カマキリを拾う

今日、夕方に自転車でビデオ屋に行ったんですけど、
中入ってしばらく店内にいてふと自転車のとこに戻ってきたら、
何かサドルのとこに緑色の小さな物体を発見して。
なんだろうと近付いて見たらなんとカマキリで。
ちょっと離れた隙にサドルに飛んできた(?)のか、
結構立派なカマキリがあの独特な動きで僕を窺っていたのです。
別に近くに草むらがあるわけでもなく
ビデオ屋の駐輪場という殺風景なロケーションに突然の
カマキリはなかなかインパクトあったのですが、
よりによってサドルに鎮座することもなかろうと
思いつつも困惑してしまいまして。
というのも彼にどいてもらわないと僕がサドルに乗って
自転車を運転できないのであり、
家にも帰れないわけなのです。
ちょっと手でつまんでどかせばよかったのですが、
情けないことに子供の頃は大丈夫だった小さな昆虫ってやつが
大人になると怖いというか気持ち悪かったりして(笑)、
なんか素手はいやだわ。とか躊躇してしまったのです。
やむなく持ってた傘で「すまんがどいてね。」と
間接的にどかすぜ作戦を展開したのですが、
しかしそこで素直にどいてくれるはずもなく、
瞬間傘に飛び移り、今度はそこから振り落とされないように懸命に
その鎌でしがみついて傘に居座ってしまったのです。
もういよいよ手でつまんで傘からどかせばよかったのですが、
なにせ相手は鎌という武器を持ってるわけです。
「鎌」で「切る」わけです。
(カマキリの語源がそこからなのかは知りませんが 笑)
ジャッキー映画でおなじみの「とうろう拳」なわけです。
(「とうろう」が変換できなくて困ってしまいましたが 笑)
もうこれはいかんともしがたい状況で。
でもやっぱり素手はいやだわっ。と躊躇して。
(傘をいくら振っても離れないのです。)
そこでどうしたのかっつーと、もう
「傘にカマキリ付けたまま帰る。」
という作戦に出ましたよ、僕は(笑)。
カマキリ家に連れて帰ってんの結局(笑)。
カマキリ付き傘を持って自転車走らせて帰ったっすよ自分。
我ながら情けないというか、
でも一方であんな何もないところにぽつんと
カマキリくんを放っておいたところで
死んでしまうかもしれないし、かえっていいことを
したんじゃないですか、私は。
なんて思いながら走ったのですが。
んでまた走りながらふっと見たカマキリくんの姿が
そのしがみつきかたといい可愛いいんですわ(笑)。
「もうここから離れないもんっ。」みたいな感じで。
このカマキリくんの人生を僕は変えてしまったんだなあ。
なんて思いながらさっきまで怖かったカマキリが
だんだん愛おしくなってきたのを不思議にいい感じに思いながら
小雨の街を自転車走らせて帰った僕なのです。