証明フォトグラフ

先日仕事で必要に駆られ証明写真を撮ったのですが、
撮る度に思うのは何故に証明写真ってやつはこうも写りが悪く出来上がるのかということで、
まるで犯罪者のような様相でのっぺり写っている己の疲れたような顔写真は
実力の2割程度しか発揮されてないような残念風味満載の仕上がりで、
なんぼ何でももう少しマシなのではないか、
俺はこんなもんじゃない!(owkmj)と上昇志向と共に強く思うところあるのですが、
一方で俺もこんなもんかなあ〜(omkmk)という現状を受け入れる姿勢もあるにあり、
いずれにせよ証明写真を前にいつも負けの様相を呈してしまう自分がいるのですよね。
何だかこんなもんで己の存在を証明せねばならない世の中を儚く思い、
タイガーマスクの寂しいエンディングテーマを歌って背を丸めそうになるのですが、
「泣かないぞェ!」と往年の鈴木蘭々の如きテンションで何とか振り切って頑張っています。
ちなみに「なんでなんでナンデ?」も「泣かないぞェ!」も筒美京平先生のペンによる名曲です。
余談ですが。
証明写真ボックスにアラーキーとか篠山紀信みたいな人の声が搭載されていて、
「いいねえ!」とか「その表情最高!」とか「色っぽいよ〜」とか声を掛けてくれ、
さらには「もっと胸はだけてごらん」「挑発するような目付きで!」とか盛り上げてくれれば
私のセクシーでワイルドな証明写真が仕上がるだろうにと思うのですが、
残念ながらそんな素敵な機能は付いてないのですよねあのボックスには。
あったら意外に繁盛すると思うんですが。
そういえば前に証明写真ボックス内で勝手にお弁当食べてるおっさんを見かけたことありますが、
都会にひっそりと佇む個室としてちょうど良い密室感が確かにありますよね、あのボックス。
お弁当食べるスペースとしてはジャストサイズな気がします。
まあそういう用途に使うのはルール違反ですけどね。


アメリ」っていう映画の中で証明写真機の下に捨てられた写真を収拾する男に恋をしたアメリ
彼に対して複雑なアプローチを試みる様が面白可笑しく描写されていましたが、
あそこに登場する証明写真ボックスが何だかお洒落な佇まいで、
ああいうところで撮ったらお洒落な写真が出来上がりそうな気もしますね。
勝手なイメージですけどね。
日本の証明写真ボックスだと画にならないでしょうし、ああいう風に映画で使われない気がします。
アメリって最後どうなったのかとか詳しくは内容よく覚えてないんですが、
証明写真ボックスを見かけるとふとあの映画のことを思い出したりします。
素敵よね、あれ。