瞬間と永遠のピクニック

先日、カメラマンのかくたみほ嬢の個展を見に行って来たのですが、
喧噪から離れたひっそりとしたギャラリーにぽつぽつと作品が飾られ、
その独自の柔らかい色使いで捉えられた風景や穏やかな表情を映したポートレートなど
じっくりと鑑賞出来てなかなか良い空間でしたね。
写真見ながらつい「残響ピクニック」の頃の雰囲気とかを思い出したりしましたよ。
彼女にはその「残ピク」含めfwjの3枚のアルバムのジャケ写を撮ってもらったのですが、
(あと配信で出したシングル3枚のジャケ写も彼女の作品です)
彼女の写真の世界と自分の音楽の色合いとが結構マッチしてたよなあと思ったりして。
彼女の作品で自分の音楽をパッケージすることが出来て良かったなと改めて思いましたよ。


彼女は他にクチロロとかHOME MADE家族とかスピッツなどのジャケも手掛けており、
雑誌などで木村カエラだの堀北真希だの芸能人たくさん撮ってたりして
何だかいつの間にか売れっ子になっており、
私がのんびりギター弾いてる間に随分遠くへ行ってしまったなあという感じなんですが、
この調子で大物になっていただけると私のアルバムにも箔が付くというもので(笑)、
彼女にはぜひもっと売れていただきたいなと邪な気持ちも入りつつ思ったりする次第です。
実際彼女の写真はとても良いので、ぜひたくさんの方に見ていただきたいものですよ。
http://www.mihokakuta.com/


思えばその「残響ピクニック」ももう5年前なわけで、時の経つのは早いものですよ。
あれは春に発売だったのでそれらしい格好してましたが、実際撮影は12月だったので寒くて。
撮影の時だけコート脱いで後はせっせと着込んでたのを覚えていますね。
半日かけてロケして、結構な数の写真を撮ったと記憶してるのですが、
その中で表ジャケに選ばれたのがあの私の背中ショットなのですよね。
よくよく考えればデビュー盤だし、ガンガン顔を見せて自己紹介せねばならないところを
初っ端から背を向けているのも如何なものかという感じではあるのですけどね。
でも結果としてはあの写真がすっかり残響ピクニックになっちゃってますけどね。
男の背中ジャケ(笑)。
私の音楽はインストなので、ある程度リスナーの想像力や感性に委ねる部分があるのですが、
それって直接表情で語るというよりは背中で語る感じに近いような気もするのですよね。
のりしろとか余白みたいなのを残しておく感じというか。
そういう意味でもあの写真、ジャケ写として良かったように思うのですよね。
まあ半分こじつけですけどね(笑)。
5年前の自分の背中がこの先もずっと音と共に残ると思うと凄いことですよね。


瞬間を永遠に残すこと。
写真というものは素晴らしいものだけど、おそろしいものにも感じられますね。

残響ピクニック

残響ピクニック