踞る秋 燃やす夏

みなさんいかがお過しですか。
小さい秋見つけてますか?
愛、おぼえてますか?
私は近頃地味に忙しいですが、元気です。


昨日は夜、lymの宮崎氏と二人で飲んで、
その後近くの公園で花火などして
夏の終わりを地味に楽しんだのですが、
夏の終わりどころかもうすでに秋ムード漂う涼しい空気の中、
しかも男2人で(笑)、火花で闇に字を書いたり、
線香花火の小さな光を見つめたり、
あれ、これしけてるのかな火がつかないなーとか言ったりして、
季節外れの花火タイムを展開しつつ
妙にセンチメンタルなシーンを作り上げてしまったのですが、
9月半ばの花火は「哀愁」の二文字がよく似合うな。
なんて思ったりしながら火花を見つめてしまった私ですよ。


近所の子供は「あ、花火だ!」と通りすがりに
そのままな言葉を我々に投げかけ、
残骸を飲み込んだバケツは静けさに凛と佇み、
その横で我々は黙々と花火セットのメニューを消化し、
ぬるいビールでしたたかに酔いながらも
ついに最後となった線香花火に火を点け、
それを見守りつつ何かを想おうかと見つめていると、
酔っているせいなのか別な理由なのか光はほんの刹那で、
想う間もなくそれは地面に落ちてしまい、
光は一瞬に失われ、
あとには9月と我々だけが取り残されたように立っていて、
何だか夢から覚めたみたいな顔つきで我々はお互いを見、
「花火終わっちゃったね。」
と、これまたそのままな言葉を空に放って
その哀しいような最後を見送ったのでした。
9月に。哀しげな。
9月に。


そして煙草を吸わない私は久しぶりに持ったライターで
何度も火を点け、そして消し、
その度に公園に秋が座り込んでいるのを見つけました。
嗚呼、もうとっくに夏なんかいなかったのです。
我々が燃やす前から。