私、訪れる理由のある場所に訪れて

昨日は友人Y氏の新居を訪ねて東村山という所を訪れたのですが、
東村山は志村けんの「東村山音頭」でしか馴染みがなく、
友達がいる、などの訪れる理由がないと
多分一生行かないかもしれない場所だなあとか思ったのですが、
まあ考えてみれば観光地や繁華街でもない限り
日本中ほとんどがそういう場所なのであって、
一生訪れないままで終わる土地なんてのは無数にあるよなあ。
なんて思ったら不思議な気分になったりしたのですけどね。
そんなこと思いながら電車を乗り継いで向かったのですが、
普段乗らない電車に乗ると何だかテンションが上がると言うか、
旅気分になって楽しくなりましたよ。


で、東村山に着いてYさんに会ったら
折角だから名所を訪ねてみてはいかがということで、
都内で唯一の国宝だという正福寺なるお寺を見物したのですが、
この寺は独特の尖ったフォルムの建物で、
見た目が何だか浜崎あゆみのマークみたいで、
「あゆの元ネタはこれなんだな。」
と勝手に私の中で結論したのですが、なかなか面白い建物でしたよ。
それから菖蒲園も見たんですけど、
生憎の雨で足下が泥だらけでしたが、
なかなか風情ある感じでした。菖蒲も綺麗で。
まあこの美しい自然景観も所詮人工なんだけど。
と言ってしまえばそれまでなんですが。


で、その後はYさんの家で餃子など作ってもらって
すっかりもてなしてもらっちゃって、
私はというと完全に客人面して手伝いもせんと
ビールなど飲んで「えへへ。」とか笑って、
フィッシュマンズのリユニオンライブの映像とか見て
UAの「頼りない天使」に泣いたり、
さかなの貴重なレコードを聴かせてもらって唸ったり、
廃墟ものや秘境駅もののビデオを見せてもらって
「こういうのタモリ倶楽部でやったら面白いのに。」
などとツッコんだりして楽しんだのでした。
(こういう廃墟や秘境もののドキュメントを見ると
改めて縁がないと一生行かないだろうなという土地が
日本には無数にあるのだなと実感させられます)


そんなわけでもてなされて
すっかり楽しんで帰った私なのですが、
もてなされてばかりではいけないので
今度は逆にもてなさないとな。
などと地味に決意したりしつつ、
棚から「東村山音頭」のCDを取り出し、
「ひがしむらやあまあ〜」などと
志村けんと一緒に歌いながら踊りながら、
眠りについたのでした。


そう、雨の中を。
夜に塗れて。