの冗談なのでしょうか。20時まではコロナくんが「僕大人しくしてよう〜っと」と身を潜め、20時以降に「よ〜し!感染していくぞ〜う」と活発になるというのでしょうか。仮定の質問には答えられませんと述べるのでしょうか。馬鹿なのでしょうか。

日記を見返すと去年の3月からfishing with johnのアルバム作りを本格的に始めていて、上野さんに「歩けリリー」「ジャングルジムで鯨釣り」のラフを送ってミックスの依頼などしているのですね。その頃はまだスタジオで対面して仕上げる予定で「6月くらいには落ち着いているだろうから、それまでにデータまとめて送りますね〜」なんて話していたらみるみるうちに自粛生活に突入し。おかげといっては何ですがその間にじっくりと追加の録音作業やデータの整理なども出来たんですけどね。上野さんに素材を送る頃には「これはもう会わずに最後までリモートで仕上げましょう」と相成り。往復書簡のようにやり取りしてこの2曲を仕上げたのですが、未だ上野さんに会えていないのが残念でなりません。実は「歩けリリー」の録音は2013年から始めているので、完成まで7年かかったことになるのですが、上野さんから届いたミックスを聴いた時は感激しましたね。アルバムの中でも特にトラック数が多い曲なので、まとめるのが大変だったと思うのですが、繊細な硝子細工のような仕上げに唸ったものです。
3月11日からfishing with johnの新譜と旧譜、合わせて5タイトルがApple MusicとSpotifyでサブスク配信開始されます。「歩けリリー」もそちらで聴くことが出来ます。ていうか全曲聴き放題です。大瀧詠一御大でさえサブスク解禁する時代です。サブスクを利用していない方はぜひこれを機にいかがでしょうか。
もうすぐ桜の季節ですね。震災から10年。春の匂いに喜びつつも感傷的になるのは何のせいでしょうか。この状態がまだ続きそうだからでしょうか。それとも確定申告が面倒くさいせいでしょうか。いずれにせよタフに生き延びていくしか道はないようですね。f:id:fishingwithjohn:20210309154852j:image
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