創造の手法、小林賢太郎

小林賢太郎氏のソロ公演のDVDを早速見てるのですが、
あまりに面白いので少しずつ見ています。
一気に見ちゃうと勿体ないので。
ラーメンズでは普段二人ですが、ここでは文字通り彼一人で、
ボケやツッコミというスタイルとは全然違う、
また単純な一人芝居とも異なる「独りでの笑い」を展開しており、
見事としか言いようない感じです。
イッセー尾形氏や松本人志氏などが作ったものとは
また違うアプローチで独りの笑いの可能性を追求している印象で。
言葉を解体して再構成するアナグラムネタなど、
国語の授業でやったら子供たちが熱中しそうだし、
マイムや映像芸などはそのまま外国でも通用しそうなネタで、
こういう芸こそ年齢、国籍を問わず、
色々な人に見られるべきなんじゃないかと思ったりしました。
テレビではこういうの高度過ぎて通用しないんでしょうけども。
舞台はなかなかチケットが取れないし、
DVDを買って見るしか方法がないんですが、
面白いのでたくさんの方に見て欲しいものです。
素材を解体して再構成する手法って音楽でも
カットアップやサンプリングなど使われますが、
図形の解体から時間や設定を構築したり、
元あった別な言葉の破片から新しい物語を紡ぎ出したり、
ヒップホップや現代音楽みたいな作り方してるなと思ったんですが、
結果として難しくなく、単純に笑えるものになってるので
そこがポップで良いんじゃないかと思いました。
(彼がインタビューでスティーブ・ライヒの名を挙げてるの見ましたし、
ヒップホップネタの本格度はラーメンズでも証明されてるので
そういう音楽の手法からヒントを得ているのではないかと思われます)
ラーメンズも破格的に面白いですけど、
彼一人のこういった笑いへの新しい試みも面白いものだなと思いました。
ぜひ一度生で舞台を見たいものですが、
プラチナチケットを入手するガッツが私にはないのです。
そのガッツ、売ってたら買いたいくらいです。
3675円(税込み)くらいで。