三月の(おいしい)水

「新曲、こういう感じの2曲です。」
「あれ、これメトロノームみたいな音が残ってるよ?」
「あ、これは僕の部屋の時計の音です。
録音してる時に入っちゃったんですよ。」
「へー、そりゃ素晴らしい。」
「静かにしてるとこういう音も入っちゃうんですよね。」
「ところでこのノイズは音叉?」
「音叉をマイクに直接付けて振動を録ったんですよ。」
「マイク、大丈夫なんだ?」
「試しに振動させてみたら良かったんですよね。」
「ニャー。」
「お、コマオだ。よーしよし。」
「ニャー、ニャー。」
「ところで今日って猫の日だって知ってました?」
「え?そうなの?」
「2月22日でにゃんにゃんにゃんということで。」
「へー、コマオ、今日はお前の日だってさ。」
「ニャー。」
「『そうなんだ、ふーん。』て感じの返事ですね。
あ、これ低音出過ぎですかね。」
「ほんの気持ち押さえたけど。このくらいでどう?」
「こんなものですかね。あ、ところでオザケンの新譜、
どんな感じになると思います?」
「おそらくモリコーネとかみたいなそういう感じじゃないかね。」
「僕もそう思いますね。サウンドイカーというよりも
コンポーザーとしてのインストアルバムだと思うんですよね。
この期に及んでエレクトロニカとか、そういうのはないですよね。」
「そういうのはそもそも聴いてないんじゃないかね。
ところでこっちの曲、何かビーチボーイズっぽい感じするね。」
「え、そうですかね。そうなのかな。」
ティンパニみたいな。これはタムなんだ。」
「タムを叩いてるんですよね。」
「シングルって感じだね。まさしくジョン節だなあ。」
「映画のメインテーマって感じですね。
あ、そういや石本さんボサノバはその後どうですか?」
「練習してるよ。面白いよ。ボサの人はセーハしないんだってね。」
「え?そうなんですか?」
「全部一個一個の指で押さえるから凄いフォームのがあるんだよ。
でもセーハしちゃっても別にいいみたいだけど。」
「変わった押さえ方してますもんね。」
ジョアン・ジルベルトの来日公演のやつも聴いたよ。
ライン録りのやつ。後半ヒスノイズがひどかったみたいで
使えなかったやつもあるみたいだけど。」
「お客さんに感謝の祈りを捧げたっていうやつですか?」
「20分くらいやってたみたいね。
ところでこれ、アップルストアでのライブではどうやるの?」
「どうしましょうかね。もちろんこの曲メインでやる感じですもんね。」
「ギターは2本なんだ?」
「メインは2本なんですけどよく聴くと4本くらい入ってるんですよね。
ところで我々も感謝の祈りを捧げますか?」
「持ち時間40分しかないのに20分も祈るの?」
「あらかじめ自宅で祈っておいてから来る方法がありますね。
じっと動かないで。」
「ニャー、ニャー。」
「あれ、コマオが何か言ってますよ。」
「ニャーン。」
「『これ、いい曲だね。』と言ってるね。」
「言ってますか。」
「言ってるね。」
「じゃあきっといい曲ですね。」
「間違いない。」


というわけで新曲のマスタリングが終了しました。
この2曲はシングルとして4月にiTMSから配信される予定です。
ぜひよろしくお願いします。
あとこれのリリース記念に4月15日に渋谷アップルストア
インストアライブも行う予定です。
そちらもぜひよろしくお願いします。
感謝の気持ちと共に。
ということで(笑)。