キスとハグとピック

先日は巣巣にてジェシー・ハリス畠山美由紀さんのライブを鑑賞して来ました。ジェシー・ハリス氏のことはノラ・ジョーンズの「Don't Know Why」の作者というくらいの知識しかなかったんですが、歌ってる映像を見たら凄く良かったのでこれはぜひ生で聴きたいと思ったのです。
当日時間もギリギリだったので鼻息荒くあせりながら巣巣に向かったのですが、いざ会場に着いてすぐに聞こえて来た畠山さんの美しい歌声に私の荒い鼻息はすっかり落ち着かされ、そして全力で癒されてしまったのでした。いやー晴らしかったですね、畠山美由紀さん。力強く彼女の全身から出される声は凛としており、小池龍平さんのガットギター演奏(これがまた素晴らしかったです)と声だけというシンプルな編成ながらも響きは深く、その巧みな演奏と歌声にすっかり感動してしまいました。FMラジオぽい畠山さんのお喋りがまた会場の巣巣によく合うのですよね。(実際にFMで番組をやられているんだそうで、ゲストにハリスが来る旨を話されてました。)
そのジェシー・ハリス氏の方はこれまたガットギター1本の弾き語りスタイルで。ざくざくと力強い指ピッキングと渋味のある歌声がとても良かったですね。その指さばきを見てると無骨だけど美味い男の料理の包丁さばきを思わせ、これまた名手だなあと感心してしまった次第です。途中「ピックを貰ったからそれで演奏してみるよ、へへへ」的なことをMCで言い、それまで指だったのをピックでガシガシストロークしてましたが、後で聞いたらスプーン作家のmiyazono spoonさんが木製漆仕上げのピックを彼にプレゼントしたらしいですね。それを早速使う辺り粋じゃないのと思った次第です。その後アンコールでは畠山美由紀さんたちと一緒に演奏し。これまたガットギター2本のアンサンブルと男女の声のハーモニーが素晴らしく、うっとりと聴き惚れてしまいました。本当にあっという間でまだまだ聴き足りないという感じでしたね。
会場にtico moonの影山さんが来てたのでご挨拶したのですが、何とこの日のPA機材は影山さんの持ち込みなんだそうで、ガットギターと歌のリスニングを最高のコンディションにしてくれていたのでした。影山さん流石だなあと思った次第です。
その後CD買うとサイン貰えまっせとのことで、ハリス氏の新譜を購入し記念にサインをしていただきました。私の前に並んでいた方がスリムでとてもお綺麗な女性だったのですが、ハリス氏はその美女にだけハグとキスいうオプションを付けて神対応しており、外国人の方は自然にそういうこと出来るから良いよな〜と羨ましく(?)思った次第です。私もハグされたらどうしよう〜と一瞬乙女ハートになりましたが、ノーハグでしたけどね(笑)。笑顔で長いサインを書いていただきこちらも神対応でした。
久々に会ったmiyazono spoonさんからありがたいことに私も木製漆仕上げのピックをいただいてしまい、折角だから次回のライブで使おうと決意した次第です。
巣巣に来ると岩崎さんの暮らしを丁寧にしようとする美意識がディスプレイの端々に感じられ、だらけがちな私はつい背筋が伸びるのですが、それが何だか心地良いのですよね。斯様なイベントを開催出来るのも岩崎さんの人徳よのう、と店内を眺めながら思ったりした次第です。
帰りは見に来ていた山田氏に車で駅まで送ってもらい、電車に揺られて家路に着きました。夏の匂いが仄かにするなあと思いながら。
家に帰って試しにいただいたピックでポロンと鳴らしてみたら良い音が零れ落ちました。これを使う度にこの日のライブのことを思い出すことでしょう。そしてジェシー・ハリスが美女にだけキスとハグをしていたということもついでに思い出すのでしょう(笑)。ハリスからしたらいい迷惑かもしれないですけどね。