月曜日にさえずる〜草とten shoesレコ発ライブ@巣巣

先日巣巣で行われた草とten shoesの1stアルバム「月曜日にさえずる」発売記念ライブ、無事終了しました。たくさんのご来場をどうもありがとうこざいました。
ライブ前々日にブックレットが、前日にCDが到着というギリギリ進行でしたが、何とか当日にはグッズ類含め全アイテムが手元に揃いまして。昼からメンバーみんなで会場入りし、紙ジャケにCD本体とブックレット2種類を封入し、袋に詰めてシールを貼るという内職のような作業をせっせと行い、初めてのアルバム「月曜日にさえずる」を自らの手で完成させて行きました。いきなり商品を手にするより、こうして手作業を経て完成させるとさらに愛情も増すというものです。CD盤やブックレットを直接手にするとそのデザイン性の高さに改めて驚かされ、デザイナーりえさんの手腕に唸らされた我々です。「りえさん凄い〜」などと口にしながら、岩崎さんお手製のおにぎりを食べながら作業をし、商品を完成させると今度はテーブルにグッズ類をディスプレイする作業です。流石は店主たちの集まりです。商品を売ることにかけてはプロなのです。今回りえさんがうちの壁紙をイメージして作成してくれたデザインがジャケットやブックレットに使われているのですが、その壁紙デザインをレターセット、ポストカード、ミラーなどにグッズ化し、私はその柄の招き猫を作り販売することにしまして。テーブルにはそれらの商品が賑やかに並び、さらにお祝いでいただいたお花や電報もその横に添えて華やかな展開になりました。(お花をたくさんの方にいただいて感謝です)
しかし物販ばかりを充実させて終わりではないのです。この日は演奏がメインなのです。今回は録音に協力してくれた上野洋さんにPAも担当してもらい、音響の環境を整えていただきました。(あやは初めてモニターで自分の声を返してもらい「こんなやりやすいのっ?」と感激しておりました。)その後山田氏も会場入りし、リハーサルは滞りなく進み、いよいよ開場です。
アユミさんが受け付けをし、岩崎さんがお客さんを誘導、私とあやが物販を担当と、すべてセルフで行うのが草テンなのです。ありがたいことにライブ前なのにCDやグッズがたくさん売れて「いらっしゃいませ〜、はいおおきに〜、なんぼでも売りまっせ〜」と商人魂全開で接客しているうちに本番の時間になり。慌てて商人モードから音楽家モードへ気持ちを切り替え、本番に臨みました。
あやは最初こそ緊張で縮こまっていましたが、後半からどんどん声も出て来て、岩崎さんもリハで間違えまくっていたのに本番では何故か出来てしまうという脅威の本番力を発揮し、アユミさんも普段ピアノレッスンをしているホームと言える巣巣で楽しげに旋律を奏でておりました。友部正人さんのカバー「私の踊り子」では急きょ上野さんがフルートで加わり。当日のリハ時に「上野さん、この曲でフルートお願い出来ますか?」といきなり打診したのに、譜面もなしに完璧に演奏出来たのは流石でしたね。上野さん曰く「ミックス時に100回以上は聴いたので曲が頭に入ってました」とのことでしたが。おかげでドラマチックに盛り上がり、私には可愛い踊り子が巣巣を舞台に華麗に踊る姿が心に浮かびました。
そしてこの日はアルバム未収録の新曲も披露し。まずは高橋徹也さんに提供していただいた「波の音が聴こえたら」という三拍子の静かな曲です。「鎌倉の海ぽくて、あやさんの声にも似合うと思います」とのことでいただいたのですが、これがまた美しいメロディとちょっと切ない歌詞が沁みる名曲なのです。本家タカテツさんの表現力と色気を再現するのは難しいので、ちょっと可愛らしい感じでアレンジしてみました。リハで聞いていた上野さんが「あれ、これタカテツさんの曲ですよね?」と気付き、「この曲の録音、私がやったんですよ〜」とのことで、上野さんの録音を聞きながら我々練習をしていたことを知りました。