哀愁の街にラブが降るのだ

昨日は久々にfwjのリハでスタジオに入ったのですが、
最近引き蘢りがちだったので久々に下界へ!
みたいな気分だったのですが、久々過ぎて
人の多い渋谷の街が何だか異界に見えてしまいましたよ。
夏で浮かれてる若者をたくさん間近に見て、
ああ、私の夏とは違う。
とか思いながら足取り重く歩いたのですが、
またこれ、音楽やってる方ならわかると思うんですけど、
楽器や機材を運んで歩くのって結構しんどいのですよね。
ギターやら機材やらを背負って人波をせっせと歩いていると、
果たして私はギターを背負っているのかそれとも
私自身の業を背負っているのかどっちなのでしょうかテルミー。
とか思ってしまったのですが、
もしかしたら両方かもしれません。


リハは来る21日に渋谷で行われるライブに向けてだったんですが、
前回好評だった「ラブの10月革命」など中心にやりまして。
この曲はこれでもかと哀愁メロの応酬が続くのですが、
野郎5人でひたすらに哀愁を奏でていると
「fwjの半分は哀愁で出来ています。」
くらい言いたくなってきてしまうなあなんて思ったのですが
まああながち間違いでもない感じです。
今回は夏の儚い哀愁、といったステージになりそうです。
まあ当日来られる方はぜひお楽しみにということで。


で、リハが終わってみんなで駅の方へとぼとぼと歩いていると、
センター街辺りで何だか聞き覚えのあるメロディーが流れてきて。
あれ、どっかで聞いたことあるなこれ。
さっきさんざスタジオで耳にしたような。
えっ?ていうかオレの曲じゃないの、これ?
とか思ったら前を歩いていたキシくんが
「ジョンの曲どっかで流れてますよ」とか言ったので
みんなで立ち止まって音の出所を探しまして。
そしたら近くのアジアな洋服とか雑貨を売ってるお店のBGMで
大音量で「ラブの10月革命」が流れていたのでした。
おお、さっきまで我々が奏でていた曲が渋谷の街中に!
あの曲が入ってるアルバムはコンピなので、
他のアーティストの曲が流れている可能性もあったというのに、
我々がちょうど目の前を通った時にこの曲がかかっていたというのは
まるであなたたちを待ってましたよ、
といわんばかりの出来事じゃあありませんか。
何たる偶然でしょう。
あのお店の人はアルバム買ってくれたんですねーとか、
本人ですって挨拶しに行ったら?とか色々言いつつ、
しばし路上で立ち止まって哀愁メロに聞き入ったのですが、
センター街の喧噪交じりで自分の曲を耳にするという場面に
私は不思議な感動を覚えました。
本人が引き蘢っていても曲は世間で流れている、というのは
何だか素晴らしいことのようにも思いました。
今度出るアルバムもこうやって街に流れてくれると良いなあ、
などと思いつつギターを背負い直しながら再び私は歩き出しました。
夏を。
儚い渋谷の夏を。