音楽と記憶

ペイネ 愛の世界旅行」っていう映画のサントラがあって、
エンニオ・モリコーネが主題曲担当してるやつがあるんですが、
何かこれを久々に聴いたら凄く良くて、
ずっと聴いてしまっているのですが。
思わず口遊んでしまういいメロディーで、
聴きながら、こんな名曲を自分も書きたいものだと
思いながらついしみじみしてしまいました。


この映画を見に行った時は
映画のグルーヴのあまりの心地よさに
つい途中で居眠りしてしまって、
一緒に行った子に「五十嵐さん寝てたでしょ」と
ひどく怒られたのですが、
怒られながら飲んだコーヒーが凄くうまかった。
とかあの日は冬なのに日差しが強くて暖かった。
とか鮮明に思い出したりして、
あの日は僕はチェックのシャツを着て行ったんだ。
とかそういう細かい事象も次々に思い出されて、
音楽というものはそういう記憶を喚起させる力があって、
聴きながらそういう出来事やそれにまつわることを
あれこれ思い出してそれもあって
しみじみしてしまったんですが。


今でも「この曲を聴くと受験の頃を思い出す」
とか、音と一緒になっているその頃の記憶があって、
久々にそういうのを聴いたりすると
その時の感情が蘇って吃驚するのですが、
自分もそういう人の記憶や感情を
いつまでも蘇らせることの出来る
心動かす音楽を作りたいものだと
改めて決意した次第です。


ていうか自分でも夏の暑い日に
レコーディングした「読みかけの夏」の
記憶が強く残っていて、
聴くと汗だくでリコーダーを吹いていた
録音の光景をまざまざと思い出してなんか
思わず笑ってしまうのですが。
不思議なものですね。