風船の果て

明日から東武での催事が始まるので
今日搬入に行って来たんですけど、
(この時期、すっかり職人日記になってしまいますが)
池袋に行くのは久しぶりなので
ちょっと懐かしい感じがしました。
街の喧噪などがクリスマス、年末独自の
慌ただしい感じがして、
思わず歩くスピードもあがってしまうのですが、
こういう雰囲気なんですねこの街は。


ところで、搬入が終わってから東口へと抜けて、
パルコの従業員出入り口の辺りを通ったら、
若い女の子二人が手に持っていた風船をやおら空へ放して、
「じゃーねー。」などと言いながら
その風船に向かって手を振っている光景を目撃したのですが。
持って帰るのに邪魔だったのか、
単に空に放ってみたかったのか、
なんとなくいけないことをしているかのような
印象を受けてしまい、思わず凝視してしまったのですが。
わざと放たれた風船が高く舞って行くのを
僕はパルコの上まで見届けていたのですが、
他の人々は素知らぬ感じで行き過ぎて、
その女の子たちもへへへーとか笑いながらやがて
去ってしまい、その風船はどうなるのか、
彼女たちは家に帰って家族や友達や彼氏に
「今日、風船を放してー。
楽しかった?つーかー。」とか報告するのだろうか
とか色々思ったのですが、
風船が夜の街に飛んでゆく様は
なんとなくきれいでもあって、
彼女たちはこの命がやがてしぼむ様よりも
こうして高く舞う勇姿を
見たかったのだろうかとも思い、
彼女たちの意志についても思い、
やおらまた空を見上げてみたら
もうすっかり風船は見えなくなっていたのでした。
あの飛んで行った風船はどうなるのでしょうか。
自然に朽ちるのでしょうか。
果てまで飛ぶのでしょうか。


<今日のハイジ>
25話。
ペーターのおばあさんに白パンをおみやげにしようと
こっそり隠しておいたのをロッテンマイヤーさんに見つかり、
捨てられてしまって泣きじゃくるハイジ。
(そのパンはカビが生えて固くなってしまってたのですが
ハイジはパンに賞味期限があることを知らないのです)
それをなぐさめるクララなのですが、
オオカミと子山羊の童話を聞かせてハイジを泣き止ませようと
話をし出すのですが、
それがハイジの心に届いていないものだと思い、
話してる途中で涙ぐんでしまうのです。
泣きながらつっかえながら話す姿がなんだか健気で
(声優さんの演技が素晴らしいのです)
その優しさに非常に胸打たれるわけですが、
このクララの描写が素晴らしくて、
2回見て、2回泣いてしまいました(笑)。
結局その童話に引き込まれて
すっかり泣き止むハイジなのですが、
いいお話ですね。
ハイジにこんないい話があったとは思いませんでした。