笑いながら怒る人

昨日は日本橋から下北沢までダッシュして
竹中直人の「唐辛子なあいつはダンプカー!」
というお芝居を観に行ったのですが、
竹中直人の大ファンだという職人仲間のA氏が
「喜べ、ゆうちゃんの分も取ってやったぜ!」と、
チケットを頼んでないのに(笑)取ってくれたので
おお、喜んで行こうじゃないの、と
行って来たわけです。
ケラリーノサンドロビッチ、松尾スズキ宮沢章夫
の脚本に竹中直人演出という非常に豪華な面子で、
竹中直人木村佳乃演じる兄妹を中心とした、
時空を超えたエロ、グロ、ナンセンスな世界観に
ギャグやコント、そしてMEN`S5による生演奏をバックに
出演者が歌いまくるというミュージカル仕立ての
不思議な舞台で、途中ストーリーが二転三転するので
「え?この話どこに転がるの?」と
よくわかんないままずっと見てたんですが(笑)、
見終わってよーく咀嚼してみると
非常に面白かったと思います(笑)。
多分場面ごとに違う人が脚本担当してるんだと思うんですが
(なんとなくここは松尾スズキっぽいなと思う場面や台詞が
確認出来ました)
竹中直人の演出によって竹中ワールドに染められてたのが
とても良かったですね。
僕は彼がお笑い芸人として「笑いながら怒る人」とか
やってた頃からファンで、彼の監督した映画もどれも
好きなんですが、彼がテレビに出る時によくやる、
本人とは別なキャラクターになりきって奇声を発したり
変な動きをしたりする芸風もとても好きで
(あれはシャイゆえにああいうキャラになってるのでしょうが)
今回の舞台はその変なテンションが存分に出てて、
良かったです。
最後、派手なオチで締めるのかと思ったら
曖昧な、ちょっとシリアスな感じの芝居で終わって
しかも唐突に全員の合唱に突入という流れで、
「え?これで終わり?」って感じだったんですけど
よく咀嚼して振り返るとラストシーンがあれで
凄く良かったような気がしました。
見てない方には何のことかわかんないでしょうが(笑)。
彼の監督した映画「119」のラストで、雨の中
去ってくヒロインのうしろ姿を途中まで追いかけて
やっぱりやめてずっと見てるというシーンがあって、
その場面が凄くいいのですが、
それと似た感じの表現がなされていて、
そこに彼の演出力を見たような気がします。
やーいい役者さんですよねこの人。
でも何気に一番印象に残ったのはそういうところよりも
続々とセクシーなコスプレで登場した佐藤康恵
脚線美だったりするのですが(笑)、
隣で見ていたA氏も開口一番
「あの足良かったなあ〜」としみじみしていたので
そういうところでも竹中演出の術中に
見事我々はまってしまったというわけでしょうか。
<今日のハイジ>
16、17話。なんか狂気の舞台を見てから
ハイジの物語を見るとつい同じ次元で見てしまうのですが(笑)、
8歳になったハイジは学校へ行かないといけないのに
おじいさんは二人だけの生活を続けたいので
牧師さんに説得されても意地でもハイジを学校に行かせない、
という奇妙かつ狂気的な独占欲をむき出しにしつつ、
村の人々と過去に一体なにがあったのかと探りたくなるほど
村人への敵意を露にするのですが、
アルファベットという概念も理解していないハイジの無垢さが
狂気すら感じられて、「学校行かせてよおじいさん。
ハイジが可愛そうだよー。」とか
ついこちらも説得しそうになってしまったのですが(笑)、
デーテおばさんが数年ぶりに戻り、
ハイジをフランクフルトに連れて行くという提案を
おじいさんに告げるという展開があって、
さてどうなるのでしょうか。
(フランクフルトへ行ってクララがようやく
登場するわけですね。)