ある光

先日、私の携帯電話のカメラが突然の発光と共に
壊れてしまったのですが、
発光と共に壊れるその所以が私にはわからないので
これは何かの啓示であろうかとふと思ったのですが、
まあ結構酷に使い倒していたので
「寿命だろう。」
という結論を自ら導きました。
割と簡単に。
しかしあれってあると結構便利なもので、
ないと意外に不自由するという事実に
ちょっと驚いたりしています。
カメラがメモ代わりになったりするのですね。


ところで一口に壊れたと言っても
全く機能しないわけではなくて、
黒と紫と白い鮮烈なる光がそこには映っていて、
撮影するとその光の世界がちゃんと記録されるので、
レンズだけがおかしいのであろうと素人判断でも
安易に予測されるのですが、一方で、
「ここには別な角度から見たもうひとつの
我々の世界が映されているのかもしれない。」
なんて思ったりもして、
その光に包まれたもうひとつの世界に
目を眩ませながら9月を徘徊する自分を想像しては
それを撮影してこの目で見てみたいものだ。
なんてことを思ったりしています。
みなさんのカメラには何が映っているんでしょうか。
恋人の顔でしょうか。
孤独の空でしょうか。
過去の光の残り香でしょうか。
もしくは現実そのものでしょうか。


ところでくらくらするような黒と紫と白の光の世界って
どんな世界なんでしょう。
影は伸びるんでしょうか。
誰に送れば良いのでしょう、その映像を。
とりあえずはこのまま残しておくしかないのでしょうか。
私以外誰も見ない光の映像を残したまま
私は9月に漠と佇んでいます。