私と同じ年の、ディランを聴く

みうらじゅんマガジンなる雑誌が創刊されていて、
第1回目はボブ・ディランの特集だったので購入したのですが、
ディランのかっこいい写真が満載だし、
ディランにまつわる色んなミュージシャンとの対談も興味深く、
ファンには堪らない内容でしたよ。
みうら氏が提唱するディランの聞き方に
「自分の年のディランから聞いてみよう」というのがあるのですが、
ディランは20才にデビューして以来、
65才の現在までほぼ毎年のようにアルバムを出しているので、
彼が自分と同じ年に出したアルバムを聞いてみるという
聞き方が可能なんですが、なかなか鋭い聞き方だなと
その切り口に感心しましたよ。
実際、年齢とアルバムを比べて見ると、
24で「ライク・ア・ローリングストーン」書いたのかーとか、
絶頂期のはずの25の1年間、休んでたのかーとか、
27にしていきなりカントリー行っちゃうのかよーとか、
33にして離婚したのかーとか、
37でクリスチャンに改宗したのかーとか、
彼の人生とアルバムの内容とのリンクぶりが伺えて、
大変面白いのですね。
ディランの年齢と自分の年齢を重ねてみるのも良いですし。
こういうディランの捉え方って
みうら氏にしか出来ないよなあと改めて思いますよ。
ちなみに私の現在の年齢の頃、
ディランはザ・バンドと一緒にアルバムを作って
ツアーしてるのですね。
「フォーエバー・ヤング(いつまでも若く)」とか
歌いながら。
このかっこよさを見習いたいところですよ。


ところで対談の中でYO-KING氏が
「一番聴いたのは『ナッシュビルスカイライン』かも」
とか発言していて、これはディランが27にして
いきなりカントリー行っちゃったアルバムなんですが、
私もこの年になって妙にこのアルバムがしっくりきていて
最近よく聴いているのですが、
なかなか味わい深くて良いのですよね。
ジョニー・キャッシュとハモるでもなく
ただお互い勝手に歌ってるだけの(笑)デュエット曲とか、
すっきりしたディランのボイスとか、
30分弱という、ほぼミニアルバムじゃねーのという
ちょうど良いボリュームとか、
何か繰り返し聴いてしまうのですよね。
高校生の頃はよくわかんなかった「血の轍」とかも
しみじみと聴けるようになったし、
年齢を経て楽しみ方が広がるのって良いなと思ったりします。
さらに年を重ねてわかる魅力もあるかと思うと
先が楽しみです。
老後の楽しみに(?)とりあえず今からでも
自分と同じ年のディランから聞き始めるのも
良いんじゃないでしょうか。
しかし20才の子とかはいきなり激シブのデビュー作
ボブ・ディラン」を聞かなくちゃいけないのは辛いですが。
まあ初心者はベスト盤からですね(笑)。