冷蔵庫のトマトに似た頬の色はシンク(真冬)

fishingwithjohn2006-02-06

寒いですね。
「ここ、冷蔵庫?」
と誰にかはわかりませんが問いたいような感じです。
冷蔵庫の中ってきっとこんな感じでしょう。
冷蔵庫の中で冷やされてるポスト、
そしてその中で冷やされてる手紙。
そこに書かれてる文字もきっと冷やされて
どこまでも冷えていますよ今日は。
私が棋士ならこの寒さに王手をかけてやるのに。
そして寒さに「参りました。」と言わせてやるのに。
しかし私は棋士ではないのでそれが出来ません。
そしてそれが残念でなりません。
王手飛車取り!という独り言もまた冷えています。
どこまで冷えれば気が済むのでしょうか。


ところで劇団ひとりという芸人がいるのですが。
彼の初の小説「陰日向に咲く」を先日読んだのですが、
構成や文体やストーリーやら、
どれも「技ありっ」という感じでよく出来ていて、
読んでて感心してしまいました。
短編集なんですがどの作品も少しずつつながりがあって
連作という形になっていて、彼の一人芝居に見られるような
毒気と哀愁と笑いが行間に滲み出ていて、
才能あるなあこの人は。と改めて思いましたよ。
彼の「ジャニーズオーディション」や「千葉のヤンキーの落語家」
といったネタなど、高い批評性と演技力を兼ね揃えていないと
成り立たない秀逸なものばかりで、
その狂気の出し方などよほど正気で確信的でないと
出来ないだろうなあとか私は常々思っていて、
小説でもその作風は活かされてる感じがしました。
まだ1作目だし「お笑い芸人が書いたにしては」みたいな
贔屓目が介在してしまう嫌いもあるしわかりませんが、
この先もっと凄いものを書くような気もします。
作家としての彼の活動が楽しみです。
ところで彼のネタで「亡くなった同級生に線香をあげに来た渡部篤郎
というなんだそれ、みたいなネタがあるのですが、
たまたま深夜のテレビでそれを見た時は爆笑しつつも
そのトゥーマッチ毒気にこれはもう文学じゃん、とか思ったのですが、
あのネタもう1回見たいなあ。
「愛なんていらねえよ夏」でしたっけ?
実に素敵なタイトルのドラマがありましたよね。
あれの渡部篤郎氏の滑舌とか妙な雰囲気に戸惑いを感じたものでしたが
そういうのをわかる方は笑えると思います。


ところで写真は神保町の某書店のトイレのドアに書かれていた
落書きなんですが、「HG」に「ハードゲイ」と
丁寧にルビを振ってあるのが何だか面白いんじゃないかと思いました。
つーかこんなの写真に撮ってる場合なのかって話ですが。