6月の事変

先日、仕事中に何だか背中の一部が無性に痒くなり、
蚊にでも刺されたのであろうかと思いつつも放っておいたら、
そのうち痒みのエリアが徐々に広がって来たのですね。
肩とか首とかも痒みに浸食されて来て。
しかもちょっと痛くもなって来たのです。
これはさすがに異常事態じゃないかしらんと思い、
おもむろにシャツを脱いで鏡で背中を確認したところ、
どこぞの地図であろうかという感じに虫に刺されたような痕が赤く広がっていて、
ブツブツに晴れ上がっていたのですね。
それはまるで入れ墨のようでもあり、誰かの描いた点描画のようでもあり。
まあそんな高度な代物ではありませんが、
何者かによるペイントが明らかに己の背中に見なされたわけです。
何者かは知らぬが人の背中で勝手にアートを繰り広げるとは失礼千万な奴、
と思いシャツを入念に調べ上げると
ほんの1センチくらいの小さな毛虫が這っているのが確認されたのですね。
ははあ犯人はこいつかとそこであっさり原因が判明してしまったのですが、
こんな毛虫が私の背中から首から肩からせっせと這っていたのかと思うと
なぜにすぐに気が付かなかったのか、そして処置しなかったのかと
己の行動の遅さを嘆くに至ったのですが、毛虫恐るべしですよ、ホント。
多分どこか木の下を歩いている時に背中に落下して来たんだと思うんですが。
もうすぐに背中を洗い、ムヒを塗りたぐり、
シャッターの落書きを消す店主の如く背中の一掃に全力を傾けたのですが、
これら全面の赤い傷痕をほんの1センチくらいのあいつが成し得たと思うと
何だか人間の無力さを感じてしまいましたね。
己の自然治癒力を信じつつも背中の肌に向かって叱咤激励をし、
応援団を急遽結成し、応援歌を作詞作曲編曲した後それを大声で斉唱し、
応援メッセージをメールにて送信し、お見舞いにメロンやバナナを届けて、
千羽鶴を3セット気持ちを込めて折り、お百度参り3セットをし、
フレーフレー背中っと全力をもって応援及び祈りの体勢に入った次第なのですが、
まあそのうち治ることでしょう。
私はこれを「6月の毛虫事変」と称し、記憶に留まらせるに違いありません。
この毛虫の刺し傷が目に入らぬかっ、と桜吹雪並みに見せつけても良いですけどね。


それはそうと地震、関東でも結構揺れましたね。
被害に遭われた方々にはお見舞い申し上げます。
毛虫被害など大したことではないのです。