髪を切る

髪が伸びてそろそろ切りたいっすね、
つーかもう鬱陶しいっす、
とか思うまでなかなか切りに行かない僕なのですが、
というのも美容院てやつが苦手なのであって、
できればそんな手続きなしに、
「カードの更新。」
くらいシンプルな手間で髪がカットされないかしら、
とか思うのですが、そんなシステムは残念ながらないので
今日切りに行ってきました。
美容院まで。


以前は毎回違う美容院を転々としていたのですが、
それも面倒なので今は近所の店を利用しているのですが、
店の人は僕が仕事で張り子人形を作っている、とか
なぜか音楽をやっていてCDも出してる、とか
馴染みなのでだいたいの素性を知っているのですが、
(切られながら何を話すかってだいたい
「お仕事何やられてるんですか?」的な
身の上話になるのであって、
僕はそれが面倒でもあるのですが)
でも音楽のジャンルとか、店の人には説明しても
ほとんど理解されてないのであって、
仕事の内容も説明してもあんまり理解されてないようで、
結局「いやーどのお仕事にしても大変ですね。」とか、
「音楽って素敵ですね。」みたいな適当な会話になって、
僕も面倒なので詳しくは説明しないので
あいまいな認識のまま髪を切られてるのです。
でもまあ髪を切る技術はあいまいではないので
それでもいいんじゃないすか、とか思うのですが。
ところで足下に散乱した己の髪の残骸を見ると、
これを利用して何か出来ないものかと、
無能の人」の主人公みたいなことを思ってしまうのですが、
みんなどのくらいのペースで散髪に行っているのでしょうかね。


なんてことを思いながら店の外に出るともう群青へと
空の色が変化してゆく頃で、
夏の日暮れの匂いを嗅ぎながら軽くなった髪を
風に跳ねさせながら自転車に乗って
家に帰りました。
ああ、僕の髪型がまた無事に更新されたのです。