探偵の気分で

寒いのです。
こうも寒いとどこかへ出かけようという気持ちも起きませんし、実際出かけません。
近頃は仕事が終わればすぐにレコーディング作業に突入という流れです。
地味にちまちまと録音作業をしています。
独りでこつこつやっています。
助手に「汗」とか告げると助手が汗を拭いてくれたりとか、
「ギター」と告げるとギターを持って来てくれるとか、
そんなサービスはありません。
なにしろ助手がいないもので。
エア助手を傍らに置き「ここはこれで良いかな小林少年」
「そうですね、明智さん」みたいなやりとりをして楽しんでいます。
たまに明智と小林少年の役柄をスイッチしたりしながら。
たまに二十面相が邪魔に来たりなどしながら。
「おのれ、良いテイクが録れそうだったのに、二十面相め!」と地団駄を踏んだりしています。
独り探偵ごっことか流行るのではないかしらと悦に入ったりしています。
失敗すると全部二十面相のせいに出来るので便利ですし。
煮詰まるとヤフオクとか見たりして人から人への思い出の流れを俯瞰したりしています。
「サムハスキンスの写真集58000円で誰が買うんだ」などと思ったりしながら。
今録音しているのは朗読入りのもので、
佐野元春ばりに語っています。
基本はインストなんですが、それにこだわらず色々やっていこうと思ったりしています。
私は中学生くらいからポエムを書いていたポエム少年だったのですが、
まさかこの年になってもポエムを書いているとは夢にも思わず。
しかも人前でポエムを語ってるし。
聞いてくれるお客さんもいるし。
おかしなものだな小林くん、とエア小林少年に語りかけてみる次第です。
言葉が出て来ない時は「言葉」と告げると
小林少年が言葉を持って来てくれれば良いのですが、
そこは流石に自力で絞り出さないといけないようです。
明智さん、言葉はあなたの中から出して下さい」とさきほど注意されました。
仕方がないので自分の中の言葉を探しに行こうと思います。
寒いので。
厚着をして。