12月、トマトのサンドイッチ。

気が付いたら夜中の12時過ぎてて
いつの間にか日付けが変わってて、
さっきまでの今日が昨日になってた。
みたいなさり気ない月日の移り変わりがありますが
そんな感じで12月になってた感じです。
「もしもし、12月ですよ。」
と誰かが肩を叩いてくれでもしたら深呼吸でもして、
プールに潜るように、少しずつ12月に
馴染んでいった私なのですが、
誰も12月宣言をしてくれなかった模様です。
しかしもう「冬」と称してよろしいのでしょうねこれは。
本格的に寒いです。
ノートに哀しみしか書くことが無いような、
凛とするくらいの冷たい雨が降っていますが、
その冷たさに追い討ちをかけるように
薄荷味の飴を口に入れて空気を吸い込んでみたら
もう空全体が薄荷味に染まったような感じがして
痛いくらいでした。
とりあえず傘を差すしかないです。
まっすぐに。天を突くかのように。


ところで「あしたのジョー」で、主人公の矢吹丈が公園で
乾物屋の娘の紀ちゃんに差し入れされたサンドイッチを
食べるというシーンがあるのですが、
トマトのサンドイッチが彼の好物で、
紀ちゃんが「この一列トマトよ。」と言って
トマトのサンドイッチを勧め、それを彼が「うめえ。」と言って
食べるというそのシーンを突然思い出したのですが、
なぜかと言うと今日、お昼にトマトのサンドイッチを食べたからで、
私はジョーの如く「うめえ。」と口にし、
黙々とそれを食したのですが、
これでまた少しジョーに近付いた。やったね。
と小さくガッツポーズをも決めたのですが、
サンドイッチならトマトに限るぜという
あしたのジョーファンは大勢いるに違いない。
なんて思ってみたのですが、みなさんどう思いますか。


私の友人に絶対にトマトを食べられないという、
トマト嫌いの人がいるのですが、
彼は一生あしたのジョーにはなれないわけで、
可哀想になあ。なんて思うのですが、
彼はジョーにはなりたくもない。
と公言しているので構わないようです。
彼はジョーになるよりトマトを食べない生活を選ぶ模様です。


昔はトマトジュースがドラキュラの飲む血のように思え、
私にとっては恐怖の飲み物だったのですが、
これは血ではなく、トマトだ。とわかるようになってからは
恐ろしくなくなりました。
誰の血なんだろう、友達のかずくんの血ではないかしら。
なんて心配が嘘のようです。
トマトジュースを飲む際にはこれは血ではないよ。
と子供たちに教えてあげたほうが良さそうです。
トマトを食べられない大人にならなくて良かったように思います。


そういえば前に友達が赤いマフラーをしていたので
「それはトマトの赤?」と聞くと、
「いや、リンゴの赤よ。」と答えたので
そっか、野菜ではなく果物か。
と思ったのですが、どっちも変わらない赤のように思います。
サンドイッチにサンドされたトマトを
パンを開いて覗き込むとそこには潰された赤が滲んでいて、
それはまるでパンの血のようにも見えました。
これは血ではないんだよ。
と私は自分に教えてやりました。
それは夕日のようにも見える。
薄い絵の具のような赤で。