教会ドローン体感@品川

昨日はTOWN&COUNTRYとTAPEの来日公演を品川教会まで
見に行って参りました。
前回来日した時もこの会場でライブをやったんですけど、
その時はPAなしの完全生音、
エフェクトは教会内のリバーブのみ。
という素晴らしいライブで、今も記憶に残っているのですが、
どうも今回もそれを見込んで場所を押さえたそうなんですが、
新作ががらっと違うサウンドに変わってて
結局PAを取り入れることになったので
あんま教会の意味がなくなった(笑)とか事前に聞いてたんですが、
それでも教会の雰囲気がピッタリ合う、いいライブでしたよ。


最初出て来たTAPEはメンバー3人での生音と電子音の演奏で、
CDで聞き覚えのある曲がCDよりも若干拙い演奏で再現されて
あーライブぽいなーとか思いながら聴いてたんですけど、
何かねえ。気持ち良くて途中で寝てしまいましたよ(笑)。
ステージも客席も薄暗いし、環境音や電子音のループの中、
何だか夕方の台所のテーブルでついうたた寝しちゃって
短い夢も見ちゃってちょっとした罪悪感と共に目が覚めるみたいな、
そんなリスニングになりました。
まあそういう体感のされ方がある種ふさわしい音楽ですしね。


で、次のタウカンなんですが、今回はお客さんをステージに上げて、
客がメンバーを四方360度囲んで聴くという、
ある種宗教的な儀式のようなリスニング方式が取られて、
その点で教会というロケーションを有効利用してたと思うんですが、
今回の新作が使用楽器も総入れ替えというくらい変わって、
ある種民族音楽的なテイストが強くなってたんで、
こういう儀式的な雰囲気が合ってたんじゃないかなと思います。
前作からドローン路線が強くなってきたと思うんですが、
今回は日本の雅楽とかインド音楽とかいろんなテイストが入ってて、
ボイスも楽器として取り入れたのもあって、
(ライブでは打楽器のポリリズムも強めに出されてて
メンバーがホーミーの如く一定の音で唸っていて
まさに「米の収穫を祝ってるノリ」でした)
前回来日時は静かに地味に演奏してたメンバーが
今回は楽しそうに盛り上がってやっていたのが印象的でした。
CDよりもライブの方が断然良かったし楽しめましたね。
まあ好みで言えば今までの空白に点を打ち続けていくような
複数のアコースティック楽器での反復の綿密なアンサンブルが
良かったなーというのもあるんですが、
バンドとして健康的に持続するには同じことやってても駄目だし、
変革を恐れずに活動を続ける姿勢には敬意を表したいと思いましたよ。
しかしこういう民族的なテイストって由来としてある土着的な、
宗教とか思想とかが付いて回りそうな気がするんですが、
(彼らは単純にミニマルやドローンの追求の果てに
このサウンドに行き着いただけと思うんですが)
何となく「借り物」的なニュアンスも
若干感じてしまったりするんですよね。
もっと消化されても良いんじゃないかみたいな。
まあそんなにその手の音楽に詳しくないので
偉そうな事はあんまり言えないですが。
1時間ノンストップの演奏でしたが、
途中ウッドベースとバイオリンでメロを反復するくだりとか、
ちょっと前までの彼らのテイストが出た瞬間とかが
やっぱり独特で良かったような気もするんですよね。
でもまあ圧倒的に質が高いし、単純に楽しめたので
良いライブだったなと満足しましたけど。
この先の彼らがどうなってゆくのか見守りたいところです。


で、会場では例によって知り合いに色々会いました。
そういやグレイト3の片寄氏も見に来てましたが、
彼なんかはこのタウカンの変貌をどう見たのか
知りたいなあ、なんて思ったりしつつ、
雨の中とぼとぼと帰った私です。
ドローン。
ということで。