12歳の文学

先日、課外授業〜ようこそ先輩というNHKの番組に
小説家の角田光代氏が出てたのを興味深く見たのですが、
小説を書く際のステップとして、まずは近くの誰かになりきってみて
その人の気持ちを想像して書いてみるという、
作文から小説への最初の一歩みたいなものを
彼女の母校の小学6年生の子供らに教えていて、
色々出される課題に取り組む子供たちの
文章というものに対しての反応や、
それに真摯に応える角田氏の物語作りについての思想みたいなものが
垣間見れてなかなか面白かったのですが、
12歳という思春期前夜みたいな時期の子の独特な、
はにかみとか驚くほどの大人っぽさとか、また子供っぽさとか、
そういうのを見てて何だか懐かしくなってしまって、
自分のその頃の気分なんかが思い出されてしまいました。
(思えば自分もその時期からノートに文章とか色んなことを
書き始めていたような気がします。)
もうこの年頃の子って半分は大人ですよね。


実際生徒の中にはかなり詩的な達者な文章を書く子もいて、
そういう子には角田氏も「うまいね〜」とか感心していたのですが、
冒頭で紹介された、角田氏が子供の頃に書いたという作文もまた
えらい詩的な文章で、
もうその頃から資質が現れていたんだなーとか感心したのですが、
実はこういうセンスって年とかあんまり関係なく
表出されたりするものですよね。
技術的なものは経験やらの年数で変わったりしますが。
最近なんかははケータイメールとか、ブログとか
若い子が文章書く機会がたくさんあるので、
若い世代の文章力はかなり向上しているのでしょうね。
あの、「日日日」っていう高校生でデビューして
まだ間もない若い作家がいるのですが、
(「日日日」と書いて「あきら」と読むのですが、
口ロロ」と書いて「クチロロ」と読むのと同じくらい
冴えたネーミングだと思います。)
この人、すでに賞を4つだか5つだか獲っているらしくて、
これがこのまま大人目線と経験を獲得したら
どんなものが書かれるのかさぞ凄かろうとも思うんですが、
何となく文体とかセンスはこのまま変わらないのだろうなとも
思ったりします。(良い意味で。)
こういう人はそれこそ小学生くらいからもう
己の文体を獲得していたのでしょうね。
しかしそんなこと言ってたらそのうち小学生の小説家とか
出て来るかもしれませんね(笑)。


それにしても読書の秋だし、長い小説とかじっくり読みたいものだな。
とか思ったりした私です。
みなさんはどんな秋をお過ごしですか?


ところでお知らせですが、「indies issue」最新号の付録CDに
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あと「MARQUEE」最新号にレビューが載っています。
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詳細はまたここでお知らせします。