くるまのいろはそらのいろ

先日のリハの時に石本氏が「庵野監督のキューティーハニ−を観てきた」
という話をしていて、そういえばここ最近アニメや漫画の原作がやたら映画化
されていて、それが「ハットリくん」や「デビルマン」などの超メジャーもあれば、
ちょっと前の「青い春」「アイデン&ティティ」「blue」などの、
どちらかというとメジャーでもない原作のものが映画化されてたりもして、
まあどっちにしろ漫画ものが多いなあ、と単純に思うんですけど、
僕は原作とそれを映画化したものは全く別物だと思って見るので、
「あー、あの原作の世界をどうやって料理してるのだろう」とか、
そんなことは微塵も思わず見るのですが、
(まあ原作好きだから見るというのも当然ありますが)
ちょっとそれはどうなるのと、気になる作品もあったりします。
よしもとよしともの「青い車」の映画版なんですけど。
http://www.aoikuruma.com/
まあ別に「あの作品を軽々しく映画化するなんて」とか
そこまでの思い入れもないし、ああ今それなの、という感じなんですが、
単純に映画にするの難しそうだなあ、と(笑)。
あと今読み返すと非常に恥ずかしいというか(笑)、
作中にオザケンの歌詞が引用されてたりして、
ものすごく「90年代の気分」が満載で、
思えばそれにどっぷりと浸かっていた自分もいたわけで、
あれからもう10年経過してしまった、という事実にも愕然とさせられたわけで。
渋谷系ももう10年前ですよ、あなた(笑)。
そんなんで非常に気になってしまうわけです。青い車


ところで先日、ふと宝島の「音楽誌が書かないJポップ批評 スピッツ
とかいう本を読んでいて、はっとさせられたことがあって。
そこでよしもとよしとも氏がスピッツについて語ってるのですが、
スピッツの「青い車」というタイトルにまつわる話で、
「俺は色盲だから色がわからない。だから言葉としての赤、青、白なのだ」
というような発言をしていて、
はえっ、そうなの?と驚くと同時にだからなのか、とも思ったりしたのです。
あの漫画を彩る青、赤、白のカラーはすごく印象深くて、
僕はあのカバーの「赤いダッフルコートを着た女の子」のポップさに
あの漫画を手に取ったくらいで、読んだ時もストーリー云々よりも
「色の印象が残った」、という感じで、それって見た目というより
言葉としてセレクトされた感じで(実際漫画は全編白黒なので色はないのです)
それでなんとなく納得してしまったのです。


ところで僕がよしもとよしともの作品で特にいいなと思ってるのは
スタジオボイス」96年の10月号に掲載されていた、
「音」をテーマにした2ページの作品で、
音楽を知らない自分が妻(健常者)に手話で音楽を語ってもらう、という内容で、
セミの鳴く声」「子供達の歌う歌」「車の排気音」「風に揺れる木々のざわめき」
という言葉で「音楽」を語るのですが、
ここでも実際にそういう描写(例えば子供達が歌うシーン)は全くなく、
言葉だけで語られる「音」で、
それでも僕は読んだ後印象として「音が聞こえる」感じを受けて、
そういう点において「青い車」と似たような印象を受けたのです。
「カラー」と「サウンド」をこういうさりげない感じで印象つけさせる
作品の作り方は僕はちょっといいなと思います。
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