初披露が上野さんの前というのも不思議なタイミングです。客席には作者のタカテツさんもいたのですが「いやーすごく良かったですよ〜」と笑顔で褒めてくれたので、ホッとした我々です。タカテツさんはいつでも優しいのです。そして私の書き下ろした新曲「月曜日にさえずる」も初披露しまして。アルバムと同じタイトルの曲ですが、アルバムには入っていないという曲です。私の中のソフトロック魂を発揮させたコード進行とメロディで、メンバーから「難しい〜」と言われながらも何とか演奏出来ました。(メンバーから「ソフトロックって何?」と言われたのでYouTubeのリンクをあれこれ送って参考音源を聞かせました。)
そんな新曲披露もありつつ、我々の本編は終了し。次は山田氏の登場です。ダンラナチュールさんのプリンをお客さんに配布している間に(このプリン、私もいただいたんですが凄く美味しかったです)、山田氏と草テンの繋がりやバンドの歴史などを彼の視点から振り返り、いかにしてこのレコ発ライブに至ったかを彼なりのお祝いの言葉と共にわかりやすく語ってくれて流石でしたね。この日山田氏は音源化されていない新曲を中心に歌ってくれまして。個人的には私が山田バンドのツアーに同行した際に大阪で演奏した「saturday song」が心に響きました。あの日の大阪までのドライブの光景を思い出しながらしみじみ聴いてしまいました。この曲で歌われる「車で海まで出かけようぜ」の海と、「波の音が聴こえたら」で歌われる海が同じ海で、登場人物が交差するような不思議な感覚がありました。「今日は折角上野くんが来てるので一緒にやります」とのことで、途中から上野さんも演奏に加わり。ゴメスの「bluebird」を久々に聴けました。タカテツさんが「山田くんは使える人材をとにかく使うのが上手だよね。コキ使うとも言うけど(笑)」と冗談ぽく言っておりましたが、私も1曲鍵盤ハーモニカで加わり、山田氏と上野さんと私というレアな編成で「glenville」を演奏しました。話題の新曲「小さなハートブレイク」も聞けたし、店主岩崎さんのリクエストで「ホウセンカ」も演奏されるなど、盛りだくさんの内容で本編は終了しまして。
アンコールでは再び草テンが合流し、山田氏と上野さんと全員で「小さな巣をつくるように暮らすこと」を演奏しまして。岩崎さんの著書がきっかけで生まれ、岩崎さんのお母さんが聞いて号泣したという名曲です。山田氏が「岩崎さんも感無量でしょ?自分のレコ発ライブでこの曲を演奏出来て」と泣かしにかかるのですが、岩崎さんはニコニコして一切泣かないといういつものやり取りが繰り広げられておりました。そして山田氏が我々のために書き下ろしてくれ、アルバムの1曲目に収録された「冬の日の幻」を全員で演奏しまして。この曲の録音時には山田氏がスタジオに遊びに来て、その場でコーラスも入れてくれたのです。この日は山田氏がハモりを入れるなど、特別バージョンでお送りしました。そんな記念すべき曲で締め、無事レコ発ライブは終了しました。
ライブ後はまた「はい、グッズ売りまっせ〜」と商人モードになり、招き猫を買ってくれたお客さんには「いやー、これ手描きなんですよ〜」と職人モードになり、全員でCDにサインを書くという段にはまた音楽家モードになり、何だか忙しかったですね。たくさんサインを書かせていただき、嬉しい限りでした。みなさんの感想が沁みました。この日はタカテツさんや近藤さん夫妻や、たまたま東京に来ていたむぎ(猫)の飼い主のゆうさくさんなどもいて客席も豪華でした。楽しく打ち上げをして長い一日が終わりました。
そんなわけで「月曜日にさえずる」がいよいよ世に放たれました。一般発売は11月1日からですが、巣巣とmolnではグッズと共にお買い求めいただけます。これはもうぜひお手に取っていただきたく。よろしくお願いしますということで。