メイドカフェレポート

前々からなんとなくメイドカフェなるものに興味があり、
どういう場所なのであろうか、
どういう人たちが集合しているのであろうかと
ぼんやりと思ったりしておったのですが、
何となく一人では行けないよなあとか躊躇してたら
友人の神森徹也くんが
「俺、友人に連れられて何回か行った事ありますよ。」
と言うので彼に案内してもらって
社会科見学と称して行ってみることにしたのでした。
メッカである秋葉原まで。
いやーなかなかにスリリングな体験となりましたよ。


しかしメイドカフェと言えば今話題のお店であるので、
いざ行ってみたら事前に彼が調べておいてくれたお店は
どこも軒並み行列しており、
彼が「一番ディープな店」と称してた店などは
「30組待ち」という驚異の人気っぷりで、
そこまで人気があるならきっとサムシングスペシャルが
我々を待ち受けているに違いない!
と確信しつつもそんなには待てないので、
割と初心者でも行きやすい店で空いてる所を見つけて
そこにとりあえず入ったのでした。


そこは店員さんがメイドの格好してる意外は
普通の喫茶店。て感じで女性客も多くいたし、
カップルも多く至極普通な雰囲気でした。
そこで我々は普通に喫茶店。て感じでスパゲティとカレーを
注文してこれまた普通に食べ始めたのですが、
どうも周りの客はオムライスばかり注文している模様で、
普通ではない様子なのです。
む、なぜだ?と思ってよおく見てたらどうやらオムライスを頼むと
店員さんがケチャップで好みの字を書いてくれるという、
スペシャルなサービスを享受出来るシステムらしく、
それを知った我々は己の注文におけるミステイクを嘆き、
「嗚呼、どうせならあっちにすれば良かった。」
とすっかり後悔の念に駆られてしまったのでした。
醍醐味を味わずに何が社会科見学かと。
しかしそんなメニューがあったのかと、メニューを再読すると
「妖精の萌え萌えオムライス」とかいう
ご陽気なネーミングの代物であることが発覚し、
「はぁー萌え萌え。ですかー。」
と何となくため息を付きたくなるような気分になって
メニューを再びそっと戻したのでした。
しかし店に入って来る時に「お帰りなさいませご主人様ー」
と我々だけ言われなかったという店員側のミステイクもあり、
何だか萌え萌えというよりも、もやもやしたような気分で
不完全燃焼な感じで店を後にしたのでした。
(ちなみに出る時は「行ってらっしゃいませーご主人様ー」と
送り出されました)


そして送り出された後はリベンジせねばなるまいと、
もう一軒、今度はまた違うメイドカフェに入ってみたのですが、
(我々もしつこいですね・笑)
そこで我々はサムシングスペシャルを目の当たりにしました。
そこに入ったら店内がざわざわと湧いているところで、
ちょうどタイミング良くイベントが始まろうとしていたのです!
そこではホットケーキの早食いを店員さんと勝負することが出来、
勝つと写真撮影が出来て、負けると店員さんにビンタされるという、
何だかよくわからないサービスが執り行われており、
見ると明らかに食の細そうな少年がてんこもりなホットケーキを前に、
メイドの格好をした女の子と早食いの勝負に挑もうとしていました。
我々は注文をすることすら忘れ、その勝負を見守ることにしました。
が、店員さんの方のケーキはハンデなのか少年のそれより少量で、
もうやる前から明らかに勝敗は見えており、
少年もどっちかつーと写真よりもビンタを所望しているのは明らかで、
始まって会場が一体となって湧いたのも束の間、
実にあっさりと店員の女の子が勝利を収めたのでした。
んもうごちそうさまーってスピードで。
そこで再び湧く店内に注文を忘れて見守る我々。
って感じだったのですが、
そこでまた別な店員さんが煽るように、
「それでは罰ゲームのビンタです!カウントお願いします!」
と客全員にカウントを求めたので、我々や他の客もみな
「3、2、1!」とカウントし、それに合わせるかのように
「ビターン!!!!」
と高らかに彼女のビンタが少年の頬をヒットしたのでした。
もう本気と書いてマジというあえて古くさい言い回しで表現したい、
本気のビンタで、アントニオ猪木もかくや。
という素晴らしいビンタでした。
しかも私たちは見逃しませんでした。
少年が頬を赤くしながらも恍惚の表情だったことを。
そしてしばらくずっとにやにやと余韻に浸っていたことを。


「きっとあの少年は人生で一番幸福なビンタを喰らったね。」
と目の前で繰り広げられたイベントを総括しつつ、
そこでようやく我々も飲み物を注文したのですが、
前の店での反省も活かし、今回は店員さんが目の前で
シェイカーを振ってカクテルを作ってくれるという、
「みっくちゅカクテル」なるこれまた腰砕けなネーミングの
カクテルで大人の余裕を見せてみたのですが、
いざ女の子がテーブルに来て「それではお作りします。」と
シェイカー振ったのはいいとして、んもうへたくそなのね(笑)。
あたし不器用ですから。みたいな感じで。
しかも二人に振り分けるのにバランス悪くて
片方のグラスに多く注いでしまって。
「ああ、すいません〜」と当然謝るわけなのですが、
大人の我々は当然速攻で許すのであり、
向こうも許されてなんぼ。みたいな感じで去って行ったわけで、
「あれは計算でわざとミスしてキャラを作っているのではないか」
などと分析し、プロの仕事ぷりに感心したりしたのですが、
そうやって失敗しても許されるような可愛い妹系の子と、
ビンタがさまになるような美人系と、明らかに引き立て役の子。
など、店員のバランスもよく考えられており、
なるほどプロの配置だな、と感心しましたよ。
それにしてもビンタされた少年はその美人系の子に
フォールインラブなのは明らかで、でもシャイなので凝視できず、
ちらっとしか見れてない様子が面白くて(笑)
その少年をずっと観察しながらカクテルを飲んだのですが、
店員の女の子の方は「男の視線、大好物です。」
とでも言いたげなほど自信に満ちて立っており、
いつなんどきだれからの視線も受ける!という、
これまた猪木ライクな姿勢を貫いており、
またもプロの仕事を見てしまったのでした。
我々が興味半分で覗いた世界には
プロという名のファイターが己の戦場で戦いに挑んでいたのでした。


それにしてもビンタをされていた少年は普段学校では
女子に「キモーい」とか言われてる系であるかと想像され、
そんな少年がお金を払ってビンタを受け恍惚としてる様は
なんとなく見ててセンチメンタルにもなるのであり、
この言葉にならない感情をどう伝えようかと思ったところ、
そうか、ライブでギターで表現すれば良いのか。
と思うに至り、明日11月1日のライブでは
少年のために背中を押してあげるような凛とした旋律を
奏でてみようかと思った私です。
そして明日のライブに急きょ今回の社会科見学に同行した、
神森徹也くんもゲストで参加することになりました。
打ち合わせは一切してませんが(笑)、
何かしらの音を出してくれる予定です。
かなり面白いライブになるかと思いますので
ぜひお楽しみに!