コインロッカーメモ魔

浅草の駅近くのコインロッカーの前でいつも何かをメモしているおばさんがいるんですが、
この方、常に小汚いゴミ袋をたくさん持ち歩いていて、
自身も服はもう何ヶ月も洗ってません的な小汚い格好でいるので
恐らくホームレスの方なのだろうと思うんですが、何しろ不思議なのはメモしているのですよ。
常にコインロッカーの前で。
最初はロッカーの使用期間とか料金とかをメモしてるのかなと思ったんですが、
何度も同じ場所でメモを取っているし、どうも違うようなのですよね。
ひょっとしたらロッカーの注意書きではなくて何か別なもの、
例えば占いのメッセージとか、本日のラッキーアイテムだとか、
天気予報だとか交通情報だとか、1週間着回しコーデなどのファッション情報だとか、
諸々の情報がロッカー前に更新されるか何かしてそれをメモっているのかもしれません。
そんな情報がアップされるロッカー前の注意書きとは何と便利なものなんでしょう。
私もぜひそれをチェックしてやろうとそのロッカー前に立って見たことがるんですが、
料金が300円である旨だとか管理会社はどこそこで連絡先はどこそこでと、
ロッカーに関する情報しか載っておらず、便利な情報は載っていないのですよね。
「ひょっとして彼女にしか見えないメッセージがここに浮かぶのか?」
とロッカーを隈無くチェックするもごく普通のロッカーにしか見えないのです。
一体彼女はここで何をメモっているのかと謎めくわけですが、
もうひとつ考えられるのは彼女の趣味が俳句を詠むか何かで、
ロッカーの前に立つと何かひらめくことが多いので
その場で忘れぬようメモっているのではないでしょうか。
「春の海ひねもす預けて300円」
みたいな名句がなぜかロッカーの前に立つと浮かぶのかもしれません。
だとしたら納得もいくのですが(いくか?)、
いずれにせよそのおばちゃんはロッカー前でメモするという生活スタイルなのであり、
トイレ前で生活しペット雑誌を読むおじさんと同様それは確立されているもので、
私が横からどうこう言うものではないのです。
それはもう何ていうか文化なのですよね。
コインロッカーメモスタイルというオリジナルの。
取りあえず今度見かけたら後ろからそっとその文化をチェックしてやろうと思います。
意外に恋文とか書いてたら吃驚しますけどね。
「私のハートを貴方に預けたい」みたいな。


ところで今日の夕方「したまちコメディ映画祭」の一環で
雷門から仲見世浅草寺へとレッドカーペットが敷かれ、
数々の有名人が闊歩したらしいのですが、
私が見に行ったらちょうど終わったところだったので少々残念でした。
ちょうどデーモン小暮閣下が去るところだったみたいですけどね。
デーモン小暮閣下がいた!」「閣下だ閣下!」「閣下?」などと
「閣下」という単語を一時にたくさん聞きました。
みなさん呼び捨てにしないのは偉いですね。